誌面連動企画:人気連載『クラリネット仕掛け人 』ラプソディ・イン・ブルー冒頭解説!
The Clarinet 本誌で好評連載中の『必勝!クラリネット仕掛人』が連載22回を迎え、特別にClarrinet ONLINEにて誌面連動動画を公開!The Clarinet 69号では「グリッサンドの真髄」と題して、ジョージ・ガーシュウィン作曲『ラプソディ・イン・ブルー』の冒頭にあるグリッサンドについて解説しています。
ラプソディ・イン・ブルーのグリッサンド
木村:あの有名なジョージ・ガーシュウィン作曲の『ラプソディ・イン・ブルー』の冒頭にあるクラリネットの大ソロ、ガーシュウィンは初め上行する音階を17連符の音符で書いていたが、初演したポール・ホワイトマン楽団のクラリネット奏者、ロス・ゴーマンが退屈なリハーサルからの気まぐれでグリッサンドで吹いたところ、その効果をガーシュウィンが気に入りスコアに「gliss.」と書き入れたという。
●アンブシュアの柔軟性のための練習
グリッサンドの奥義は指よりもアンブシュアにかかっている。予備練習として行なう。まず最初は普通の運指どおりの指使いで音程を確認したら、次の小節ではアンブシュアをゆるめて(指使いはhi-Cのまま)同じピッチを出してみよう。※のみ「ソ」を出そうと口をゆるめるとオクターブ下の低い「ソ」も鳴るが、気にしなくて良い(クリックで拡大)
●「ラプソディ・イン・ブルー」を吹いてみよう!
譜例1のシャリュモー音域とカバードキィ部分はグリッサンドせず、実際のグリッサンドは譜例2のみ。そして譜例2の右手部分が譜例3、左手部分が譜例4。
●番外編(動画1:33ごろ)
本誌には掲載していない『ラプソディ・イン・ブルー』の途中のグリッサンドについてもONLINE限定で解説してもらいました!
下の譜例の高い「レ」へのグリッサンドでは通常の指使いではなく、替え指を使ったほうが直前の第3倍音域を使うことになるのでよりやさしくできます。
仕掛人 木村健雄
東京都出身。東京藝術大学、フランス国立ルエイユ・マルメゾン音楽院卒業。帰国後、ソリスト、フリーのオーケストラ、室内楽奏者として活動。とりわけE♭クラリネットからコントラバスクラリネットまでこなすスペシャリストとして国内外のオーケストラ、吹奏楽団の数多くの演奏会、CD録音、DVD録画に参加。また海外からの現代音楽祭出演招待も多く、2005年に韓国大邸国際現代音楽祭、2006年にポーランド・ワルシャワ・ラボラトリウム現代音楽祭、2007年、2008年、2014年にソウル市ディメンション国際現代音楽祭などにメインゲストとして出演。現在、アンサンブル・インタラクティブ・トキオ、東京クラリネットアンサンブル、アマデウスクインテットのメンバーとしても活躍。尚美学園大学、聖徳大学の各講師。
Information
クラリネットアンサンブル『木村屋総本店』
日時 5/25(土)14:00
会場 スペースDo(新大久保DAC地下)
曲目 リスト:メフィストワルツ、ドビュッシー:月の 光、サン=サーンス:死の舞踏、ショパン:英雄ボロネーズ 他
チケット:一般¥2,500、学生¥2,000
問合せ:090-1466-2101(矢崎)
木村健雄