フルートは私の情熱。そして、私自身を表現する手段で“幸せな人生”の“鍵”

ええ、前回のインタビューから時間が経ちましたね。色々変化はありましたが、変わっていない部分もあるなって思います。今も変わらず大好きなバンベルク交響楽団で楽しく演奏しています。本当に大好きなオーケストラで、自分の役職も気に入っていますし、このコミュニティの一員でいられることは本当に光栄で感謝しています。そしてもちろん、14年間オーケストラで演奏していると、経験も増え成熟していきます。まったく新しい楽曲を演奏するだけではなく、すでに知っている曲も、違う指揮者と共演して新しい刺激を受けることもあります。新しいアイデアが生まれ、曲をもう一度演奏するたびに、頭の中に何が起こっているのかを聴くためのリソースが増えるので、視野が広がります。これは本当に素晴らしく、本当に楽しいことです。『オーケストラ』という場はこういう経験ができる場なんです。
オーケストラ以外では室内楽もやっていて、今は木管五重奏団で演奏をしています。
この木管五重奏団は元々10年ほど前から活動していましたが、フルート奏者が辞めざるを得ないタイミングとは知らず、私はたまたま五重奏団の木管楽器奏者の何人かを既に知っていたので、一度ゲストで呼ばれ客演したんです。このゲスト演奏で参加した時はとても楽しくて、この木管五重奏団のフルート奏者のことを羨ましく思ったほどでした。ですから、私にとってはまったく予想外のことでしたが、この2週間後にこのフルート奏者がこの団を去ってしまい、そのことを私が知り「もしフルート奏者を探しているなら私が一員になりたいです！」とお伝えしたのです。それ以来、私はこの木管五重奏団の一員です。彼らも私と一緒に演奏するのを心から楽しんでくれています。
バンベルク交響楽団は私にとって「音楽の家族」なのですが、オーケストラ以外にも「音楽の家族」がいるのは嬉しいですね。木管五重奏はいわばオーケストラの最高峰のようなもので、他の木管楽器奏者(特にオーケストラの首席奏者)と演奏して音を溶け合わせたりするのが大好きです。この木管五重奏はまさにそれを実現しているんです。
ほかの演奏家も皆、才能豊かで素敵な人たちで、一緒に演奏するのはとても刺激的です。年齢も近く、音楽の役職も同じような、ドイツ国内の違うオーケストラに所属する演奏家が集い、友情を育み、音楽、人生の経験を共有できることもとても刺激的ですし、本当に感謝しています。
教師としてはドイツ・ニュルンベルク・アウグスブルク音楽大学で2014年から2022年教えていました。現在はその役職からは離れています。しかしながら、マスタークラスや特別講座で充実の時間を過ごしています。