フルート記事
Special Interview & Report

瀧本実里✕ヤマハ イデアル

“普段通り”が最高の状態――常に自然体であるように


いつものリペア室へ

瀧本さんの楽器の調整を担当しているのは、ヤマハアトリエ東京の吉田修治さん。リペアの回数は多いほうではないというものの、絶大な信頼があればこそ、コンクール出場をはじめとする演奏活動が可能になる。
吉田さんのもとを訪ねる瀧本さんと、銀座のヤマハアトリエ東京にお邪魔し、リペア風景を覗かせていただいた。

 

東京音コン、日本音コンそれぞれの前に、楽器のメンテナンスはしたのですか?
瀧本
東京音コンの2日前に、タンポが破れるということがあって……そのときに慌てて持って来ました。
吉田
猛練習の結果ですね(笑)。
それ以降は特に何もせずに、日本音コンまで行ったのですね。
瀧本
はい、そうです。問題が何もなければ逆に、同じ状態にしておきたいので。
吉田
2タイプの演奏家がいらっしゃるんです。一方は楽器のことをすごく気にして本番前には頻繁に調整するタイプ、もう一方は瀧本さんのようにむしろ状態が変わらないことを好むタイプですね。後者の場合は、瀧本さんがまさにそうですが “便りがないのが良い便り”というか、いらっしゃらなければ「今は状態が安定しているんだな」と思ってむしろ安心するところがあります。
瀧本
回数が多くない分、それだけ高度なメンテナンスをしていただいているんだな、といつも感謝しています。
吉田
長持ちするようなメンテナンスは心がけていますね。良い状態で長く使っていただけることを願って……いつも楽器をお返しするときに、心の中で「長持ちしてね」と密かにメッセージを送っています(笑)。

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