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片山士駿のNYジャズ便り 第10回 〜Memories

THE FLUTE ONLINE連載

近所のお宅の垣根から、忍冬の花の甘い香りが小気味良く鼻へ伝わってくる。5月である。四季は世間の混乱を尻目にちゃんと移ろいでいるというのに、やれ時短だ、やれ酒を出すなだ等、1年前と何ら変わらず浮足の立ちっぱなしな人間界の虚しさは何と形容し得よう。東京は宛ら令和の禁酒法時代といった雰囲気で、ジャズ・クラブも酒類の提供に制限のある中それを遵守し営業されていたり、或いは断腸の思いで休業という選択をしたお店もある。
先の連休中にはレジャーに勤しんだ人もあったようだが、こんなご時世であるのだから、我々笛吹きは大人しく自宅や人の往来の少ない公園などで笛を吹くのが、感染拡大を考慮した上での有意義な時間の過ごし方といえまいか。斯く云う僕は笛の練習もそこそこに、連休の初めに購入した三島由紀夫の文庫を読んで過ごしてしまったので、今回は文体や言い回しにその影響がつぶさに出てしまうかもしれぬ恐れがある点を、予めお詫び申し上げます。

前回の連載の最後にて、息遣いのそれについて僅かに綴らせていただいた。しかし改めてそれについての考察をクラシック奏者の方と論議した事はついぞなかったのであるが、先日とっても嬉しい事に、The Flute Onlineご愛読者の皆様はご存じ!フルート奏者の岩崎花保さんにお話を伺う事ができたので、今回はそれについてのお話である。依頼を快く引き受けてくださりご協力いただいた岩崎さん、ありがとうございました!

お話を伺った後の1コマお話を伺った後の1コマ
 

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片山士駿

片山士駿  (かたやま しゅん)
1995年 千葉県市川市出身。国立音楽大学ジャズ専修 首席卒業。矢田部賞受賞。Manhattan School of Music修士課程修了。第46回山野ビッグバンドジャズコンテストにて、最優秀ソリスト賞を受賞。第20回、第21回 太田市ジャズフェスティバルに於いてソリスト賞を受賞。National Flute Association主催 44th Annual Convention, Jazz Artist Competitionに於いて、同部門では邦人初のWinner Playerに選出。ジャズを音楽的背景に持ち、自己のプロジェクトを行なう他、様々なアーティストのレコーディングやライブのサポートへ参加している。YAMAHA Z アーティスト。
これまでに池田篤、大澤明子、斎藤和志、Donny McCaslinの諸氏に師事。
主な共演歴: 小曽根真、佐山雅弘、山下洋輔、井上 智、井上陽介(敬称略)等

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