フルート記事 三響フルート × プリマ楽器創業80周年記念モデル「Pavane パヴァーヌ」
  フルート記事 三響フルート × プリマ楽器創業80周年記念モデル「Pavane パヴァーヌ」
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音色・素材・意匠が調和し、一つの世界観を作り出す

三響フルート × プリマ楽器創業80周年記念モデル「Pavane パヴァーヌ」

GEAR

2025年12月に発売された「三響フルート プリマ楽器創業80周年記念モデル “Pavane”」。
三響フルートとその国内総発売元であるプリマ楽器との半世紀以上にわたり築いてきたパートナーシップのなかから生まれた本モデルは、創業80周年という節目にあたり、これまで培われてきた音づくりと技術、そしてブランドの思想をあらためて見つめ直し、かたちにした一本である。
その背景や設計について、プリマ楽器 企画広報室に話を訊いた。

自然に立ち上がり、なめらかに広がる音色

───三響フルート「プリマ楽器創業80周年記念モデル “Pavane”」における「華やかな音色」の設計について教えてください。

三響フルートの特長である、明るく伸びやかな、自然に広がっていくような音色はそのままに、“Pavane”では音の立ち上がりと響きの広がりのバランスを大切に設計しています。華やかさというと強さや派手さに目が向きがちですが、本モデルでは、やわらかさや奥行きを伴いながら、音が無理なく広がっていくことを重視しました。管体総銀製によるやわらかく深みのある響きをベースに、息を入れた際に音が自然に立ち上がり、なめらかにつながりながら広がっていくよう細部のバランスを整えることで、上品さを備えた華やかな音色を目指しています。

───リッププレート10Kと管体総銀製の組み合わせによって、どのような音色表現が実現されたのでしょうか。

リッププレートは音のキャラクターを大きく左右する重要な要素ですが、本モデルではその仕様により、音の反応と響きの質感の両面を丁寧に設計しています。総銀製の管体がもつやわらかさや奥行きのある響きを基盤としながら、10Kゴールドリッププレートを採用することで、発音時の反応のよさや音の芯、輪郭の明瞭さを引き出しています。さらに、その表面に銀メッキを施すことで、響きをやわらかく整え、自然でなめらかな広がりへとつなげています。その結果、息を入れた際の自然な発音のしやすさを保ちながら、音のつながりの良さと輪郭の明瞭さがバランスよく共存し、落ち着きのある響きのなかに豊かな表情を感じられる音色に仕上がっています。

───“Pavane”のモチーフとして孔雀を選ばれた背景についてお聞かせください。

“Pavane”という名称は、ルネサンス期に宮廷で踊られていた優雅な舞曲に由来しています。そのゆったりとした気品ある佇まいや音楽のもつ美しさを視覚的にも表現するモチーフとして、孔雀を採用しました。孔雀が羽を広げた姿は音が広がっていくイメージとも重なり、“Pavane”のもつ上品で華やかな音色とその世界観を、楽器全体で感じていただけるよう意匠に反映しています。また、孔雀は弊社の80周年ロゴマーク「Prima Pride 80」にも用いた象徴であり、平和・調和・希望といった意味も重ねています。音楽とともにそうした想いを未来へつないでいきたいという願いを、このモデルに込めました。

───今回の彫刻やデザインで、とくにこだわられたポイントはどこでしょうか。

“Pavane”では、孔雀のモチーフをどのように楽器のなかで表現するかという点に特にこだわりました。孔雀の羽の広がりや流れるようなラインを、フルートの持つ美しい曲線と調和させながら、やわらかで自然な流れを感じさせる彫刻として表現するにあたり、細部のバランスや密度の調整が重要になります。また、装飾としての表現と、あくまで楽器としての完成度との両立を前提に、演奏性や音への影響にも十分配慮しながら、全体の品位や佇まいとの調和を意識して仕上げていきました。

───Cis音孔にソルダードトーンホールを採用した意図について教えてください。

本モデルでは、Cisの音孔のみハンダ付け(ソルダードトーンホール)を採用しています。ソルダードトーンホールは、管体とは別に製作したトーンホールをハンダ付けする構造で、音の密度や安定感を高めながら、発音時の音の抜けを良くする効果が期待できます。一方でドゥローントーンホールは管体から引き上げて一体で成形されるため、軽やかなレスポンスと自然な響きの広がりが得られます。Cisは音の立ち上がりや響きの印象に関わる部分であるため、この箇所にソルダードトーンホールを用いることで、より自然で抜けの良い発音が得られるよう設計しています。そのうえでその他の音孔にはドゥローントーンホールを採用し、要所で響きの密度と反応を高めながら、楽器全体としての一体感や吹きやすさを損なわないバランスを図りました。

 

───ヘッドクラウンに金メッキが施された効果をお聞かせください。

ヘッドクラウンに金メッキを採用することで、音の響きにわずかな芯やまとまりを与え、全体のバランスを整えることを意図しています。音色そのものを大きく変えるというよりも、楽器全体の響きのなかで自然に作用し、音の印象に落ち着きや安定感を添えるような効果を期待しています。

───御社が考える“Pavane”ならではの魅力についてお話しいただけますか。

“Pavane”の魅力は、音色・素材・意匠といった要素が個別に際立つのではなく、それぞれが調和し、一つの世界観としてまとまっている点にあります。やわらかさや奥行きを備えた響きと、明るく広がりのある音色、そして孔雀のモチーフによる上品で華やかな意匠が相互に響き合い、楽器全体としての一体感を生み出しています。演奏される方に自然に寄り添いながら、視覚的な美しさと演奏時に感じる響きの豊かさが自然に重なり合う点が、本モデルの大きな魅力です。

───“Pavane”に込められた想いと、今後のフルート製作についてお聞かせください。

“Pavane”は、プリマ楽器創業80周年という節目にあたり、三響フルートと長年にわたり築いてきた関係のなかで、これまで培ってきた音づくりと技術をあらためて見つめ直し、その魅力を一つのかたちとして表現したモデルです。音色においては、やわらかさや奥行きのある響きと明るく伸びやかな華やかさをあわせ持つことを目指し、素材や仕様の組み合わせを丁寧に検討しました。また、意匠においても孔雀のモチーフに込めた想いを重ね、楽器全体としてその世界観を感じていただけるよう仕上げています。今後も、音と表現の両面から楽器の可能性を追求し、奏者一人ひとりの音楽に寄り添うものづくりを続けていきたいと考えています。

───これからのフルート界に、どのような可能性を感じていらっしゃいますか。

フルートの魅力をより多くの方に届けていくことが、今後のフルート界の発展につながると考えています。初心者から専門的に学ぶ方まで、それぞれの段階で音楽を楽しみ、表現を深めていける環境を整えていくことが重要であり、そのなかで楽器そのものの魅力や可能性を丁寧に伝えていくことが求められていると感じています。また、奏者・教育・製作といったそれぞれの立場が連携しながら、音楽を支える土壌を広げていくことが、これからのフルート界のさらなる活性化につながるのではないでしょうか。今後も、そうしたつながりを大切にしながら、音楽の楽しさやフルートの魅力を次の世代へとつないでいければと考えています。

左:オフセット 右:インライン
[仕様]
管体:総銀製・銀メッキ仕上
管厚:0.38mm
ドゥローントーンホール(※Cisトーンホール:ハンダ付け)
ヘッドクラウン:金メッキ仕上
リッププレート:10K金製 銀メッキ仕上
リッププレート・キーカップ・リング:80周年記念特別彫刻入
ニューEメカシステム
頭部管:STプレート
スプリング:ステンレス
リングキー
H足部管
インライン(写真左)、オフセット(写真右)の2種類
Pavane(パヴァーヌ)
979,000円(本体価格:890,000円)

 専用ケース(80周年記念特別仕様)
 ケースカヴァー
 掃除棒(カエデ材)
 ガーゼ
 クロス(プリマ楽器創業80周年記念ロゴ入ミクロディアFSY)
 愛用者はがき & 保証書
 楽器証明書

 



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