トランペット記事 透きとおるような音色で、歌うようにトランペットを奏でる15歳の新鋭
  トランペット記事 透きとおるような音色で、歌うようにトランペットを奏でる15歳の新鋭
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児玉隼人

透きとおるような音色で、歌うようにトランペットを奏でる15歳の新鋭

ARTIST

5歳でコルネットを手にし、9歳からトランペットを吹き始め、15歳にして幅広い演奏活動を重ねている児玉隼人さん。昨年行なわれた日本管打楽器コンクールでは、史上最年少で第1位を獲得し大いに注目を集めました。今年2月には、ファン待望のデビューアルバムをリリースし、紀尾井ホールで開催されたリサイタルで多くの聴衆を魅了。そして、4月からはドイツへ留学し、さらに研鑽を深める児玉さんに本誌が初インタビュー! これまでの歩みと、これから進んでいく道についてお話をうかがいました。
(インタビュー・文:鬼木玲子/取材協力:株式会社イープラス)

コルネットからのスタートは大正解

最初に手にした楽器は、コルネットだそうですね。
児玉隼人
5歳のとき、サンタさんからプレゼントされました。まだ身体も小さかったので、トランペットより持ちやすいという利点がありましたが、なにより音色がとても柔らかいという点が良かったです。最初に体験するのが乱暴な音でないということは、耳にとって大切だと思います。まろやかな音を聴き続けることで、僕が目指す方向がそちらに向いていったように感じます。コルネットからスタートして大正解でした。
初めから音が出たのですか?
児玉
もらってから1週間ほどの映像が残っているのですが、いやな音は出ていませんでした。最初は遊び道具としてもらったけれど、音楽に興味があったので、いろいろな演奏を聴いて自分もその曲を吹きたいと思って簡単なメロディに取り組み始めました。それから半年後、世界的なトランペット奏者のアンドレ・アンリが僕が住んでいた釧路に来ると知って、彼に自分の演奏を聴かせることが目標になり、1ヶ月間『ロンドンデリーの歌』をがんばって練習しました。初めて演奏を聴かせる人がアンドレ・アンリというのは、いま考えるとすごい経験でした。
アンリ氏との対面で、印象に残っていることは?
児玉
まず最初に、彼の演奏をきいてワクワクしました。トランペットにのめり込む大きなきっかけになったと思います。それと、僕の演奏を聴いた彼が「将来、一緒にコンサートをやろう」と言ってくれたことが嬉しかったし、刺さりました。このコメントによって、僕の夢が決まったのかもしれません。それからは目標が明確になり、音楽に触れる時間が圧倒的に増えました。ハイドンの『トランペット協奏曲』を耳コピして吹いてみたりして、クラシック音楽がどんどん好きになりました。
演奏技術はどのように習得したのですか?
児玉
完全に独学で、YouTubeで見て聴いて研究しました。世界的なプロ奏者の演奏ばかりを聴いていたので、本物に触れ続けたことが僕にとっては良かったように思います。目指すものが、最初からモーリス・アンドレやラインホルト・フリードリヒでしたから。釧路で演奏会が開催される機会もほとんどなかったし、参考にするトランペットを吹く人が身近にいなかったので、型にはまることもなく、ある意味では恵まれていたと思います。

次のページへ続く
・素晴らしい演奏家たちから指導を受けて
・これまでのヒストリーをつづったデビューアルバム
・自分の声に近くなるようなセッティング

児玉隼人 Hayato Kodama
2009年、北海道釧路市生まれ。5歳からコルネットを吹き始め、9歳から本格的にトランペットを始める。2024年、第39回日本管打楽器コンクール トランペット部門において、全部門での史上最年少で第1位、及び文部科学大臣賞、東京都知事賞を受賞。併せて特別大賞(内閣総理大臣賞)を受賞。その他にも、日本ジュニア管打楽器コンクール、日本クラシック音楽コンクール、大阪国際音楽コンクールなど、数々のコンクールで優勝している。これまでに、東響、東京フィル、新日本フィル、札響、仙台フィル、群響、名古屋フィル、大阪響などと共演。トランペットを松田次史、辻本憲一の両氏に師事。その他著名な奏者のマスタークラスを多数受講。2024年度ヤマハ音楽支援制度奨学生。第7回服部真二音楽賞《Rising Star》を受賞。2025年2月にはイープラス・ミュージックよりデビューアルバムとなる「Reverberate」をリリース。2025年4月より、ドイツ・カールスルーエ音楽大学のプレカレッジにて、ラインホルト・フリードリヒ氏に師事予定。
児玉隼人オフィシャルサイト: https://hayatokodama.com/
Instagram:instagram.com/hayatrumpet8810
X:https://x.com/hayatrumpet8810

 
 CD&LP Information

「Reverberate」児玉隼人
【EM-0044】¥3,000(税込)eplus music
[演奏]児玉隼人(Tp,Cor) 、新居由佳梨(Pf)
[曲目]1. G.F.ヘンデル:調子の良い鍛冶屋、H.L.クラーク:霧の乙女、C.ヘーネ:スラヴ幻想曲、E.ボザ:ルスティーク、O.ベーメ:トランペット協奏曲 ヘ短調 作品18<Ⅰ. Allegro moderato、Ⅱ. Adagio religioso – Allegretto、Ⅲ. Rondo - Allegro scherzando>、A.グラズノフ:アルバムブラット、H.トマジ:トランペット協奏曲<I. Allegro - Cadenza、Ⅱ. Nocturne: Andante、Ⅲ. Finale: Allegro Giocoso、石川亮太:トランペットラブレター

 
 Concert Information

児玉隼人トランペットリサイタルツアー2025
2025年7月22日(火) @神奈川:相模女子大学グリーンホール
2025年7月26日(土) @宮城・電力ホール
2025年7月30日(水) @島根・さんびる文化センター プラバホール
2025年8月1日(金) @愛知・電気文化会館 ザ・コンサートホール
2025年8月8日(金) @北海道・札幌コンサートホールKitara 小ホール
2025年8月10日(日) @大阪・住友生命いずみホール
2025年8月17日(日) @東京・浜離宮朝日ホール

※ツアー特設サイト
https://eplus.jp/kodamahayato2025/

 

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カバー:児玉隼人

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