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吹奏楽お悩み相談室 楽器の寒さ対策 【木管】

wind-i mini 3号

吹奏楽で使用されている金管楽器、木管楽器、打楽器のことや、 練習方法、演奏技術、さらには上下関係まで、 吹奏楽に関するみなさんのお悩みを解決する「吹奏楽 お悩み相談室」。 Wind-i miniでは、みなさんのお悩みを随時募集中!

楽器の寒さ対策!

今の季節、楽器が冷えたり、空気が冷たいことで楽器が変化します。特に木製の楽器は縮んだり、ときには割れてしまうこともあります。そこで今回は楽器の寒さ対策を紹介します!

木製の楽器は冷えると縮む

 

Flute&Sax

寒くなると、通常よりも楽器の中に水分が溜まります。これは、冷えた管体の中に、温かい空気をたくさん送りこむことによって、空気中の水蒸気が凝縮して結露が発生するために起こります。 フルートやサックスの場合は金属で造られている楽器なので、木製のクラリネットなどとは異なり割れる心配はなく、水分が溜まることで楽器に問題が生じることも少ないのですが、問題はフルートやサックスにはキィの部分にタンポが付いています。結露が多ければ多いほど、タンポが水にさらされる確立が高くなります。 フルートの場合は裏面にあるトリルキィやG♯キィなどに結露した水分が下りてくることがあります。また、サックスも結露によってU字管に水分が溜まることもあるのです。溜まった水分を取り除くとき、低音のキィにこぼす可能性があります。そこで、演奏中でもマメに水分の除去を行なってください。 また、吹き始める前に、サックスならネックの部分、フルートなら頭部管だけでも、手で握って温めてあげると多少は結露しにくくなると思います。ただ、それをやって劇的に効果があるということではありません。

Flute&Sax

 

claob

管体の割れにご注意! 楽器に直接風が当たることで楽器の表面は急速に乾いていきます。外側はどんどん乾いているのに、中(内側)の湿気が増えていくことで楽器の割れが生じます。割れは冬だけのものではなく、夏にエアコンの下で吹いているとき、エアコンの風によって楽器の表面が乾燥して、外側と内側の湿度差によって木製の楽器は割れが生じます。 一番の対策は楽器を吹かないこと(笑)。それは無理ですから、吹く前に楽器の表面を手で温めることが効果的です。割れやすいのが上管の上部、特にトーンホールが隣接しているところの間の部分。トーンホールには水が溜まりやすく、染み込みやすいのです。特に上管の上部は、その水分が最初に通る部分なので注意してください。また、可能な限り同じ環境で練習することをおすすめします。それが割れを防ぐ一番の方法です。明日は教室、その次は体育館と、あちこちに移動して違う環境だと人間だって疲れてしまいますし、楽器も急激な温度・湿度の変化に対応できなくなります。目安としては湿度が30%以下になると割れが起こる環境にあるので、その環境下ではケースの中に湿気を発生させるものを入れておくなどしてください。簡単にできることは簡易おしぼりを入れておくこと。見当たらなかったら、楽器店で加湿商品を購入してください。さらに、練習するとき、冬はケースを閉めておく、夏は開けておく、それだけでもぜんぜん違います。 あと、忘れがちなのは、何時間も吹いたあと、すぐに楽器を片づけて外に出た場合も割れが生じることがあるので注意!

Flute&Sax

 

fagotto

寒くなる=乾燥すると木は全体的に縮みます。もちろんジョイント部分も縮むのですが、高額なファゴットになるとジョイント部分は糸を巻き付けたものになっていて、コルクグリスなどで固めています。季節の変わり目にジョイントを調節しないとジョイント部が抜けてダブルジョイントが抜け落ちてしまうことがあります。この糸を巻いただけのジョイント部は、よく考えられていて、乾燥して縮んだら糸を足せばいいし、逆に夏は膨張して入らなくなるので、ほどけばいいのです。 ジョイント部がコルクの場合、硬くて二人がかりで抜く光景をしばしば見受けられます。 また、ある奏者は冬に縮むことを見越してランダムに、少し軽めに糸を巻き通常よりも厚みをもたせ、夏は逆に膨張するので糸が重ならないように巻くようにしています。そうすれば巻き足したり、減らすことをしなくてすみます。また、冬は乾燥して楽器全体が縮むため、キィポストの間隔が狭くなり、キィが動かなくなる場合もあります。湿気が多いと逆に膨張するので、キィポストの間隔が広くなってキィがガタつきます。対策としては、冬は楽器ケースに湿気を発生させる加湿商品を入れておき、逆に夏は除湿剤を入れておくことをオススメします。

Flute&Sax

 

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