第3回 辻本流ポルタメント習得術

辻本美博の本気でクラリネット普及委員会

辻本美博

吹奏楽部のみなさんはそろそろ夏の吹奏楽コンクールに向けた練習が本格化してくる頃でしょうか? ぼく自身も中学・高校はバキバキの吹奏楽部員でしたので、この時期の来るぞ来るぞ感は色々なことを思い出しますね。でも今回はそんな吹奏楽コンクールへの流れや緊張感を全力で無視させていただきます! やっぱり楽器を吹く、音楽をやる理由は『Because it's fun!』であるべきだと思いますので!!

というわけで今回取り上げたいのは、クラリネットのいわゆる特殊奏法の部分です。クラシック音楽ではあまり使わないけど、有名な“あの曲の冒頭”で使われていて、ジャズやポップスでも割と普通に使われていて、できるならやりたいけど、やり方もわからないし、できる気もあまりしない......というあの奏法。
そう! 今回は“ポルタメント”について書かせていただこうと思います!

ポルタメントって何?

音と音の間を継ぎ目なく滑らかに徐々に音程を変えて繋ぐ演奏技法のことで、最も代表的な例が先に述べた“あの曲の冒頭”、そう、ジョージ・ガーシュウィン作曲の『ラプソディー・イン・ブルー』の冒頭クラリネットソロです!

ラプソディー・イン・ブルーの冒頭

ラプソディ・イン・ブルー譜例

この低音域ソのトリルからの駆け上がり部分のうち、「レジスターキィを押したレから到達音の高音域ドまで」がポルタメントを使用して繋いでいく部分です。ちまたで、このクラリネットのポルタメントについての解説としてよく 『指をスライドさせて』という文言を見かけますが、辻本流で言わせていただくと、この指のスライドはあくまで補助的なもので、核となる部分は『舌の位置とカタチ』です。

The Clarinet vol.63ではこのポルタメントをうまく演奏するための秘訣を掲載しています! また、近日「辻本流グリッサンド」の練習方法を納めた映像をClarinetオンラインにアップ予定です! 乞うご期待!

辻本美博
中高と吹奏楽部に所属し、クラリネットを演奏。高校時には全日本吹奏楽コンクール全国大会に2度出場し、いずれも金賞を受賞。クラリネットソロにおいても数々の賞を受賞。現在は『SUMMERSONIC』や福岡大型ビーチフェス『Sunset Live』の5年連続出場も果たした大阪発エンタメジャズバンド『カルメラ』のサックスプレイヤーとして、ワーナーミュージック・ジャパンから2枚のアルバムをリリース。2015年3月に開催したワンマンライブでは1200人を超える動員を記録するなど精力的に活動している。また、2014年に奈良県天理市から天理市を代表するミュージシャンとして委嘱を受け『天理市PR大使』に就任。2015年9月には自身初となるクラリネットソロリサイタルを天理市文化ホールにて行ない、盛況のうちに成功をおさめた。2016年7月にはビュッフェ・クランポン・ジャパンからの委嘱を受け『ビュッフェ・クランポン・ジャパン公認アドヴァイザー』に就任。同月には自身初となるMotion Blue YOKOHAMAでのソロ公演も成功におさめた。


クラリネット ブランド