懐かしい日本歌曲&スイング、ノスタルジックなひと時を!!

花岡詠ニ 新春室内楽&スイングコンサート

日本を代表するジャズクラリネット奏者、花岡詠二さんの新春コンサートが1月6日(土)に“ティアラこうとう 小ホール”にて開催されました。
クラリネットをはじめ、ピアノ、ギター、ヴィブラフォン、ウッドベース、ドラムのジャズコンボに、ヴァイオリン2本、ヴィオラ、チェロの弦楽四重奏を加えた、とても珍しい編成。花岡さんの紹介の後、弦楽四重奏の美しいクラシック演奏からコンサートがスタートしました。そこにバンドと花岡さんが加わるのですが、花岡さんの暖かく艶やかな音色が響くと、圧倒的な“花岡ワールド”に引き込まれます。
その美しい音色は上品さと力強さをあわせ持ち、花岡さんのエネルギッシュで極上のソロパフォーマンスも、バンドと全員で織りなすハーモニーも心地よく、全員での一糸乱れぬユニゾンも圧巻!
MCでは人柄が現れていて、とてもユーモアにあふれ会場が大きな笑いに包まれる場面もありました。さらに楽曲紹介では勉強になることがたくさん! 例えば、元の楽曲を演奏したあと、エピソードトークを交えてジャズアレンジでの演奏も行ないます。これで、聴衆は原曲との聴き比べができるので、楽曲をどのように聴いたらより楽しめるのかを事前に知ることができ、私自身も含め皆、曲に没入していました。
また、演奏に合わせて歌うコーナーもあり、皆さん大きな声を出して笑顔で歌い、楽しんでいました。プログラムの後半、『鈴懸の径』のMCが始まると、待ってましたとばかりに場内には拍手が響き、身を乗り出す方も。花岡さんの『鈴懸の径』を聴きたいファンが大勢いました。この曲を聴きたいがために足を運んだ方もいるでしょう。
その後も『メモリーズ・オブ・ユー』や『エストレリータ』など、ジャズの音色もさることながら、弦カルを加えた編成では『美しき青きドナウ』や『ラデツキー行進曲』など新春ならではのクラシックの名曲もあり、花岡さんのクラリネットはクラシカルな音色も自由自在に操ることができます。最初から最後まで聴衆を飽きさせない盛りだくさんなプログラムで、満員の客席は大きな拍手に包まれました。
終演後、ご本人から「演目は自分の好きなものなので、僕自身メチャ楽しんでいます」とコメントをいただきました。アーティストの好きなもの、感情や技術が凝縮された空間は、聴衆に興奮と癒しをもたらす、という“気づき”をいただいた素晴らしいコンサートでした。(クラリネット奏者 若林愛)

 

 

 

[公演日]2024年1月6日(土)
[会場]ティアラこうとう 小ホール(東京)
[出演]花岡詠二(クラリネット&サックス)、
    武田将(ヴィブラフォン)、佐久間和(ギター)、
    山本琢(ピアノ&アコーディオン)、加藤人(ベース)、
    竹内武(ドラムス)、
    アンサンブル・ダ・コーエ(弦楽四重奏)
[協賛]株式会社池部楽器店
[協力]公益財団法人江東区文化コミュニティ財団 ティアラこうとう


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