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Ocarina vol.35│特集

自宅でも簡単にできる 楽器を使わない!? 演奏上達術!

日本だけでなく、全世界を激変させてしまったCOVID-19、いわゆる新型コロナウイルス感染症。4月にコロナウイルス感染症拡大防止のため緊急事態宣言が出され、外出自粛=STAY HOME が合言葉となりました。6月には緊急事態宣言は解除されましたが、現在もみなさんの活動は制限されており、まだ対面レッスンが受けられない方もいます。そんな今だからこそ自宅でもできる練習やトレーニングなどを知っておく必要がありますが、自宅での音出しが難しいという声も耳にします。
そこで今回は、楽器を使わずに自宅で行なえるトレーニングを紹介します。

 

以下の質問に答えていただきました。

Q1. 大きな音が出せない。息が続かないという方に効果的なブレスコントロールの練習法を教えてください。
Q2. 薬指を動かすときにどうしても小指が動いてしまいます。独立させて薬指だけを動かすためのトレーニング、また、指回しを早くするためのトレーニング法を教えてください。
Q3. 楽器を吹かずに行なうリズム練習は?
Q4. 楽器を吹き始める前の譜読みで意識していることは? 譜読み練習のコツなどあれば教えてください。
Q5. その他、楽器を使わずにできるトレーニングでこれをやっておくと効果があるよ!というものがあれば教えてください。
Q6.\ONLINE限定/ イメージトレーニングは行なっていますか? どんな方法で行なっているのか教えてください。

レクチャーしてくれたプロ奏者はこの方たち!

 

小林洋子

小林洋子さん

東京音楽大学卒業。オカリナを江波太郎氏に師事。第2回日本オカリナコンクール デュオ部門第1位総合グランプリ受賞。お喋りたっぷりのコンサートはいつも笑いに溢れリピーターも多い。オカリナの指導力にも定評があり全国各地で基礎を中心としたレッスンを行なう。現在YouTubeにて「こんな時はオカリナで」動画配信中。

 

 

椎名春奈

椎名春奈さん

北海道札幌市在住。第2回日本オカリナコンクール独奏部門第1位&審査員特別賞、第3回日本オカリナコンクールデュエット部門第1位。第4回楽しいオカリーナコンクールアンサンブル部門第1位。第20回大阪国際音楽コンクール民俗楽器部門第1位&オーディエンス賞。オカリーナ奏者大沢聡認定講師、認定演奏家。

 

 

柴野麻由美

柴野麻由美さん

オカリナを内田洋二氏に師事。オカリナアンサンブル“La carafa(ラカラファ)”を結成し、2014年1st.アルバム「Ocarina Favorite Songs」でCDデビュー。テレビやラジオ等にも出演。湘南音楽院藤沢講師。
La carafaオフィシャルウェブ http://la-carafa.com/

 

 

善久

善久(Zenkyu)さん

東京音楽大学卒。巧みな技と独自の指導法で教則本を出版。日本、アメリカ、ロシア、ヨーロッパ等で活躍。カーネギーホールで2公演、昨年のプラハのドヴォルザークホールの公演で大好評を博す。日本野鳥の会に楽曲提供し自然保護演奏活動を行ない、東日本大震災復興祈念「野口英世記念ふくしま国際音楽祭」に毎年出演。

 

 

Takashi

Takashiさん

京都出身。自身が手掛けているオカリナアンサンブルグループ「TEE Tone」にて第6回楽しいオカリーナコンクール合奏部門第一位、第3回オカリナアンサンブルコンクールC組グランプリ・金賞、第1回煌めけ!オカリナコンクール合奏部門第1位を受賞。現在、オカリナアンサンブル「Charm」としても活動中。TEE音楽教室主宰。

 

 

中原千里

中原千里さん

エリザベト音楽大学卒業。サクソフォーンを秋本耕二、藤陵雅裕、オカリーナを大沢聡、森下知子の各氏に師事。第5回日本オカリナコンクール第2位ほか受賞。Focalink International Ocarina Festival(中国)、ブドリオオカリナフェスティバル(イタリア)、ホンソン国際オカリナペンフルートフェスティバル(韓国)にて演奏経験をもつ。CD・楽譜「日日是好日」発売。
HP:https://chisatonakahara.com/

 

 

西村麻衣子

西村麻衣子さん

愛知県大府市在住。オカリーナ奏者大沢聡認定演奏家。各地にてコンサート活動を行なう傍ら、オカリナ・フルート・ピアノ・声楽の他、JAZZアレンジなど音楽を多角的に学び、演奏に役立てるほかMAiCO音楽教室代表として、後進の育成にもあたっている。第21回万里の長城杯国際音楽コンクールをはじめ、各種コンクールで受賞の他、2018年、2019年度大府市文化・スポーツ表彰を受賞している。

 

 

山城奈奈子

山城奈奈子さん

大沢聡認定講師。オカリナ(シングル管、複数管)奏者。2008年より海外で演奏(伊、台湾、中国、韓国、香港他)。「2009 Ocarina Festival Budrio」ゲスト演奏。オカリナセブン元祖メンバー。CD『奈奈子&祐子Ocarina Duo』発売。川崎優編著『かわいいオカリーナ合奏曲』vol.3~5演奏。

 

 

璃美

璃美さん

兵庫県在住。幼少から音楽に親しみ、オカリナの音色に魅了され演奏活動を始める。独学でオカリナを学び、型にとらわれないダイナミックで情感豊かな演奏スタイルを身につける。童謡・歌謡曲・POPS・ラテン・JAZZ 等幅広いジャンルを演奏する。また、ティンホイッスル・インディアンフルート奏者としても活動中。

 

 

全文はOcarina35号でお楽しみください。

 

 


\オンライン限定!/
*このQ6はWeb限定記事になります。本誌Ocarina vol.35には掲載していません。

 

Q6. イメージトレーニングは行なっていますか? どんな方法で行なっているのか教えてください。

小林洋子さん

吹く前に必ず良い音をイメージしてます。基本、明るくてはっきり艶々な音色をイメージしてから吹きます。暗い曲を演奏する時は、一音で涙が出るくらい切ない音を想像して吹きます。
あとは、これはしっかりと練習ができているうえでのイメージトレーニングですが、最初から最後まで頭の中で演奏して、とても良い演奏ができたことをイメージします。特に本番前の夜などは、お気に入りの演奏ができた成功体験をイメージしたりします。

椎名春奈さん

曲のイメージ、背景、音色、いろいろなストーリーを組み立てて演奏できたら楽しいですよね。練習に行き詰まった時は、原曲を聴いてイメージしながら、苦手な運指の部分は脳内アニメーションで指の動きを再生させています。実際に指は動かさずに、頭の中に美しい音色で再生させてイメージ映像の中だけ指を動かすのです。客観的に自分を上から見ているようなイメージで、実際の本番でも演奏していることが多いです。

柴野麻由美さん

本番で吹く曲は自分のできるベストな演奏を思い描いてイメージトレーニングをすることがあります。「明るい音」、「寂しげな音」、「かっこいい音」、「響きの良い音」、「太い音」、「繊細な音」、「青空の下で、爽やかな気持ちで吹いている音」、「情熱的な音」など、いろいろなイメージの音を頭の中で想像して鳴らしてみると、実際に音を出す時にも役立つと思います。

善久(Zenkyu)さん

学生の頃はオーケストラのCDを聴きながらスコアを見て、指揮をしながらフレーズや強弱などを感じてイメージトレーニングをしていました。今もオカリナコンサートで演奏する曲は自分の演奏を録音して指揮をしながら聴いたりして、イメージトレーニングをしています。

Takashiさん

個人の練習も本番での演奏もそうですが、どのように吹きたい、というイメージが大事だと思います。
基礎練習をする時も、ただ楽器に息を吹き込むのではなく、優しい音で吹きたい、旋律を吹く時はたっぷり歌いたい、など考えるだけで、演奏はガラッと変わります。
コンサートはもちろん、インターネットでもいろんな方の演奏を聴き比べて、この方のように吹けるようになりたい、と目標を立ててみると良いかもしれませんね。

中原千里さん

曲を演奏している時のイメージをしながら、指を動かし呼吸を連動させる。
ブレスする時に身体で固まるところがないか、また息の流れを止めないかチェックする。

西村麻衣子さん

時間がない時の有効な練習方法として行なっています。

①音源があれば(雑誌Ocarinaの付属CDや、先生に吹いていただいたお手本など)、楽器を手に持ち(構えても、膝の上でもOK)、ジッと楽譜を見て、音源に合わせてあたかも自分が吹いているかのように、指を動かしたり、息を吐いたりします。
ブレス位置も手本がどこでやっているか分かればチェックを入れ、同じようにします。音源がない場合はイメージだけになりますが、心の中で音を鳴らしながら同じように行ないます。

②楽器は持たず、心の中でドレミで歌いながら、楽器を吹いているかのようにイメージして指に意識を集中します。ドレミは口に出すより心でつぶやくほうが集中力が必要なため、とても効果的です。
こちらは①よりもさらに集中力が要ります。

①②いずれも、吹くより集中力が要るので、長時間かけて楽器の練習をするよりも、短時間で吹けるようになります。家で音が出せない方や、怪我などで練習ができない方のほか、音出しが何時間でも可能な人も、ぜひ試してみてください。

山城奈奈子さん

音程をハミングでとるイメトレをしています。オカリナの音が出せない場合はチューナーで「ソの音」を出して(またはピアノや鍵盤楽器)、ハミングでチューナーと同じ音を出して頭の中に反響させます。オカリナを吹いた時に音程がとりやすくなります。または、お手本になる音を録音して、聞きながらハミングします。

練習に取り組む時は、意識の変換が大事です。皆さんは大体「自己否定」から入るんですよね。楽譜を開くと同時に出てくる言葉が「難しい」「できない」「年だから」など否定的な言葉が多いです。日本人は言霊(ことだま)を生かして、できるだけ自分を肯定する言葉(現在進行形で言う)を選んで使うことをお薦めします。実際に楽譜が難しく感じたとしても何も言わないか、口から出す言葉としては「私はできる、できています」「大丈夫」など、自ら「意識を変えていく」ことによって現実も変わってきます。普段から自分を肯定する言葉を選んで使うと、意外と自分も気がつかなかったことに気がついたり、知らない間に本領を発揮できていたり、自ずと道が開けたりしますよ(自己暗示と思っていただけると良いかと思います) 。他人と比べないで、自分のできることを少しずつ増やしていくこと。 他人軸ではなく、自分軸で、自分のできる速さで練習することです。
余談ですが、本当に本当に上手になりたいのであればアニメ『鬼滅の刃』のように呼吸を整えて「全集中!」で練習してみると超人的にできるかもしれません。「全集中の呼吸」は、肺に酸素をたっぷり取り込み、血液中の酸素濃度を高める呼吸法で、一瞬にして高い集中力と身体能力を手にすることができるとされています。実際にやる時はくれぐれも気をつけてくださいね♡

璃美さん

曲を練習する際、苦手な箇所は吹くだけでなく声に出して歌ってみるのも良いと思います。吹く前に明確なイメージができているかが大切です。

 







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