画像

私がこの楽器を愛する理由

wind-i mini1号 特集

Ebクラリネット 木内倫子(シエナ・ウインド・オーケストラ)

なんといっても、音色が魅力だと思っています。可愛らしさの中にも、凛とした強さがある、しなやかな音色が好きです! 合奏の中でも、B♭クラのオクターブ上で音の輪郭を出したり、ピッコロと一緒にキラキラした色を付けたりといったE♭クラならではの役割があります。あとは、何十人ものなかで自分しか演奏していないという特別感もいいですよね(笑)。たまにソロもありますし!

 

Bbクラリネット 大浦綾子(東京佼成ウインドオーケストラほか)

クラリネットの魅力は、なんといっても音色と表現力です。木管楽器の中でヴィブラートをかけずに演奏できる楽器はクラリネットだけです。つまり、真っすぐに伸びる音そのものが心に訴えかける楽器なのです。そして、クラリネットは管楽器の中で一番音域が広く、とても表現力のある楽器です。その証拠に、ブラームス、ウェーバー、シューマンなどのロマン派の作曲家が好んでクラリネットに曲を書いています。ブラームスは晩年、創作意欲を失い一度作曲活動に終止符を打ちますが、ミュールフェルトという素晴らしいクラリネット奏者の演奏を聴き衝撃を受け、再び創作意欲をかき立てられます。そして続けざまに4曲のクラリネットの名曲を書き残しました。それらは現代の私たちにとって大切なレパートリーです。

 

アルトクラリネット 原山佐保子(シエナ・ウインド・オーケストラほか)

アルトクラリネットは、現在まだまだ、積極的に活用される機会が少ないように思います。私はこの楽器の担当になった時から、未知数の魅力の楽器だ! と思って接しています。だからこそ自由度も高くて、使われ方も本当に色々です。クラリネット属の中ではB♭管とバスクラの中継ぎをする役、吹奏楽の中では金管とブレンドする時は音の輪郭になったり、サックスともアンサンブルしたり、低音を補強したり、木管高音とブレンドして独特な音色を作ったり、ソロの時は柔らかくて繊細なトーンのハスキーボイスが生かされます。主に特徴のある音色を生かされる場面が多いので、楽器の性格を熟知して、八面六臂の活躍ができればサイコーにカッコいいですね。

 

バスクラリネット 京谷麻里子(シエナ・ウインド・オーケストラ)

正直に言うならば、実はクラリネットに一目惚れした理由と同じく、まずは形と色です。漆黒の管体にシルバー。ネックの曲線からベルのラインまでのバランスがとても美しいと私は思っています。最近ベルをグラナディラに変えてさらにカラーのバランスが良くなったと自己満足しています。音色の魅力というと包容力や説得力のある部分ですね。特に中音域から低音域。高音域は繊細な表現のできる音色が好きです。最後に合奏での役割にも魅力を感じます。和声の中での支えだったり、勇ましい足どりだったり、時折シブいソロや緊張感を作り出す持続音など、新しい楽譜を見るたびにどんなフレーズを作曲者、編曲者が書いてくるのか、バスクラをやっていれば飽きることがありません。

 

オーボエ 薮恵美子(タッドウインドシンフォニーほか)

なんといっても、この独特の音色でしょうか。やわらかで、優雅で、哀しみを秘めていて、それでいて力強い。歯切れの良さも魅力だと思います。私のオーボエの師匠は「オーボエは木管のトランペットだよ」とおっしゃいました。そんなオーボエに先人はたくさんの美しいフレーズを残してくれました。バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス、チャイコフスキー、ラヴェル……きりがありません。私がオーボエに惹かれたきっかけは、ラジオから流れてきたヴェルディの「運命の力」序曲でした。それは吹奏楽コンクールの全国大会の演奏だったと思います。高校生になって初めてオーボエを手にした時は本当に嬉しかったなぁ。

<前へ      1   |   2   |   3   |   4   |   5      次へ>      

記事一覧 | Wind-i&mini
トピックス | レッスン | イベント | 人物 | 製品