アンサンブルの作り方

アンサンブルの秘訣 Part.2

質問・みなさんがクラリネットアンサンブルをするときに、一番注意していることは?
・アンサンブルを作るときの秘訣を教えてください!

山手寿子より伝授!

皆さんこんにちは。山手寿子です。
これまでにアンサンブルについて様々な角度からお話をさせていただきましたが、今回はこのシリーズのまとめとして、アンサンブルをつくる際の総合的に大切なことに触れていきたいと思います。
普段の基礎的な練習では、細かい指の練習や、タンギング、音色作りなど個人でできることはたくさんあると思いますが、やはりアンサンブルのいちばん大切な部分として取り上げておきたいことの一つとしては、和声感をもち、美しい響きとはどういうものかを身体で感じることです。
縦のラインをそろえるのはもちろんですが、そろっただけで満足するのではなく、真に音楽的意味のあるところでそれが一致しているかどうかというところが大事です。楽譜通りに演奏し物理的にも「様々なパートの音符が並んだ」=「縦のラインがあった」では本来の響きが得られず、一見良さそうに聞こえますが、結果としては表面だけの深みのない演奏となってしまいます。
よく耳にするのが、旋律ばかり整い、実際その内声は理解されておらず、もったいないことになっていることです。つまり大事にしてもらいたいことは和声進行を理解すること。
それによって音の方向性、フレーズが見え、物理的一致ではなく本来の響きが得られ音楽的表現も自然と生まれるのです。同時に上記の旋律も、内声がしっかりと整い、フレーズの流れができると旋律も正しい立ち位置で演奏しやすくなるのです。
ハーモニー練習は仲間と訓練できますが、フレーズの深い圧、流れを進めるところなどは、様々な曲を聴いて身体で感じとることも大事だと思います。これらが一つの要素として意識されるようになると、さらに芸術度の高い演奏へと導かれていくことと思います。

原山佐保子より伝授!

こんにちは、原山佐保子です。
アンサンブルに限らず、ですが周りの音をとにかく聴きます。音程、タイミング、自分の吹いている音の役割や音のバランスなど、色々なことに頭をフル回転しています。そのときに困らないように、個人練習をして曲を理解し、指が動くようにしておきます。
アンサンブル練習中は、パートにかかわらず思い付いたアイデアが出し合えると楽しいですし、楽しいと感じることはなんにつけてもよい効果を生むものですよね。特にアンサンブルなど人と合わせる作業では、思い付くことは一人ひとり違うので効果は大きいです。
日ごろコンテストの審査などでたくさんのアンサンブルを聴かせていただく機会がありますが、例えばメンバーの力が似通っていて、息のぴったりそろった演奏をするチームは素晴らしいですし、メンバーの個性を生かして演奏するチームも楽しいです。例えばメンバーのレベルがそろわなくてもアンサンブルができないことはなくて、補い合って思いのよらない効果を生むこともあると思います。
10のチームがあったら、10の個性があっていいと思いますし、またそれが楽しいところです。
究極のアンサンブルの形は、たまたまそこにいた人たちの気持ちが同じように盛り上がって、何かしらの音を重ねて言葉では表しきれない今の気持ちを共有し、表せることかもしれません。
普段は単音しか出さない楽器が何本か集まって、ハーモニーを作れる嬉しさを感じて、これからも皆さんが楽しくアンサンブルできますように!


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