トランペット記事 マイルス生誕100年を祝した2つのライブ
  トランペット記事 マイルス生誕100年を祝した2つのライブ
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Miles Tribute Live Report

マイルス生誕100年を祝した2つのライブ

REPORT

マイルス生誕100年を記念して開催された2つのライブをレポートしよう。4月以降も多くのトリビュート・ライブが 国内外で催されることだろう。

Live Report 1

ビル・エヴァンス & ヴァンスバンド・オールスターズ
celebrating the 100 year anniversary of Miles Davis

Photo by Great The Kabukicho

2/17(月)ブルーノート東京(東京)
[演奏]ビル・エヴァンス(Ts,Ss) ティル・ブレナー(Tp)、ラッセル・フェランテ(Key)、ジェームス・ジーナス(Bass)、キース・カーロック(Ds)
[曲目]OLDER DAYS、MICA MOON、BOOMTOWN、JEAN PIERRE、ROAD TO ILHA GRANDE、BEX IN MOTION、MILESTONES

ブルーノート東京での公演が始まって二日目、ウィークディのファースト。それでも客席は満員だった。如何に日本のジャズ・ファンに「帝王」マイルスの名前が圧倒的か、良く判る。当然ながら若くしてマイルスに抜擢されたビル・エヴァンスにも興味はあるが、その大事なマイルス役を務めるドイツ人トランぺッター、ティル・ブレナーのお手並み拝見という意味合いもあっただろう。
演奏曲目は、当然ながらエヴァンスがマイルス・バンドに在籍していた1980年代初期のものが中心で、エヴァンスはテナーも吹くが、結構ソプラノを吹くシーンも多かった。ベースのジナスはずっと5弦のエレキ・ベースのみ。面白かったのが、誰もが譜面を見ながらの演奏だったのに、ピアノのラッセル・フェランテだけが譜面なしなのだ。すべての曲が頭に入っていた? そしてブレナーは、一曲だけディレイ・マシーンを駆使したソロを展開した曲があったのは、その当時の曲のファンにとっては嬉しいことであったろう。ブレナーとエヴァンスのフロント・ライン二人は、どちらもワイヤレス・マイク装着で、ステージ上を左右に動き回る。この辺りも、お客さんには嬉しいところだ。
アンコール代わりの一曲には、往年の名曲『マイルストーンズ』が。もう見事な、軽くてスピーディーな4ビートを奏で、お客さんの熱気が一気に高まった。「そうだよ、オレたちはこれが聴きたかったんだ!」という雰囲気に包まれた。そうなのである、日本のジャズ・ファンの多くは、やはりこの時代のマイルスのジャズが好きなのだ。そして今でもその時代のジャズを聴き、マイルスって凄いな、と思っているのである。そこを見越したような、エヴァンスたちの選曲とパフォーマンスなのであった。(櫻井隆章)

Photo by Great The Kabukicho

 

Live Report 2

第26回・守屋純子オーケストラ定期期公演2026
Sketches of Miles: 100 Years of Jazz Innovation

2/27(金)渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール(東京)
[演奏]守屋純子(Pf)、ジョー・モッター/奥村晶/マイク・ザッチャーナック/ 岡崎好朗(Tp)、近藤和彦(As,Ss,Fl)、緑川英徳(As)、岡崎正典(Ts)、吉本章紘(Ts.Fl)、アンディ・ウルフ(Bs)、佐野聡/東條あづさ/駒野逸美(Tb)、山城純子(BTb,Tuba)、安カ川大樹(Bass)、加納樹麻(Ds)、岡部洋一(Perc)
[曲目]Prince of Darkness、Miles Ahead、Silver of Silver、Blue in Green、All Blues、My Funny Valentine、Boplicity、A New Step、Bye Bye Blackbird、It Never Entered My Mind、Moving Onward、My Ship

2001年にファースト・アルバムをリリースしてから、はや25年。ピアニスト/作編曲家の守屋純子率いるオーケストラが第26回目の定期公演を開催した。副題が示す通り、今年生誕100年となるマイルス・デイヴィス関連の楽曲を中心としたステージだ。トランぺッターはマイク・ザッチャーナック、ジョー・モッター、奥村晶、岡崎好朗の4名。ソロにアンサンブルに抜群のセンスを持つ面々である。
オープニングはウェイン・ショーター在籍時の名盤「ソーサラー」に含まれていた『プリンス・オブ・ダークネス』。守屋のアレンジは岡部洋一の打楽器を生かした実に軽やかなもので、マイクのトランペット・ソロも水を得た魚のように生き生きとしていた。岡崎は『マイルス・アヘッド』や、大胆不敵なアレンジが施された『バイ・バイ・ブラックバード』でフィーチャーされ、オーケストラきってのハイノート・ヒッターであるジョーは『イット・ネヴァー・エンタード・マイ・マインド』で流麗なソロを聴かせた。そして奥村は9人編成――つまりマイルスの伝説的ノネットに倣った、ただしフレンチホルンは入らず代わりに2トロンボーン――における『バプリシティ』、およびオーケストラ全員による守屋の自作で最新アルバムのタイトル曲でもある『ムーヴィング・オンワード』でひときわ光彩を放つ。いいスコア、いい奏者、いいコンビネーションの三拍子が揃ったライブは実に気持ちがいい。(原田和典)

 


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