クラリネット記事自分のクラリネットがデジタル楽器に!? “ClariMate”が変えるクラリネットの新常識

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自分のクラリネットがデジタル楽器に!? “ClariMate”が変えるクラリネットの新常識

2025-08-08

ビュッフェ・クランポンから “ClariMate” が発売されて早1年。普段使っているクラリネットをデジタル楽器に変えるという画期的なこのアイテムは、発売当初から多くの話題を呼んだ。すでに購入して「コソ練」に励んでいる方も多いと思うが、ここでは「知って入るけどデジタル系はちょっと……」という方のために、改めて本製品の魅力を深掘りしていこう！クラリネット奏者の辻本美博さんにもClariMateの使用感を聞いてみたぞ！

そもそも“ClariMate”ってなに？

ClariMateは、いわゆる「ウィンドシンセ」とは異なり、装着するだけで自身が愛用するクラリネットが“デジタル管楽器”に変身するというアイテムだ。

構造は至ってシンプルで、マウスピースとバレルの間にClariMate本体を装着し、付属の専用リードとチューブを装着。ClariMateとPC・スマホをUSBケーブルまたはBluetoothで繋ぎ、アプリを立ち上げ、ヘッドフォンで自分の演奏をモニターするというものだ。専用の「アクティブリード」がアンブシュアと息を感知し、管の内径に差し込む「チューブ」が運指を感知。ClariMateを介してデジタル音に変換され、音が鳴るという仕組みだ。クラリネットをデジタルに変換してしまうというその発想力には脱帽だ。

ちなみに、マウスピースとリードの開き具体や、抵抗感、音の立ち上がり、タンギングといった感度を調整できるため、奏者のスタイルに合わせて、普段のリアルな吹奏感に近づけることができる。まさにクラリネット奏者のために生まれたデジタルガジェットなのだ。

“ClariMate”のここが凄い！

1 消音器として使える！

“多機能デジタルミュート”という名の通り、ミュート（消音）機能。ヘッドフォンから音が聞こえる仕様のため、自宅や夜間でも周りを気にせずコソ練ができるぞ。

2 PCやスマホに接続していなくても使える！

PCやスマホに常時接続する必要なし！ ClariMate単体で使える（スタンドアローン機能）ため、気軽に携帯できて、いつでもどこでも練習ができる。
※最初にUSBまたはBluetoothモードでカスタム設定してから使おう

3 カラオケ音源に合わせて練習できる！

Bluetoothを使って、スマホやPCのアプリの音源に合わせて演奏ができる「プレイアロング機能」が超実用的！カラオケ音源やメトロノームアプリと合わせて演奏ができる。

4 いろんな音が楽しめる！

移調が簡単に行なえるから、Esクラリネットやバスクラの音で演奏することも！また、連携ソフトの「MIDIMate」を使って、クラリネット、フルート、テナーサクソフォン、トランペット、ヴィオラといった音色を楽しむことができる。

5 楽曲制作や楽譜制作にも使える！

MIDIコントローラー機能があるため、例えば楽譜制作ソフトや楽曲制作ソフトと接続して、キーボードの代わりにクラリネットを使った入力ができるため、クリエイティブな使い方も！

アプリがアップデートされて直感的に使いやすく！

2025年8月にClariMateのアプリが大幅アップデートされた。スマートフォン版は縦画面に対応し、操作性が格段に向上。PC版もUI（ユーザーインターフェイス）が刷新され、音色変更や感度調整など、より直感的に行なえるようになった。本体ファームウェアの更新によって、設定保持なども改善され、安定性が大きく向上したのもポイントだ。

辻本美博が語る、ClariMateの魅力

ここからは、クラリネット奏者辻本美博さんに “ClariMate” を試してもらった感想を伺ってみたので紹介しよう。

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ClariMateを試されてみて、率直なご感想は？

辻本美博
(以下、辻本)

楽しいですね！この製品の謳い文句通り「Anywhere, Anytime」使えるアイテムだなって思いました。「普段のクラリネットがデジタル楽器になる」っていうのが今までのウィンドシンセとは一番違うポイントですね。口で咥えた感覚もクラリネットと変わらないです。いわゆるウィンドシンセは、クラリネットではなく別の楽器を演奏しているという感覚ですが、ClariMateは自分の使ってるクラリネットでウィンドシンセ的なデジタルな楽しみ方もできて、消音もできて、音色を変えることもできるっていうのが新しいですね。

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吹奏感や操作感についてはいかがでしたか？

辻本

吹奏感に関しては細かい設定ができて、抵抗感も変えることができる。今回チューブのプラグを調整して、自分にあった設定を見つけられたので、自然な感覚で違和感なく吹けました。マウスピースとバレルの間に本体を装着するので、管が少し長くなる分「少し吹きにくくなるのでは？」と正直ちょっと心配していたのですが、吹いてみるとそれも全然気にならなかったです。

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専用のアクティブリードの使用感は？

辻本

それも違和感なかったです。もちろんケーンじゃないので、プラスチックが当たっている感はあるんですけど、普段クラリネットを吹いてるときと同じようにアンブシュアを作って自然に吹けましたね。

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やはりクラリネットと同じように吹けるのが一番のポイントなんですね。辻本さんからみて、こういう使い方をしたら面白そうだと感じた点はありますか？

辻本

ClariMateはヘッドホンでモニタリングして使うというのが正規の使い方ですが、今回はヘッドホンではなく自宅用の小型スピーカーからClariMateの音を出し、カラオケ伴奏を別のスピーカーで流しながら一緒に演奏する──というやり方を試してみました。これがとても楽しかったですね。

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メーカー推奨の方法ではないですが、単体だと少し電子的な音もカラオケトラックと一緒に鳴らすとより自然な音楽として聞こえましたね。

辻本

ちょっとレイテンシーは出るのでライブで使うとまではいかないですが、個人で楽しむ分には「音楽を奏でている感」が増して、そういう楽しみ方も面白いと思います。最初に「ウインドシンセは別の楽器」と言ったことと繋がるんですが、ウインドシンセだと操作感や吹き方に慣れなきゃ楽しめないところも、ClariMateなら普段のクラリネットの感覚のままで、音色を変えて音楽を楽しめるのがやっぱり魅力だなと感じました。それこそ「憧れのトランペットのを！」みたいな楽しみ方もクラリネットを使ってできるわけですからね。

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ClariMateはデジタルミュートとしても有用ですが、練習の使い方としてはいかがですか？

辻本

十分に使えると思いました。もちろんシビアな練習はちゃんとクラリネットで音を出して練習した方がいいですが、早いパッセージの運指でもちゃんと発音される印象なので、夜中しか練習ができなかったり、愛好家の方が曲を練習するのに向いていると思います。最近実際にあった事例で、結婚式でサプライズ演奏したいと毎晩披露する曲を練習されていた方がいたのですが、そういう方にはClariMateは持ってこいですね。

〈辻本が試したライブ的な楽しみ方〉
辻本が試したライブ的な楽しみ方は、カラオケとClariMateの音を別々のスピーカーから鳴らしてセッションするというシンプルな方法。メーカー推奨の方法ではないが、興味がある方は試してみては？

1. PCとClariMateをUSBモードで接続
2. ClariMateのヘッドホン端子を小型スピーカーに有線で接続
3. 別のスピーカー（今回はPC）から流したカラオケ音源に合わせて演奏