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甲斐雅之&野津雄太 特別対談
察知能力をアップすることが完成度を上げる秘訣
COVER STORYに登場した甲斐雅之、野津雄太両氏は、昨年12月にデュオコンサートを開催し、すばらしい演奏で観客を魅了した。その演奏は音色、ヴィブラート、音の処理、そして音楽性とどれもがクオリティの高いものだった。普段はオーケストラの首席奏者として活躍している二人が、デュオの完成度を上げるために何に気を配ったのか、話を訊いた。
写真:橋本タカキ

“聴く”ことの大切さ
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まずはデュオに限らずアンサンブルをするときに大事にしていること、気をつけていることを教えてください。
野津
COVER STORYでも話しましたが、周りの人がどんな考えを持って音楽をしているかを尊重して聴き取るように務めています。ただそれだけだと遠慮しすぎてしまうこともあるので、「自分はこの作品に対してこう思います」ということを音で共演者に伝えられるように注意しています。
甲斐
聴くことが大切になりますね。感覚的な問題になりますが、聴くことで相手のやりたいことを察知する、雰囲気を察すること、これが一番だと思います。例えばソロを吹いている人がいて、自分は内声で支えている、というのを瞬時に察知しなければいけません。その上で野津さんが言うように、自分から発信していくことが必要です。そうしていくとアンサンブルを楽しめるのかなと思います。
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先日のデュオコンサートでのお二人の演奏は、音色、ヴィブラート、音の処理などすばらしくて感動しました。特に音色が同化していることに驚いたのですが、デュオを演奏するときに二人の音色の方向性は合わせる必要はありますか?
野津
二人の音色は当然違いますから、どちちかに合わせる必要ないと思っています。ただオーケストラでも感じることですが、何度かリハーサルを重ねていくと、このフレーズは「こういう響きがする」と感じてくることがあります。それは共演者の音色の合計値とでもいいましょうか。先日のコンサートでは甲斐先生の音色に石橋さんのピアノが入ると、「こうなるだろうな」というのを計算して吹きました。ですから音色を合わせることに固執する必要はないと思います。
甲斐
僕も最初は違う音色でいいと思います。音色よりもむしろ音のバランスのほうが大事ですね。ただ結果的に音色が似てくることはあります。
オーケストラでずっと演奏していると、指揮者が違う音色を要求するときがあります。それには意味があって要求されるのですが、我々はそれに応じてカメレオンのように七変化しています。アンサンブルでも音色を寄せることもあれば、 あえて 寄せないほうが面白いなということもあります。ですからデュオ の ときに最初から音色を寄せることを考えずに、まずはそれぞれのみなさんの音色でまず吹いてみて、曲やフレーズに応じて相手と相談する、というその気持ちだけで変わってくるでしょう。音色だけでなくヴィラートもそうです。もっともヴィブラートの数を合わせるのはナンセンスだと思いますが。
非科学的ですが相手のことを察知しようとする気持ちを持つことがスタートですね。それで結果的に自然に合ってくるものではないでしょうか。
オーケストラでずっと演奏していると、指揮者が違う音色を要求するときがあります。それには意味があって要求されるのですが、我々はそれに応じてカメレオンのように七変化しています。アンサンブルでも音色を寄せることもあれば、 あえて 寄せないほうが面白いなということもあります。ですからデュオ の ときに最初から音色を寄せることを考えずに、まずはそれぞれのみなさんの音色でまず吹いてみて、曲やフレーズに応じて相手と相談する、というその気持ちだけで変わってくるでしょう。音色だけでなくヴィラートもそうです。もっともヴィブラートの数を合わせるのはナンセンスだと思いますが。
非科学的ですが相手のことを察知しようとする気持ちを持つことがスタートですね。それで結果的に自然に合ってくるものではないでしょうか。
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