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【特集】見直そう、基礎のキソ! 金管編〈その1〉

Wind-i mini 13号 特集

夏といえば吹奏楽コンクール、冬といえばアンサンブルコンテストですが……、秋といえば……? 実は、少し気持ちがたるみがちになってしまうこの時期は、演奏するときの土台である基礎を固めることができるチャンスなのです。 「見直そう、基礎のキソ!」と題して、アルソ出版から発刊している雑誌「Wind-i5号」から、金管楽器の基本的知識をピックアップしてみました。

Contents

1.トランペット
2.ホルン
3.テナートロンボーン
4.バストロンボーン


◆トランペット:尾崎浩之 Hiroyuki Ozaki

尾崎浩之さん

国立音楽大学卒業。同校より矢田部賞を受賞。読売新人演奏会、ヤマハ金管新人演奏会に出演。卒業後はフリーランス奏者として、オーケストラ、吹奏楽などの客演や、ソロや室内楽、ミュージカルやスタジオワークなどの活動を行なう。
トランペットを北村源三、熊谷仁士の両氏に師事。TAD ウインドシンフォニー、金管五重奏ブラスファンタジスタのメンバー。

■ 初めて楽器に触れる人に覚えてほしいこと

マウスピース写真1
(写真①)

❶ 楽器を大切にしよう

当たり前のようですが、楽器は大切にしたほうが良いです。
よくやってしまうのは、マウスピースを落とすこと。出口の部分が円形ではなくなっているものをよく見かけます。楽器への挿さり具合や息の流れに悪影響が出ます。自分のマウスピースをチェックしてみて、写真① のように円形ではなく変形しているようでしたら、今すぐ楽器屋さんに相談してみましょう。
あとは管の内部。重症になるとヘドロのような汚れで管の太さが半分以下になっている楽器を時折見かけます。スワブなどがありますので、練習後や週に一回通すと良いと思います。

❷ 良い音を聴こう

良い音を知り、感じることが上達への最短の近道だと思います。せっかくなのでプロの演奏にどんどん目を向けていきましょう。自分のものにするつもりでたくさん良い音を聴きましょう。

❸ 自分の音に敏感になろう

良い音を聴いたら、次は自分がそこに近づく番です。自分流でも構わないので、工夫しながら試行錯誤を重ねることが大事だと思います。よく「高い音が出ない」と悩む中高生がいますが、誰でも出せる中音域を誰よりも良い音で吹けることを目標にすると、次第に演奏感覚が磨かれていって、音域も広がっていくと思います。


■ 音を出してみよう!

さて、実際に音を出してみましょう。良い音を出すためには、唇をよく振動させることが必要です。より良い振動を得るためには、無理矢理音を出そうとするのは良くないと思っています。舌を使わずに、狙った瞬間に息が音に変わるタイミングを持ってこられるように息だけで発音してみましょう。口先だけではなく音が出た瞬間にお腹に“トン”と反応があると嬉しい悲鳴です。敏感に自分をよく観察しましょう。


譜例1
(譜例①)

次は譜例①のように音を連打してみましょう。 「ふとぅ!」とか「はたっ!」みたいな要領です。舌の発音だけに頼らない、息を伴ったタンギングの感覚と心地よさを感じられたら、その感覚のまま譜例①の二つ目のように、音一発を息と舌を使って吹いてみましょう。音が出る瞬間に、舌で発音をサポートするような感覚です。こういうシンプルな練習の積み重ねが大きなステップに繋がると僕は考えています。

■ 先輩と一緒にできる! 初心者にもやってほしい基礎練習

自分の音を磨いたら、それを仲間と合わせていきたいですね。アンサンブルするということです。シンプルにこんな練習はいかがでしょうか? 譜例②この練習では、まるで一人の奏者が延々と吹いているようにリレーしていきたいですね。一人ひとりの吹き方が統一されることで、合奏したときの合い方がテキメンに変わってくると思います。
これらの単純な練習を、流れ作業にならずに敏感に楽しんでやること。これが一番大事です。そんな練習を毎日楽しみながらやることができたなら、気が付けば大きくステップアップしているかもしれません。

譜例2
(譜例②)

記事はWind-i 5号からの抜粋です。

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