トランペット記事 オッタビアーノ・クリストーフォリが斬る ベストブラスの新ピッコロ“アルテミス”
  トランペット記事 オッタビアーノ・クリストーフォリが斬る ベストブラスの新ピッコロ“アルテミス”
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Piccolo Trumpet “ARTEMIS”×Ottaviano Cristofoli

オッタビアーノ・クリストーフォリが斬る ベストブラスの新ピッコロ“アルテミス”

GEAR

ベストブラス創立25周年を記念して登場したピッコロトランペット。本誌前号でも紹介した注目の新モデルの試奏に臨んでくれたのは、侍ブラスや日本フィルハーモニー交響楽団 ソロトランペット奏者として名を馳せるオッタビアーノ・クリストーフォリ氏。ベストブラス社長 濵永康太氏を交えたインタビューは、プレイヤーとメーカーの視点が交差する有意義な時間であった。その一端を本記事でお届けしよう。

BEST BRASS Piccolo Trumpet “ARTEMIS”
スタンダードタイプ ¥990,000(税込) ※写真右
ストレートタイプ “SHスペシャル2025 ¥1,320,000(税込) ※写真左

“音程が良い”だけじゃない

ベストブラスのピッコロトランペット吹かれてみて、いかがでしたか?
オッタビアーノ(以下、O)
すごく吹きやすいね。高い音のツボがしっかりあるから、高音がすごく出しやすいし、音程も完璧です。スタンダードタイプの音色は、私の好みの音ですね。ピッコロは高音が細く「キーン」と鳴る楽器も多くて、逆にそれが好みの人もいますが、それは私が求める音じゃない。ピッコロは難しい楽器で、B♭管と1オクターブ違うから、毎日練習しないとすぐにそういう音になりやすい。だから私もピッコロは毎日吹いています。でもこのピッコロはそういう耳を刺すような音がしない。柔らかさがあって、音も太くて大きいから、オーケストラの中でも埋もれずにしっかり使えると思います。
濵永康太(以下、K)
ありがとうございます。「音色が好み」と言ってもらえるのは嬉しいですね。ベストブラスの楽器は「音程が良い」と言われることは多いのですが、「音程“は”良い」と言われてるように感じることもあるので(笑)。
O
そんなことないよ。「音程が良い」っていうのは、単にピッチが良いっていうだけじゃないから。私が言う“音程”は、カラーや音色、コントロールまでを全部含んでる。例えばメジャーとマイナーで音のカラーが変わるけど、その微妙な音程も奏者は吹き分けなきゃいけない。自分の音程が完璧であれば、楽器側が自分の音程を邪魔したらすぐにわかる。メジャーでもマイナーでも、自分でイメージした音色がそのままスッと出せる楽器が本当の意味で良い楽器。特にピッコロは、そうじゃない楽器は多いからね。この楽器はそういう意味で、音程がすごく良いから、単純なメロディを吹くだけでもキレイに鳴ってくれます。
吹き手の能力が高いからこそ評価できるポイントですね。オッタビアーノさんは普段はどのピッコロをお使いですか?
O
今は、4本ピストンのヤマハのピッコロを使っています。以前は、ヤマハの3本ピストンのロータリー部分を取って軽くしたピッコロや、シャーゲル(Schagerl)のロータリーピッコロも使っていました。
シャーゲルからヤマハに替えた理由は?
O
シャーゲルのロータリーピッコロは音が素晴らしくてとても気に入っていたし、オーケストラでも使っていたけど、ソロでバロックのコンチェルトを吹くときに、操作面で少し敏捷性が足りないと感じたこともあったので、ピストンに替えました。

音色の良さと操作性の良さがひとつに

ご自身のピッコロとベストブラスのピッコロを比べてみていかがでしたか?
O
ベストブラスのピッコロは、シャーゲルの音を思い出しますね。音に芯があって太い。それにピストンだから操作も速い。すごくいい楽器だね。これは欲しい(笑)。以前使っていたヤマハの3本ピストンと比べると少し重いけど、吹いたら重さは全然感じなくて、むしろヤマハより構えた感覚はコンパクト。あとトリガーで音程が取れるところが個人的に好きです。私が使っていたヤマハの3本ピストンにもこのようなトリガーを改造して取り付けたんだけど、4本ピストンはここが固定されちゃうので。
K
3本ピストンは、このトリガーのそばに低音を出すためのロータリーがつくんですよ。でもそれだとルックスの美しさが損なわれるし、うちのバルブだと三番管が長く取れるので、ロータリーを付けなくてもトリガーのスライドで下の「ファ(実音D)」まで出せるんです。それが良いって言ってもらえるのは嬉しいですね。
O
あとこのウォーターキィも面白いね。
K
これは「HAMANAGA WATER KEY」っていう弊社独自のウォーターキィで、普通はここがコルクなんですが、うちは金属になっていて、孔の中に金属が入り込んでピタッと合う形状にしているんです。

HAMANAGA WATER KEY YouTube解説動画

O
これすごくいいよね。コルクだと水を吸うから吹いててどんどん音が変わっちゃうし、新しいものに替えると楽器が変わっちゃうから。これはすごく面白いアイデア。
K
ベストブラスのコンセプトは、パイプからバルブの中まですべてシームレスに真円状で作っていて、ウォーターキィもそのコンセプトからこういう形を提案しています。
O
ピストンの造りもすごくいい。ネジの部分もガタがなくて、ピストンのタッチ感もすごく高級な感じがして好き。私はこういう造りがすごく気になるタイプなんです。ちょっとでも揺れると気になっちゃう。自分が今使っているB♭管も音はものすごく良いし、吹きやすいけど、ピストンの細かい部分でちょっと気になる点があったりするから。ベストブラスのしっかりした造りもシャーゲルと似てますね。
ベストブラスは「トランペット界のフェラーリ」を目指していると常々おっしゃってますよね。
K
そう(笑)。おこがましいのは承知の上ですが、本気で音のスーパーカーを作っているつもりですよ。
O
それは伝わってくるね。造りが美しいし、すごくポテンシャルがあると思う。私はバイクが好きだけど、バイクはホンダが一番。造りがしっかりしていて乗っていて安心する。一度、別のメーカーのバイクに換えたことがあったけど、造りが悪くてガタガタするのが嫌ですぐ売りました(笑)。
一同
 
 

【問合せ】 株式会社ベストブラス
静岡県浜松市中央区西町314番地 TEL: 053-401-5256 Mail: info@bestbrass.jp  www.bestbrass.jp


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