サックス記事

第5回「倍音練習に挑戦」 後編

THE SAX vol.39

1840年代に誕生した比較的新しい楽器、サクソフォン。ゆえに、プレイヤーは自分の心にある音楽をより正確に表現すべくいろいろな奏法─現代奏法─を生み出している。そして同時に、そんな多くの可能性を秘めたサクソフォンのために、新しい奏法を用いた曲を書く作曲家も増えている。
このコーナーでは、そんな現代で自由自在にサクソフォンの演奏を楽しむために身に付けておきたい最先端の奏法、いわゆる“現代奏法”を、その道の第一人者である大石将紀が伝授する。
さて、前回お送りした「倍音練習」はモノにできただろうか?今回は早速、その練習を生かして「フラジオ」に挑戦する。「倍音練習」ができていなければ、今回のテーマは少し困難だ。焦らず、じっくり取り組んでほしい。

 

第5回 「倍音練習」に挑戦

今回の現代奏法は、前回の「倍音練習」の応用編第一弾、フラジオ奏法です。フラジオ奏法はサクソフォンのレパートリーのなかでは古典に位置するイベールの『室内小協奏曲』(1935)で、すでに使われるほどの歴史があり、さらに最近では吹奏楽コンクール課題曲のサクソフォンパートにも出てくるわけで、もはや「現代奏法」とは言えないのかもしれません。しかし一度でも挑戦したことがある人は分かると思いますが、そう簡単にはうまくいかないテクニックで、コツをつかむには他の現代奏法同様、口の中のコントロールが大きく関わってきます。前回倍音練習をしてみた人は、その効果を少しでも実感しながら練習することができると思うので挑戦してみてください。


● 次のページに続く
・まずは復習:倍音練習
・いざ、実践:フラジオ
・其の1 6度上の倍音練習→Cのフラジオ
・其の2 1オクターブと6度上を鳴らす
・其の3 代表的なフラジオの運指

 


プロフィール
大石将紀
(おおいしまさのり)

1999年東京芸術大学卒業。2001年同大学院修士課程修了。同年9月渡仏し、パリ国立高等音楽院に入学。在学中はフランス国内における数々のコンクールで入賞。04年アムステルダム音楽院に短期留学。同年6月にパリ国立高等音楽院サクソフォン科、室内楽科を、06年には即興演奏科をすべて最優秀の成績で卒業。さらに05年よりパリ国立高等音楽院第3課程室内楽科(サクソフォン四重奏)に進み07年6月に修了。在仏中はソリストとして、またサクソフォン四重奏「OSMOSE」のメンバーとしてクラシックはもとより、現代音楽、若手作曲家の作品発表を精力的に行なっており、これまでにイギリス、スイス、フランスなどのヨーロッパ諸国を始め、ナイジェリア、ニジェール、中国等で演奏活動を展開している。また、舞踏家の保坂一平とも共演を重ねる。2008年3月に日本に帰国し、東京オペラシティ財団主催「B→C100」に出演後、国内での活動を本格化。現在、東邦音楽大学、同大学院非常勤講師として後進の指導にもあたっている。サクソフォンをC.ドゥラングル、須川展也、平野公崇、彦坂眞一郎、冨岡和男、A.ボーンカンプの各氏に、室内楽をL.ハダディー、中村圴一の各氏、また即興演奏をA.サブレ、A.マルケアスの各氏に師事。
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