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次世代のクラリネット界をけん引

ニコラ・バルデイルー on The Clarinet カバーストーリー
ニコラ・バルデイルー

3度目のインタビューとなるニコラ・バルデイルー氏が本誌に初めて登場したのは約10年前のこと。氏が24歳のときで、すでにミュンヘン国際コンクールをはじめとする多くのコンクールで入賞、優勝を果たし、クラリネット界に彗星のごとく現れた若き実力者として注目を集めた。その第1回目のインタビュー後は、数々のオーケストラの首席奏者を務め、27歳の若さでフランス最高ランクの音楽教育機関の一つである、リヨン国立高等音楽院の教授に就任するなど、次世代のクラリネット界をけん引するであろう逸材として輝きを増した。現在30代半ばという若さですでに素晴らしいキャリアを築いている氏は、精悍なマスクに、落ち着きのある上品な佇まいで、“天は二物を与えず”という、ことわざがあるが、天は二物どころか、三物も四物も与えたのだと思わせる人物であった。
そんな次世代を担うクラリネット奏者の中でもトップクラスの同氏が、クラリネットとどのように向き合ってきたのか。50号記念にふさわしいインタビューが実現したのだが、実際に話してみると、ユーモアのセンスにもあふれ終始和やかなムードで進められた。
後進の指導にも積極的な氏の言葉で印象的だったのは、「それぞれの生徒の未来に対して責任を負う」ということ。そのためにも、生徒には可能性を最大限に与えつつ、個性を守りながら指導を行なっている。スタイリッシュな印象の氏だが、内に秘めたクラリネットへの情熱が感じられる、そんなインタビューだった。

Nicolas Baldeyrou│ ニコラ・バルデイルー
パリ国立高等音楽院卒業。ブカレスト、ニールセンなどの国際コンクール、1998年ミュンヘンARD国際コンクール、2001年ニューヨークヤング・アーティストで優勝。ソリストとしてバイエルン放送交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、プラハ・フィルハーモニアなどと共演。また、カーネギー・ホール、コンセルトヘボウ、ムジークフェラインなどでリサイタルを行なう。マーラー室内管弦楽団、フランス国立管弦楽団の首席を歴任したのち、現在、フランス放送フィルハーモニー管弦楽団首席クラリネット奏者。2007年には弱冠27歳にしてリヨン国立高等音楽院の教授に任命された。