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吹奏楽みやぎ小編成バンド楽曲研修会

レポート:吹奏楽みやぎ小編成バンド楽曲研修会事務局・佐藤 学

2016年5月1日(日)に仙台市宮城野区にある聖和学園高等学校薬師堂キャンパス・サールナートホールで「吹奏楽みやぎ小編成バンド楽曲研修会」が開催され、当日の様子を吹奏楽みやぎ小編成バンド楽曲研修会事務局・佐藤学さん(仙台城南高等学校吹奏楽部顧問)にレポートしていただきました。

吹奏楽みやぎ小編成バンド楽曲研修会 レポート

小雨の降る5月としては少し肌寒い日でしたが、仙台とその周辺地区からの参加者をはじめ、石巻地区や仙南地区、遠くは岩手の花巻からなど、およそ100名という多くの参加者で賑わいました。
宮城県の実情をお話しすると、仙台周辺では高校で二極化が進んでおり、都市部でも10数名で活動している学校が徐々に増えています。宮城県南の仙南地区では、多くの中高が小編成であるだけでなく、吹奏楽コンクールでは10名以下で出場している学校も現れています。関心の高い方々に参加していただき主催者として感謝しています。
初めての企画だったこともあり、なかなか周知できなかったためかもしれませんが、研修会の内容はとても充実し、来場者した指導者の方や中高生も、出演した高校生も大満足で帰ってくれました。

実施目的
●日頃、小編成バンドで取り組んでいる中学校・高校吹奏楽部に発表の機会を設けることで、参加校の生徒達が吹奏楽活動への意欲をさらに高めるため
●部員不足などで恒常的に悩んでいる吹奏楽指導者や指導歴の浅い指導者に小編成のレパートリーを紹介することでの小編成対応曲のレパートリーの普及を目指すため
片岡寛晶先生

片岡寛晶先生

今回、作曲家であり打楽器奏者でもある片岡寛晶先生をコーディネーターにお迎えし、演奏や編成についてのレクチャーを交えながら楽曲を演奏するというコンサート形式の研修会を行ないました。
【小編成基礎合奏クリニック】、【フレキシブル楽譜によるコンサートとレクチャー】、【小編成楽曲紹介コンサート】の3つの講座を用意しました。
特に【小編成基礎合奏クリニック】と【フレキシブル楽譜によるコンサートとレクチャー】では、実験的な演奏を通しながら、練習方法・演奏・編成・演出などについての提案をしていく内容でした。


小編成楽曲紹介コンサート<オープニング>

福島弘和作曲『ファンファーレ I 』を約20名で演奏しました。

『ファンファーレ I 』とは
2月に行なわれた西関東バンドクリニック2015(西関東吹奏楽連盟主催)で発表され、参加した指導者に電子データとして楽譜が無料配布されました。日頃、チューニングで演奏しているチューニング・パターン(B♭ − F − C − A − B♭)を主題としたファンファーレです。

 

小編成基礎合奏クリニック

吹奏楽みやぎ小編成バンド楽曲研修会

続いて、『合奏の花② スムーズ・アンド・クリスピー』、『合奏の花④ ネクスト・ステップ』、『フレキシブル・コラール集』を片岡先生によるレクチャーを交えて演奏しました。

後藤 洋作曲『スムーズ・アンド・クリスピー』
実践内容:単にそれぞれの群が基礎練習するだけでなく、一方の群が奏でているハーモニーを意識しながら合奏に臨むことで全体のサウンドが豊かにすることを実践
レクチャー内容:特に後半の部分でのスタッカートの奏法について、アタックだけにとらわれず、発音を通じ豊かな響きを目指すことがポイント
後藤 洋作曲『ネクスト・ステップ』
実践内容:アーフタクトを意識し演奏に繋げるためと、強拍をきちんと決めるための身体の準備(視野・口の中・呼吸など)を身に付けるために、手で拍子を取るなど身体の動きで曲のイメージを表現しながら歌う練習
レクチャー内容:身体を使った練習を通して、音楽のもつ推進力をより意識しようという指摘は、基礎合奏とはいえ音楽そのものを感じながら取り組むことを忘れてはならないことを実感
後藤 洋作曲『フレキシブル・コラール集』
実践内容:1名の生徒が四声部のコラールのいずれかの声部を演奏し、それにあわせて教師役の生徒がコンデンス・スコアを元に演奏している声部除いた三声部をハーモニー・ディレクターで伴奏するという練習方法を実践
ハーモニーを聴きながら響きの中でコラールの練習すると自然に耳をすまし、音程を寄せていくことと同時に、奏法のチェックなど生徒の個人指導もできます。
レクチャー内容:人数を増やしながら進行し、A.Sax., Hr., T.Sax., Tb.の混合四重奏で演奏しました。20名編成バンドとの聴き比べをし、4名のコラールでも正しい音程でバランスを整えれば共鳴しあうサウンドになり、20名編成に劣らないサウンドになることを実感。

『スムーズ・アンド・クリスピー』『ネクスト・ステップ』は小編成でも取り組めるデイリー・トレーニングという位置づけ以上に、全体のサウンド作りや音楽観を育てる等の発展性もっている教材だといえます。

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