シエナ・クラッツQ&A クラリネット☕Cafe 〜上手くなるためのホッと一息〜

vol.54「弱音の練習」「指揮を見るコツ」

ppやディミヌエンドの練習法

低音域のppが苦手です。もともと大きく吹くfは得意なのですが、小さな音の吹き方のコツがわかりません。ディミヌエンドも苦手です。練習法を教えてください。
(らんさん・大阪府)

らんさん、こんにちは、中村めぐみです。

弱奏が苦手とのこと、どんなふうに苦手なのか、色々想像してみましたが、思いあたったことを書いてみます。
もしかしたら、大きな音を吹くときに、顔の筋肉が必要以上に力んで唇の力みでリードの振動を支えてしまっていないでしょうか? 吹くときは顔の筋肉を整えて安定させる(アンブシュアを決める)ことがもちろん必要なんですが、理想的には音を出す前に整え、出す前と出しているときとの状態に変化が少ないのが望ましいのです。そしてリードの振動を支えるのは唇ではなく、その下にある歯です。弱奏は、やはり同じ筋肉の緊張、安定したアンブシュアのまま、リードの振動の長さ、下唇、下の歯とリードの関係の状態も大きな音のときと同じ状態を保ち、息の圧力のみを変化させてつくるんです。声で小さく、またはdimを作るときと同じです。

もしも吹くときだけ必要以上に力んでいるとしたら、息のみでつくるべき圧力を唇の筋肉でつくっている恐れもあり、弱奏のイメージがその唇の筋肉の力みも緩ませることを招いていたら、音質が壊れ、逆に力んだまま弱くしたら、響きが止まって音がつまったようになる恐れがあります。
らんさんの悩みに当てはまるでしょうか?

もしあたっていたら、練習方法としては、まず吹いているときの自分の顔の形を観察すること。吹かずに吹いているときのフォームをつくり、吹く前と吹き出すとき、そして吹きのばすときに顔が変化しないようにしながら、ppからcrescffdimppと、一音で10秒ほどかけてのロングトーンをすることをお勧めします。音は出しやすい音で構いません。慣れてきたら全音域でハイトーンもトライしましょう。
体も楽器の一部です。変化の少ないアンブシュア(下唇、下の歯とリードの関係)をゲットして自由にダイナミクスを息のみでつくれるよう、試してみてくださいませ。

指揮を見るコツは?

クラリネットは高校から吹き始めて、15年ほど経ちました。高校時代はそんなことを感じませんでしたが、昨年地元の吹奏楽団に入ったものの、指揮のどこを見れば、他の人と合うのかわかりません。他のメンバーがブレスを吸うタイミングを見て今は吹いています。みなさんはいろんな指揮者と演奏されるわけですが、拍の見分け方とかどうされていますか?(初歩的な質問ですみません)(N.Oさん・北海道)

初めまして、同じく北海道在住の黒岩真美ですっ(^o^ゞ

まず合奏のときに《目の指揮者》と《耳の指揮者》を意識しましょう!!
目の指揮者とは目の前にいる指揮者です。でも残念ながら指揮者を見ているだけでは他のメンバーと合いません。
そこで耳の指揮者!!
例えば同じ動きをしているパートやパーカッション、ベースライン等、音楽を進めてくれるパートにアンテナをはりながら演奏し、目の前にいる指揮者をテンポの変わり目や、決め所の直前に見ると皆と息のあった演奏ができると思います!!
まずは目の前の指揮者を頼りすぎず、自分の中にビート感や音楽の流れをしっかり持ちながら練習してみてください。
それには練習の仕方がノリ練(メトロノームを使わず、自分の都合のいいように練習すること)だけではダメで、メトロノームを使ってしっかり自分の中にテンポ感を身につけるのが大切です。だって心臓のテンポは人それぞれなので、共通のテンポ感を身につける必要があると思いませんか?
拍の見分けも見分ける必要はありません。それは自分で感じて演奏するものです。
以上のことを少しずつ意識しながら練習し、合奏にのぞんでみてくださいね

 

〜メンバーからのひとことコメント
「皆さんの大切な“宝物”を教えてください!」
山手▶家族、友人、経験、心。たくさんあるな〜!
佐々木▶家族や友人、音楽を通じて経験したことや知り合った方々など……。一つに決められません。
近藤▶生活感満々ですが、最近の宝物は息子がくれた「肩たたき券」。無期限らしいので大切に保管し、ちょくちょく利用しています!
木内▶家族の健康と、去年の秋に買ったばかりの新しい楽器!です。
京谷▶一つに絞れませんが、やっぱり、今は息子と娘です。
中村▶家族。
原山▶「物」ではないですが、娘と過ごした年月。色々なことがありましたが、いてくれてあ
りがとう。
黒岩▶私に関わるすべての人。
飯島▶大学入学時に恩師から贈られた「リードケース」。未だに大切に使っています!


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