サックス記事

巨匠に学ぶ使えるアドリブフレーズ 【アルト編】

THE SAX vol.96 Special

ジャズのアドリブ演奏を習得するために必要な方法として、誰もが推奨する避けて通れないステップが、名プレイヤーの名演奏をコピーすること、いわゆる“耳コピー”だ。しかし、アドリブ演奏まるまるをコピーするのはハードルが高いと感じるプレイヤー諸兄も多いのではないだろうか。そこで今回は、アルトとテナーのジャズの巨人それぞれ4人にフォーカスを当て、様々なシーンで使える汎用性のあるフレーズをピックアップして紹介していく。指南役に、アルトは中山拓海氏、テナーは青木秀明氏という確かな実力を持つお二人を迎えて、フレーズ解説付きでお届けしよう。

Alto 編(解説:中山拓海)

● Artist1:ソニー・スティット
『Biscuit Mix』 /『Afterwards』/『Au Privave』

● Artist2: キャノンボール・アダレイ
『I Remember You(Take11)』/『Dat Dere』/『Jeannie』/『Who Cares?』

● Artist3:リー・コニッツ
『All of Me』/『All the Things You Are』/『I Remember You』/『Ablution』

● Artist4:チャーリー・パーカー
『Chi-Chi (Alternate Take3)』/『Klaunstance』/『Bird Gets The Worm』/『Lover』


ソニー・スティット

Phrase.01.

『Biscuit Mix』(アルバム「Sonny Stitt Plays」収録)
(00:38〜:スティットのアドリブ1コーラス目の3小節目〜10小節目)
「ソニー・スティットプレイズ(ニアネス・オブ・ユー)」ソニー・スティット
【WPCR-29003】 ワーナーミュージック・ジャパン

「Sonny Stitt Plays」からFのブルース(アルトサックスではDのブルースになる)『Biscuit Mix』。ソニー・スティットはとても綺麗なラインを紡ぐため、コピーしやすく初心者もとり取り掛かりやすい奏者です。楽譜の2小節目はD7をAm7-D7に分解したフレーズになっています。Ⅴ7はⅡm7と互換性があり、そう捉えることでフレーズの幅が広がります。
スティットのラインの美しさはそういったところにも起因します。F#m7のフレーズは3拍フレーズ(※1)、アプローチノートを含みB7はFm7にリハーモナイズされています(※2)。こうすることにより、F#m7 - Fm7 - Em7という半音のコードの流れになります。

※2 B7のコード上でFm7のフレーズが用いられている(音符下の数字はFmの度数)

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●Profile 中山拓海(なかやまたくみ)
国立音楽大学を首席で卒業。これまでに秋吉敏子、山下洋輔、小曽根真の各氏らと共演。山野ビッグバンド・ジャズ・コンテスト最優秀賞を2年連続受賞、並びに最優秀ソリスト賞受賞。多国籍ジャズ・オーケストラAsian Youth Jazz Orchestraにてコンサートマスターを務めアジアツアーを行なう。アゼルバイジャン共和国で開催されたバクージャズフェスティバルに自身のバンドで出演など国外にも活動の幅を広げる。現在、多くのリーダー・バンドの他に、鈴木勲(Bass)、酒井俊(Vo)、竹内直(Ts)、平井庸一(Guit)各氏のバンド・メンバーとして都内を中心に演奏活動を行なう。学習院大学スカイサウンズオーケストラ講師。2017年に初となるアドリブのための教則本「SessionへのGIANTSTEPS」を発表。

 

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