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吹奏楽お悩み相談室 楽器の寒さ対策 【木管】

wind-i mini 3号

oboefagotto

雨が降ると顔が真っ赤に

リードの良し悪しは、繊維の太さと密度が関係します。より繊維が細く、密度が高いものが一般的に良いリードとされます。微妙な重さで良いリードを判断する人もいれば、機械を使って硬度を測る人もいます。硬さに関しては好みがありますが、柔らかいものは優しく響き、硬いものはパーンとした真っ直ぐな響きになります。見分け方としてはリードの色が白っぽいと柔らかい、茶色っぽいと硬いということが一般的に言えます。

雨が降ると顔が真っ赤に

オーボエのリード

オーボエの演奏において、リードは最重要課題です。すべての奏者が悩んでいることだと言っても過言ではないでしょう。金管楽器で例えるならば、マウスピースを毎日買い直すような厄介さです。天然の素材であり、なおかつ先端の厚みがシングルリード(厚さ約0.1mm)よりもさらに薄い(厚さ約0.03mm)リードを2枚使用するので、天候などの影響をより強く受けてしまいます。 調子が悪くなると演奏どころか音すら出なくなります。昨日まで調子の良かったリードが「割れた?」と思うほど激変することもあります。本番中に雨が降ると、次第に鳴りが悪くなってしまい、顔を真っ赤にして息を吹きこまないと音が出なくなるほど繊細です。そのため、プロ奏者はもちろん、すべてのオーボエ奏者が本番前はリード選びや調節に四苦八苦するのです。

雨が降ると顔が真っ赤に

オーボエリードの旬と寿命

リードの寿命は35〜50時間で、1カ月に2本以上必要になります。リードは気温や湿度で日々変化し、雨の日はリードが重く、冬は乾燥して軽くなります。リードは適切な振動や舐める(舌の表面は細かいやすりと同じです)ことでなめらかになり、10回程度の使用で馴染んできます。その頃が最高のタイミングです。逆にフォルテが出ない、第1オクターブキィを押したG、Abが詰まる場合は「もう寿命かな?」というサインです。 プロ奏者はたった1本の良いリードを得るために20本以上のリードを費やすこともあります。そのために常にリードを削っているといっても過言ではありません。練習時間とほぼ同じ時間をリードに費やしているとさえいわれます。アメリカの奏者は本番当日にあらかじめ、荒けずりされたリードを削り、調整して本番に臨み、その1回きりでリードはお役御免だそうです。 プロでない皆さまも、リードは少なくとも6本以上は使い回しましょう! 本番用に1本。本番予備用に2本、練習用に2本、新品を1本以上。特に本番予備用は重要で演奏に安心感が備わります。当日の晴れ(リードが軽くなる)と雨(リードが重くなる)の対策も必要だからです。



オーボエリードの選び方

通販、ネット販売など、試奏して選ぶことができない場合は、以下のことを参考にすると良いリードを手にする確率が高くなります。

・リードがたくさん売れているお店やメーカーをリサーチする
・注文の際、自分の好みや使用楽器を伝えた時の対応で判断する
・リードを直接見ることができる場合は、先端が綺麗なひし形になっているものを選ぶ

感触のよかったリードの形を覚えておけば、それと同じものを買うことで好みのリードに出会える確率が高まります。 吹いて選ぶ場合は性能重視で選びます。音色で選ぶと音程が不安定になったり発音が鈍くなったりするだけでなく、他の人とハーモニーを作ることが難しくなります。 以下の3点に問題がなければ、相性の良いリードです。

・第1オクターブのF#、G、Abがうわずる、詰まる、オクターブ下がる場合
・第1オクターブのEが高くなる、Fが半音高くなる、不安定な場合
・中音Bbが詰まる、Hがぶら下がる、Cが極端に明るく開く場合

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