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知っているようで意外と知らない ベルの基礎知識

マッチングで気をつけることは?

マウスピースは異なるメーカーでも使えるように、すべての楽器メーカーが上管の接合部を同じサイズで作っています。しかし、ベルと下管の接合部の太さはメーカーによって異なりますので、合わないものもあります。むしろ接合部はメーカーが独自で設計しているので、太さも長さも違っていて、まず合わないと考えてください。ただ、オプションで販売されているベルの多くは、ビュッフェ・クランポン用、セルマー・パリ用、ヤマハ用など、メーカーごとに各種設定されていますので、購入時は確認してください。

 

ベルはどんな時に替えると良いの?

自分の息づかいと楽器が合ってないと感じたときですね。また、少し軽く吹きたいときに替えることもありますが、これは難しいところです。楽器が鳴りにくい、息が入らないと感じたときは、楽器の状態が良くないことが多いです。ですから、まずは楽器をきちんと調整したうえでベルを選ぶことが重要です。今ではみなさんも理解しているので言わなくなりましたが、昔は調子が悪くなると、マウスピースを替えたり、バレルを替えたり、ベルを替えたりするプレイヤーが多かったのです。しかし、いろいろと替える前に楽器の調整に出すことでほぼ解決します。楽器は状態が良ければちゃんと鳴ってくれるんです。しっかりと調整したうえで、もっと軽く吹きたい、もっと重厚感のある吹き心地にしたい、吹き込んだときにしっかりと応えてもらいたいと考えたときに、好みのベルを替えるようにしましょう。

気に入ったものがなければ替えなければいいので、替えることにデメリットはあまりないと思います。ただ、必要もないのに替えたり、見た目だけで替えても意味がありません。

 

リングの有無によってどんな影響がある?

先端(下側)にリングが付いているものは比重が重くなる分、響きに大きく影響します。リングは飾りではなく、それ自体が重りのようになっているのです。

クラリネット,ベル
リングを装着したベルは音の重厚感が増す
クラリネット,ベル
硬質ラバー製のリングもある

 

ベルにトーンホールが付いている!?

主にドイツの楽器にはベルにトーンホールが付いています。クラリネットはミ、ファの音程が低いので、その補正用としてトーンホールがあるのです。リフォームドベームやエーラーでは最低音の補正のためのキィが付いていたり、トーンホールが開いていたりします。また、ビュッフェ・クランポンの一部機種でも追加設定として付けることはできますが、工場での作業になるので一旦フランスに送らないといけません。

クラリネット,ベル
ドイツ管などでは音程補正のためベルにトーンホールが付いている

 

お手入れが大事!

スワブを通すのは基本ですが、接合部に水分が溜まったままにしないことが大切です。水分が溜まっていたらティッシュペーパーなどでしっかりと拭き取ってください。また、冬など湿度が低いときは木が乾燥して縮んでしまいリングが緩んだ状態になっていることもあります。そんなときは使用せず、すぐに修理に出してください。

クラリネット,ベル
スワブは必ず通すこと
 
 
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