サックス記事

ジャズの方程式を見つけるために毎日の練習がある

小池修 インタビュー レッスン編 THE SAX#53
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「タイム感」──それは未来を作ること

─タイム感についてなんですが、管楽器の人はアドリブの中のタイムキープが弱い人が非常に多いと思のですが。小池さんのようなすばらしいタイム感を養う方法、教えてください。

小池 まず、歩くことと、踊ることと、ダンスミュージックですね。僕はしょっちゅう踊っていまたし、ボーイスカウトでドリルバンドをやっていて、ドリルバンドはなんぞやっていうのを、徹底的に教えられことも要因でしょうね。
あとは「タイムって何だろう?」っていうことを考えること。管楽器の人って未来を作れない人が多いんですよ。誰か一緒に吹いている人がいて、その上でなんとなく吹くと、なーんとなく音楽ができると、みんなそう思っているんですね。実はそうじゃなくて、管楽器もちゃんと未来が作れないと駄目なんですよ。

「未来」とは何でしょうか?

小池 たとえばビッグバンドで言うと、未来を作ってくれるドラマーがいるほうが、周りは楽なんです。どういうことかって言うと、(ビートを歌う)これはもう過去なんですよ。ただし、過去が均等であればあるほど、未来が均等に見えてくる。たとえば、300キロで走っている新幹線の中から、近づいてくる1メートルのプラットホームにみんなが飛び降りる──音楽で言うとこれがtuttiです。不安定なビートを歌うってしまうと、どこで飛び降りたら1メートルのホームに降りられるかわからないんです。だけど、ビートが均等であれば、何拍目に降りたらそこにしっかり降りられるかわかるわけです。予測が付く、これが未来なんですよ。サックスも同じですね。

サックスの場合は、ハーモニーで未来を作ったり、未来を作ってくれるドラマーの上に、さらに未来を作ったり。ただ乗っかってるだけでは未来を作れません。未来が作れるようになると、タイム感は良くなります。だから、自分が何を吹いたらみんなが理解してくれるかが大事。

 

他の人に依存して、相手がこけたらそれまでですし。

小池 そうです。依存すればするほど、その人にはタイムがないですから、いつもフラフラしています。時にはタイムのことでけんかするくらいでも、いいと思う。それがバンドのスピード感になったりするんですよ。
歩くことも大事です。歩きながら歌を歌えるように。常に、周りからもうどんな目で見られてもいいから、そうやって歩く。黒人の人が歩きながら歌う姿を見るとカッコイイじゃないですか。

それはいつも考えてるんですか?

小池 そうですね。メトロノームで練習するのもいいんのですが、寄り添うと駄目なんですよ。みんなが寄り添ってしまう。メトロノームを聴いたりチューニングメーターを目で見る……というのは、みんな自分がないんですよね。だから自分でコントロールして、そのメトロノームを後ろにやったり前にやったりとか、そういう練習をすればいいんですよね。
それよりもなによりも、やっぱりグレートなアーティストが一番ですね。3000円出せば、世界最高の教則があるわけですから、なんでそれを勉強しないんだろうって思います。レコード時代はレコードの針が飛ぶまで聴きました。それは僕たちの誇りですよ。そのくらい勉強していたわけです。

ジャズは偶然の産物ではない




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