加藤明久のクラリネット何でもQ&A

第15回「リガチャー談義:濃口編」

回を重ねるごとに、わずかな質問内容と年齢・職業などから質問者の姿が想像できるようになってきた。楽器への接し方や練習風景、どの程度のレベルでどんな音色を奏でているのかを推理するのは楽しい。すっかり気分はキムタク検事、である。
ただ、音程や音色、練習法といった問題は解決できても、舌の動きやのど鳴りなどの問題は、さらに難しい。キムタク検事役はこなせそうな気がするが、赤ひげ先生にはまだまだ遠い。

加藤明久

Akihisa Kato

クラリネットを大橋幸夫、浜中浩一の両氏に師事。 1983年、国立音楽大学卒業。その年より制定された矢田部賞を受賞。 第53回読売新人演奏会などの新人演奏会に出演。 第16回民音室内楽コンクール第1位入賞。 1984年、第1回日本クラリネット・コンクール入賞。 1985年、第35回ミュンヘン国際コンクール木管五重奏部門でファイナリスト。 1988年、欧日音楽講座にて初のビュッフェ・クランポン賞を与えられる。第2回日本クラリネット・コンクール入賞。 1990年、NHK交響楽団に入団。 2019年、NHK交響楽団を退団。 2019年より昭和音楽大学教授、武蔵野音楽大学非常勤講師。

 

リガチャーには金属の部分が厚くなっているものや、とめるネジが前後、ネジが2つまたは1つなどありますが、それによって何がどう変わってくるのでしょうか。(会社員・埼玉県)

他人が吹いている音をブラインド・テスト(目を閉じて聴く)をした時、リードやマウスピースを替えるほどの音色の違いは判別しにくいが、吹いている当人の吹き心地の違いは、ある意味リードやマウスピース以上ではないか。他人にはわからない自己満足の世界、いってみれば「下着」のようなディープな存在が、リガチャーなのである。……[続きはこちらから!!]

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