第11回 アーティキュレーションのいろは その4 〜いろいろなアーティキュレーション〜
スラーとスタッカートの結合
それでは次にスラーあるいはスラーとスタッカートの組み合わせのアーティキュレーションのいろいろな形を覚えましょう。このアーティキュレーションの方法はたくさんあります。比較的よく使われる例を挙げておきます。同じ音形でもアーティキュレーションによって、それぞれ違っていろいろな形のアーティキュレーションがあります。
原則として、結ばれた二つあるいは三つの音において、前の音は長めに、後の音は短めに吹きます。スラーやスタッカートの組み合わせでたくさんのアーティキュレーションの可能性が生まれてきます。(譜例)これらと並行して第6回の譜例③と第7回の譜例を参考にして、いろいろなアーティキュレーションで自由に吹けるまでたくさん練習してください。
以前書いたように、音楽においてすべての対比性や対立性は演奏表現の大変重要なカギになります。ダイナミックスやニュアンスやテンポなどについては、次回以降に考えていきたいと思います。また、音楽用語はほとんどが外国語です。その意味を案外、間違って解釈していることがあります。この連載で使った音楽用語についても勉強していきたいと思っています。
それでは、しっかり練習に励んでください。
野崎剛史
Takeshi Nozaki
東京芸術大学卒業後、渡仏。パリ市立音楽院にてクラリネットを学ぶ。フランス国立管弦楽団の首席クラリネット奏者ギイ・ダンガン氏に師事。帰国後、東京佼成ウインドオーケストラで演奏活動を続けた。またジャズサックス奏者の坂田明、クラリネット奏者の鈴木良昭、ピアニストのF.R.パネ、谷川賢作らとジャンルを越えた音楽活動も行なった。