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マーク・ターナー 現代ジャズテナーサックス界をリードする重鎮

THE SAX vol.83 Interview

「ジョン・コルトレーン以降で最も影響力のあるサックス・プレイヤー」とも称され、多くの若手フォロアーを持つ、まさに現代ジャズ・シーンを牽引するテナーマン、マーク・ターナー。2017年4月に、自己のカルテットを率いて、丸の内コットンクラブにて来日公演が行なわれた。忙しいツアースケジュールの合間をぬって、マーク氏にインタビューを敢行。氏と同じ年で、ともにバークリー音楽大学出身である人気テナー奏者、宮地スグル氏が、同じテナーマンとして、マーク氏の現代奏法の秘密に迫った!
(文:宮地スグル/協力:Cotton Club、早瀬圭一)
(インタビュー全文は本誌83号掲載)


(以下、Interviewより一部抜粋/全文はTHE SAX vol.83に掲載)

宮地
さっそく、最初の質問です。あなたのソロ、特にカデンツァは現代音楽のように聞こえるのですが、クラシックを聴いたり、練習したりしていますか?
マーク
うん、クラシック・サックスの練習は少しだけね。それほどはしていない。聴くほうはすべての時代のものが好きだね。でも、「クラシック」っていう呼び方は限定的だから、「ヨーロピアン・ミュージック」と呼びたいね。バロックから現代音楽まですべてだ。スコアを取り寄せて分析したりもしている。特に今はボイス・リーディングの分析に時間を掛けているね。(中略)
宮地
あなたのフレーズに関してですが、ああいうユニークなものを作る上で主に何を考えていますか? 例えば、インターバルとかスケールとか?
マーク
これに答えるのに何時間掛かるだろう(笑)。じゃ、できるだけ手短に。さっき話した「ボイス・リーディング」が重要なパートを占めるね。コードとコードを半音や同音で繋ぐってやつ。その次にサイクル・オブ・5thのドミナントモーションを考える。さらにドミナント・コードをSusコードや#4に変えてボイス・リーディングしてみる。サックスのようなメロディ楽器はどうしてもハーモニーの美しさを見失いがちだ。(中略)


マーク・ターナー ライブ コットンクラブ 日本
4月に行なわれたマーク・ターナー日本公演の様子(写真提供:Cotton Club 撮影:Y.Yoneda)

 

Live Report
MARK TURNER QUARTET 
featuring LAGE LUND, JOE SANDERS & MARCUS GILMORE @ Cotton Club 2017.4.19 1st set
[出演]Mark Turner (Ts)、Lage Lund (Guit)、Joe Sanders (Bass)、Marcus Gilmore (Ds)
[曲目]ANANDA NANDA、LOCAL HARVEST、SUPPRESSHIONS、RAY RAY、TAKE THE COLTRANE
いきなりマークの無伴奏ソロからセットはスタートした。いつもながらクラシック音楽の美しいカデンツァを聴いている かのようだ。テクニックを駆使したアルティシモから低音域まで実にスムース。全体的に、超高速でフレーズを吹きまくる……というよりは、朗々と丁寧に美しい音でメロディを紡いでいっているイメージのほうが強い。高速テンポで8分音符を連ねていても、そのイメージは変わらない。音楽そのものは、いかにもECMらしい、どこかヨーロッパの国の民謡をベースにした現代音楽でも聴いているような感覚になる。(中略)(宮地スグル)

マーク・ターナー ライブ コットンクラブ 日本
(写真右より)マーク・ターナーと宮地スグル

Profile
Mark Turner(マーク・ターナー)
1965年にオハイオ州に生まれ、4歳からカリフォルニアで暮らす。音楽と同様の情熱を美術にも注ぎ、当初はイラストレーターを目指していた。ロング・ビーチ大学で芸術を専攻した後に、バークリー音楽大学に入学し、同世代の若いミュージシャンと交流。その後、ニューヨークへ移りジョシュア・レッドマン(Ts)、カート・ローゼンウィンケル(Guit)、ジェフ・バラード(Ds)などとジャズクラブ「スモールズ」などでセッションを重ねていくうちに、本格的音楽活動を開始した。「コルトレーン以降、最も影響力のあるサックス・プレイヤー」という評価もある。最新作は2014年にECMからリリースした「Lathe of Heaven」。

使用楽器:本体:バランス・アクション49,000番台
マウスピース:オットーリンク「アーリー・バビット」(70年代初期モデル・バッフル有り)7~7★の間くらい
リガチャー:イシモリ、もしくはセルマー・シルバープレート
リード:ロベルト・ウッドウインズ 4ハード

 

Interviewer
宮地スグル(みやじすぐる)
両親の影響で幼少よりマイルス・デイヴィス(Tp)、アート・ブレーキー(Ds)等を聴いて育つ。6歳でエレクトーン、15歳でサックスを始める。関西学院大在学中よりプロ活動を始め、90年、同大学を中退して米国ボストンのバークリー音大に奨学金を得て留学。この頃、ジェリー・バーガンジ氏(Ts)に師事し、氏の即興演奏メソッドを全て習得。93年に同大パフォーマンス科を卒業後は居をNYに構え、エブリン・ブレーキー (Vo)、ティト・プエンテ(Timb)、ブルース・バース (Pf)、ホルへ・ロッシー(Ds)、ジョン・ステッチ(Pf)各氏と「バードランド」などのライブハウスにて共演。また、 ジャズ以外のジャンルでも演奏やレコーディングを経験。96年に帰国後は首都圏で活動を始め、向井滋春(Tb)、大森明(As)、バイソン片山 (Ds)、池田芳夫(Bass)、小林陽一(Ds)各氏と共演。様々なセッションを経てリーダーバンドを結成、リーダーアルバムは現在まで7枚に及ぶ。NHK「セッション505」などの音楽番組に多数出演。雑誌にも活動が取り上げられる。同時に地道な全国ツアーによって、各地のファン にアピールを続ける。 http://www7b.biglobe.ne.jp/~noizz/index.html

 

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