第29回│あゝ懐かしの母校
卒業するとなかなか母校を訪ねる機会というのは少なくなるもので、故に久方ぶりに見る学舎は、こう胸の辺りがキュッとなるような、懐かしい気持ちにさせてくれます。多くを学ばせていただいたレッスン室、練習に明け暮れた練習室、多くのスコアやレアなCDを借りに行った図書館、仲間と音楽の話もくだらない話もたくさんしたベンチ、当時のガールフレンドのこと……。
………。
“クアーーーーーーーー! なんというセンチメンタル! もうそれだけで1曲書けちゃうんだぜ!?”という、筆舌に尽くし難い感情が、波となり胸の奥から押し寄せてくるわけです。自分はまだまだ若手である、と思ってはいるのですが、そんな僕も大学を出てボツボツ10年が経とうとしている事実に、驚きの念を禁じ得ません。何故こんなに情緒が揺らいでいるのかと申しますと、先日母校が創立100周年を迎え、その記念コンサートのリハーサルのために、かつての学舎へ行ってきたのでした。
卒業生ミュージシャンによるビッグバンドのリハの様子>>次のページへ続く

片山士駿 (かたやま しゅん)
1995年千葉県出身。国立音楽大学ジャズ専修を首席で卒業、矢田部賞受賞。Manhattan School of Music 修士課程を修了。2015年、第46回山野ビッグバンドジャズコンテストにて最優秀ソリスト賞を受賞。フルート奏者の受賞は大会史上初。2016年、米国フルート協会 NFA主催 Jazz Artist Competition Winner Player に選出される。2018年、マンハッタン音楽院へ入学しニューヨークへと渡る。2020年、新型コロナウイルスの影響により日本へ帰国。都内を中心に、自己のリーダーカルテットや、浅利史花(gt), 壷阪健登(pf)と結成した“キリヱ”での演奏活動の他、文化放送70周年記念「朗読劇 WA-GEI 」、「映画『ルパン三世 カリオストロの城』シネマ・コンサート! and 大野雄二・ベスト・ヒット・ライブ!」等、様々なライブやレコーディングへの参加、TV 出演など、活動は多岐にわたる。これまでに池田篤、大澤明子、斎藤和志、Donny McCaslinの諸氏に師事。
主な共演歴:小曽根真、菊池ひみこ、佐山雅弘、山下洋輔、にゅうおいらんず等(敬称略)










