サックス記事 サックスを聴く〜ロリンズ名盤・コルトレーン名盤
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サックスを聴く〜ロリンズ名盤・コルトレーン名盤

ARTIST
[この記事の目次]

最後にやはりロリンズとコルトレーンの名演が聴ける傑作アルバムをそれぞれ紹介していこう。本誌らしくサックスの演奏に注目すべき点の多いアルバムを選盤のポイントにした各10作品だ!(選盤・文:原田和典)

 

ロリンズ名盤

Masterpieces of Rollins

 

1.

「ソニー・ロリンズ・ウィズ・ザ・モダン・ジャズ・カルテット」
(ユニバーサル ミュージック UCCO-5533)[1953]
ニュー・スター登場! といいたくなるような颯爽とした演奏が満喫できる初期名演集なのだが、伝記によるとこの時期のロリンズはドラッグ漬けで犯罪歴もあったというから、長い生涯で最も不健康だった時期の録音にあたるのかもしれない。後年アルバート・アイラーやビル・フリゼールがカバーする『ノー・モー』の自作自演も聴ける。

2.

「サキソフォン・コロッサス」
(ユニバーサル ミュージック UCCO-46016)[1956]
人間的にもロリンズを大きく感化したクリフォード・ブラウンが事故死する4日前の録音。吹き込み時期がずれていたら、ここまで活気のある内容になっていなかったかも。ラテン、バラード、ややトリッキーな自作、歌もの、ミステリアスなブルースと、変化に富む品揃えであることも本作が高い人気を誇る秘訣であるように思う。

3.

「マックス・ローチ・プラス・フォー/マックス・ローチ」
(ユニバーサル ミュージック UCCM-9057)[1956]
ブラウンを失って新体制となったマックス・ローチ・クインテットの一作。ロリンズは自身の録音に関して基本的に否定的だが、ここに入っている『エズセティック』については“何かしら自分を発見したものがある”とあたたかい(1972年「チェンジズ」誌のインタビューより)。そういわれると、どんなものかなあと誰もが聴きたくなるはずだ。

4.

「ツアー・デ・フォース」
(ユニバーサル ミュージック UCCO-9302)[1956]
プレスティッジ・レーベルへの最終作。とっとと済ませてしまおうということか、コード進行だけ決めてあとは即興で突っ走るような超アップ・テンポのナンバーが主体。やけくそ気味の演奏ながら、ジャズマンとしての猛烈な底力がうかがえて私は聴くごとに鳥肌が立つ。低音歌手アール・コールマンをフィーチャーしたバラードも2曲あり。

5.

「ニュークス・タイム」
(ユニバーサル ミュージック UCCU-46146)[1957]
エキサイトメントということでは「サキソフォン・コロッサス」にはるかにまさる。冷静沈着なマックス・ローチではなく、伊達男フィリー・ジョー・ジョーンズがドラムスを担当している点もチャームポイントだろう。ロリンズとのデュオ『飾りのついた四輪馬車』、出たとこ勝負感が満載の『ブルース・フォー・フィリー・ジョー』が圧巻。

6.

「ヴィレッジ・ヴァンガードの夜」
(ユニバーサル ミュージック UCCU-46112)[1957]
2週間公演(歌手アニタ・オデイの前座)の最終日から6曲を厳選した一枚。日程の最初のほうはクインテットで演奏していたらしいが、メンバーを次々とクビにした結果、共演者はゼロに。だが録音は決定していたのでウィルバー・ウェアやエルヴィン・ジョーンズらの助けを得て、ひとまず演奏した。楽器の音が皆、太い。

7.

「Sonny Rollins and the Contemporary Leaders」
(Concord 726-5186)[1958]
世評の高い「ウェイ・アウト・ウエスト」は泣き別れステレオ感がきついので私はモノラル盤LPを愛聴している。本作は「ウェイ~」から1年半以上を経てからの録音でステレオ効果もいい感じ。ロリンズのサックスの音色もブルーノートやプレスティッジ盤のそれとは一味異なる、サラリとした“乾き”が感じられて快い。

8.

「ホワッツ・ニュー」
(ソニーミュージック SICJ-30139)[1962]
エボナイトのマウスピースを愛用していた時期の録音ではないかと思う。ジム・ホールのギターも快演だが、ロリンズのサックスを浴びるなら『ジャンゴソ』と『ブルーソンゴ』にとどめを刺す。ベースと打楽器だけをバックにして猛烈に吹きまくっており、倍音のコントロールなど、まるで早すぎたファラオ・サンダース。

9.

「ドント・アスク」
(ユニバーサル ミュージック UCCO-5158)[1979]
ズンドコしたリズムに乗せて、親しみやすいメロディを圧の強い音でブリブリと吹く。それが「ニュークリアス」(75年)あたりから当アルバムぐらいまで続いた彼の芸風だ。ラリー・コリエルのゲスト参加も利いているし、『ディスコ・モンク』に関してはマイルス・デイヴィスの『シャウト』に匹敵する愛すべき傑作といいたくなる。

10.

「Gメン」
(ユニバーサル ミュージック UCCO-5164)[1987]
タイトル曲でのプレイはまさしく驚嘆もの。歌モノの巧さに定評のあったロリンズが、モーダルな楽曲を素材にこんなに燃え上がり、歌うとは。無限に続くがごときアドリブ・フレーズにエクスタシーを感じないファンはいないのでは。もっとも本人によると「新調した楽器が体になじまず、悔いの残る演奏になった」とのことだが。

 

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