クラリネット記事
PRAGUE SPRING INTERNATIONAL MUSIC COMPETITION 2022

プラハの春 音楽祭コンペティション

5月13日 12:00〜15:00
この日は田中門下生との昼食会でした。日本、ドイツ、イギリスから集まってくれて皆でチェコビールを堪能しつつの大昼食会でした! やっぱり愛弟子は最高です。

大沼:ヨーロッパでは多くの国でコロナ規制がようやく緩和されたので、ドイツ、チェコ間を行き来できるようになり、一泊二日の弾丸プラハ旅行を計画しました。コロナ渦で延期になっていた「プラハの春 国際音楽コンクール」が今年開催され、恩師である田中正敏先生が審査員を務められるということで一目会いに行きました。プラハを訪れた日はコンクールの中休みということもあり、快晴に恵まれたプラハの午後にチーム田中と合流、ゆったりとお食事を楽しみました。田中先生とプラハでの再会は3回目になりますが、パワフルに国際的に活躍される先生の姿を見るたびに、私も世界で通用する人間になりたいと一層励みになります。この指止まれで世界各国から集まれるチーム田中、次回の再会が楽しみです。

添石:私は第2ラウンド、ファイナルと演奏を聴きました。コンクールならではの独特の緊張感に包まれたホールの雰囲気、それでいてコンクールであることを忘れるような心にぐっとくる繊細な演奏、情熱にあふれる演奏と、十人十色で演奏者たちの思いが伝わってくる演奏に終始感動の連続でした。この感動をLIVEで味わうことができたのは私自身の演奏活動にとって大きな収穫です。田中先生が審査員の方々と打ち解けている様子や今回の演奏者一人ひとりと向き合っている姿をみて、先生のお人柄を感じました。今回プラハに田中先生のチームが集ったのもそうです。世界各地で活動する仲間が、こんなふうに集まることができるのは先生ならではのことだなと思いました。

久保田:毎晩チェコビールを飲みながら幸せそうに笑っていた先生ですが、審査になると誰よりもメモをとり真剣な表情に。一人ひとりの演奏に敬意を持ちながら丁寧に審査に臨む姿が印象的でした。普段の愉快な先生とのギャップをカメラ越しに見ながら、改めて2年越しに開催が叶ってよかったと心から思いました。

松浦:Na zdravi! (ナ ズドラヴィー!) チーム田中の感動の再会はチェコのピルスナービールとともに果たされました。「乾杯」の意味の他に「健康に」という意味を含むこの チェコ語はコロナ禍を乗り越えた私たちの再会にふさわしい言葉で、その味わいも格別でした。田中先生とは十年以上のお付き合いで、教育現場を中心にクラリネットサロン(音大生と地域社会を繋ぐ音楽活動)のお手伝いをさせていただきました。先生の常に革新的な姿勢は私のお手本でした。その“冒険クラリネットプレイヤー田中正敏”がついに国際コンクールの審査員に選出。参加者の方々の演奏と先生の審査員姿をこの目と耳で確かめるべくプラハに向かいました。実際、国際舞台の審査員としてのMasatoshi Tanaka はいつもと変わらない田中正敏先生で、いつもどおりの友好的な雰囲気を誰よりも醸し出されていました。それは先生が日頃からグローバルスタンダードの視点で活動されている証かもしれません。音楽という共通言語を通じて文化交流をされる先生の姿勢はこれからの日本人が指標にすべきことだと感じました。先生の今後の新たなステージがとても楽しみです。次はどの国の言葉で乾杯できるか、今からすでに楽しみでなりません

 

 

5月14日 18:00〜22:00
本選会。フランスからリリアン君、台湾からユン・ヤンさん、地元チェコからアンナさんの3名がドビュッシー作曲の『第1狂詩曲』と、クビン作曲の『クラリネット協奏曲』をオーケストラ伴奏で演奏してくれました。やはり、なんといってもチェコ共和国が誇る「ドボルザーク・ホール」で、オーケストラと一緒に演奏できることは若者にとって大きなキャリアになるのではないでしょうか。そしてオーケストラ指揮者は日本人!マエストロ岩崎宙平さん! 私の審査なんてもう必要ないでしょうと思いつつも、とても冷静に審査しました。リリアン君はフランス人なのでお得意のドビュッシー、ユン・ヤンさんは持ち前の超絶技巧、アンナさんはチェコ人なのでお得意のクビンをそれぞれ立派に表現していました。クビンの協奏曲は日本でもみなさんに演奏してもらいたい作品です。少し解説すると、クビンは日本でもお馴染みのヤナーチェクと同じモラヴィア地方出身の作曲家で、モラヴィアの固有の旋律と、フリアンのリズムが彼独特の世界を表現しているので、クラリネットの表現にもピッタリな作品だと思います。


Photo: Chiharu KUBOTA
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