フルート記事 言語と踊り──それがラテン音楽を知るキーポイント
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座談会|幸枝 長澤紀仁 見谷聡一

言語と踊り──それがラテン音楽を知るキーポイント

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今号は特別号ということで、本誌の人気連載「笛奏で人~幸枝のラテン流」で執筆してくれている幸枝さんと、ギタリストの長澤紀仁さん、パーカッショニストの見谷聡一さんという、ブラジル音楽をはじめ、ラテン音楽に精通しているみなさんに収録していただいた。
今回収録した作品はラテン音楽でたくさんあるジャンルの中から、有名な曲ばかりをピックアップ。ダウンロードできる演奏音源を聴いてもらうことはもちろんだが、そのほかCDやYouTubeなどで、さまざまなラテン音楽に触れてみてほしい。

ラテン音楽には人の心をワクワクさせるリズム、メロディがある。
今回の特集でラテン音楽の扉を開けて、新しいフルートの世界に飛び込んでみてはいかがだろうか──。

ラテン音楽から音楽大学へ

幸枝さんはショーロ、長澤さんと見谷さんはブラジル音楽を中心に活動されていますが、みなさんがラテン音楽に出会ったきっかけは?
幸枝
私は音が出せるところでアルバイトをしたいなと、音楽大学に入学してから初めてしたバイトがラテンバーでした。まだラテンの「ラ」の字も知らないころです。店主がフラメンコのギタリストで、いろいろ教えてもらっているうちに、興味が湧いてレンタルCDを借りて聴くようになりました。
そのときはクラシック中心だったわけですよね。
幸枝
もちろんそうでした。そのラテンバーでは大学1年の6月には働いていました(笑)。ただ当時はまだラテン音楽で活動していくことはまったく考えていませんでした。
長澤
僕はジャズやロックを演奏していたのですが、あるお店でギタリストが辞めるので、ギタリストとして弾いてくれないか、と頼まれたのがブラジル音楽を演奏していたライブハウスでした。僕も当時はブラジル音楽の「ブ」も知らなかった(笑)。
そこで仕事をするようになりましたが、毎日まったく知らない曲を演奏しているうちに、のめり込んでいきました。
見谷
僕が通った高校は吹奏楽部がなくてビッグバンド部があったんですね。珍しいですけど、男子校だったから音楽系の部活を選ぶ生徒が少なかったからでしょうね。そこからはじまったので、わりと最初のころからマンボなどのラテン音楽はやっていました。ドラムを担当しないときはラテンパーカッションを演奏していたので、音楽をやりはじめた初期からその音楽に触れていたような気がします。
ラテンからはじめて、日本大学芸術学部に進学を?
見谷
そうです。何も知らないままクラシックの学校に行っちゃった。
幸枝
(普通の人の)逆パターン!
見谷
入学したらラテン楽器とか、ドラムを叩けるんじゃないんだ、と(笑)。だから本当に大変でした。ピアノの試験も受けましたし、歌ったこともないイタリア歌曲も歌ったりしました。落ちこぼれでしたけど。
なかなかないパターンですね。
見谷
ドラムなどがやりたくて、大学に入ったはずだったんですが(笑)。でも僕の先生は自由にやらせてくれたのがありがたかった。それで一層ブラジル音楽にのめり込んでいきました。もともとラテン音楽は好きでしたからね。
大学のオーケストラスタディの授業では意味のわからない言葉にもたくさん出会いました。(ベートーヴェンの)第九をオペラシティで演奏したこともありますが、前方の客席にいた知り合いが僕に手を振ってきたから、僕も手を振ったらめちゃくちゃ怒られました。「歯を見せるな!」と。ライブのノリでしたね。
幸枝さんは卒業後はラテン音楽に活動を定めたのですか?
幸枝
クラシックとラテンの両方をやっていましたね。そのうち、ラテンのほうが活動の中心になって、今はクラシックは年に3、4回ぐらい演奏する感じです。
長澤
クラシックの演奏もけっこうあるね。
幸枝
「私がクラシックを演奏するので大丈夫ですか」と10回ぐらい念を押してから受けています(笑)。山形や北海道など、現地のクラシックギタリストとやることが多いですね。
 
 

次ページに続く
・お客さんも笑顔で楽しく聴ける音楽
・華がある幸枝さんのフルート
・ずっと共演NGだった二人
・削ぎ落として魅力を前面に
・大きくリズムに乗ること

 
 

 Profile

 

〜笛奏で人〜♪幸枝♪
http://yukie-fue.sakura.ne.jp/index.html

上野学園大学音楽学部卒業。東京コンセルヴァトアール尚美ディプロマコース修了。フルートを崎谷直、野口龍の両氏に師事。 フルート、オカリナ、ケーナ、篠笛など様々の笛を演奏するマルチインストゥルメンタル・プレイヤー。大学在学中より、劇版演奏、数々のレコーディング、コンサートに参加。ブラジル音楽においては、3度の渡伯。ショーロをベースにオリジナルな音楽を展開中。また、子ども向けの企画では、笛&歌のお姉さんとしても活動。笛を携え、全国を奏でながら歩いている。 ’99年、1stアルバム「I LOVE BOSSA」、「Sentimental city」、 ’02年、2ndアルバム「私の夏/ E MEU VERAO」、’06年、リオデジャネイロ録音のサードアルバム 「AMOROSA」などをリリース。著書としては、フルート教本「あっという間にフルートが吹けちゃった」(シンコーミュージック)、オカリナとギターによるアルバム「ハローウォルフガング」(DCM)、「はじめてのオカリナレッスン」(ドレミ出版)フルート教本「フルートが上手くなる方法」(自由現代社)などを発売。’17年3月 DuoユニットCuculeの結成10周年記念アルバムをフルート編、オカリナ編とダブルリリース。オカリナ専門雑誌Ocarina(アルソ出版)に、「幸枝のラテン流」を連載中。

 
 

長澤紀仁(ながさわ のりひと)

大学在学中よりプロギタリストとして活動開始。様々な音楽経歴を経て80年代にブラジル音楽に出会い、そこに自らのメインフィールドを展開。2006年、Durval Ferreiraのプロデュースでブラジルデビュー。日本のブラジル音楽界を代表するギタリストである。これまでに鈴木重子、故・中島啓江、noon、葉加瀬太郎、岩崎宏美、島田歌穂、故・すがはらやすのり、西岡たかし、hiro(ex:Speed)、渡辺真知子、chie、吉田和雄、Wilma de Oliveira、Lica Cecato、柏木広樹、大澤誉志幸、等数多くのミュージシャンのライブやレコーディング、アレンジに参加。「もにじん」「PANDRUM」「Três Passarinhos」などのユニットに参加。エレクトリック・ギターを弾いて、懐かしの昭和歌謡~ポップスの「鶏さまKings」にも参加。ボサノヴァ・サンバ系のヴォーカリストのサポートも数多く務める。また、直感性と論理性が同居した音楽レッスンも好評! 公式ブログ:http://jinjinviolao.seesaa.net/

 
 

見谷聡一(みたにあきかず)

東京都出身。日本大学芸術学部音楽学科打楽器科専攻。同大学院の舞台芸術専攻卒。パーカッションとドラムのハイブリッド セットをはじめ世界中の様々な打楽器やリズムを駆使し、変幻 自在なパフォーマンスでキッズからお年寄りまで魅了する打楽人。ライブシーンをはじめテーマパークや大道芸、全国の小中学校、国立能楽堂での講演、果てはタモリ倶楽部まで爪痕を残す。ブラジルの打楽器「パンデイロ」の演奏、研究、普及に力を注ぎ、老舗打楽器店JPCにて2011年よりワークショップを開講。延べ1000人以上の弟子を輩出(弟子には木村拓哉氏や浅野忠信氏が在籍)。「明るく、楽しく、わかりやすく」をモットーに音楽の楽しさ、リズムやグルーヴの奥深さを伝えながら世を渡り歩いている。

 
 
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