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才能のあるなしにかかわらず、努力を続けることの大切さ

THE FLUTE 143 Cover Story|サンドリーヌ・フランソワ

フランス国立ストラスブール管弦楽団で首席フルート奏者を務める、サンドリーヌ・フランソワさん。2月末から3月にかけ、大阪・東京でのコンサートとマスタークラス開催のため、初来日した。かつてフランスでレイモン・ギオー氏に学んだ藤田真頼氏とは当時から交流があり、その縁で今回のコンサートでも共演、またインタビューの通訳も藤田氏に引き受けていただいた。
日本での活動歴がなく、その素顔がベールに包まれていたフランソワさんだったが……二人のお子さんのお母さんでもあり、パイロットの顔を持ち(!)、さまざまなことにアンテナを張り巡らすアーティストの姿を見せてくれたインタビューとなった。
通訳・翻訳:藤田真頼、写真:土居政則、取材協力アトリエ・ソノーロ

田舎で育ったことへのコンプレックス

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フランソワさんは今回が初来日だそうですが、日本の印象はいかがですか?
フランソワ(以下 F) 
日本文化には以前からとても興味がありました。尺八の音や、福島和夫の『冥』などからは、フルーティストとして必然的にインスピレーションを感じます。でも、そういうものを知ったのはある程度の年齢になってからなので、実際には日本のことはあまり知りませんでした。
今回、京都や奈良、東京では新宿御苑も訪ねましたが、日本庭園は自然を生かしてできていることがまず素晴らしいと思いました。そういうことは知識として知ってはいましたが、実際に見たら、想像以上の美しさでした。日本の街並みは、建物はみんなモダンで新しいけれど、そのすぐ近くに伝統的な、お寺や神社などが保存されているということがとても素晴らしいと思いました。日本に来て景色に触れたり街を歩いたりしたことで、武満徹、平義久、福島和夫など日本の作曲家の音楽が、よりわかったような気がします。日本の“禅”という意識は、ヨーロッパでいう瞑想などに比べて、より深い意味があるということも知りました。
それから、日本の人々の優しさにも心打たれるものがありました。道に迷ったら必ず誰かが助けてくれるし、ヨーロッパでは考えられない治安の良さを感じました。日本料理も大好きなのですが、ストラスブールにいくつかある日本料理店には、たいてい寿司と焼き鳥しかありません。日本に来てその食文化のバリエーションの豊かさに驚きました。特にスキヤキとか(笑)。本当においしくてびっくりしました。
サンドリーヌ・フランソワ
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東京と大阪でコンサートを開かれますね。ひと足先に大阪公演を終えられましたが、感触はいかがでしたか?
F
私にとって、日本で演奏すること自体が憧れであり、夢のようなことだったのです。大阪のムラマツホールはとても響きの良いホールで、皆さんも温かく迎えてくれましたので、リラックスして演奏できました。プログラムも、私がやりたかったフランス音楽でまとめて、すごく満足のいくコンサートだったと思います。(次のページに続く)

次のページの項目
・唯一無二の「完全なフルーティスト」
・「今までとはちょっと違う」感覚で選んだ楽器
・ONLINE限定:Concert review

Profile
サンドリーヌ・フランソワ
サンドリーヌ・フランソワ
Sandrine Francois
ストラスブール管弦楽団首席フルート奏者、ストラスブール音楽院教授。フランス国立ナンシー音楽院、パリ国立高等音楽院のフルート科、室内楽科を首席で卒業。室内楽、ソリストとしても同オーケストラを中心にフランス各地で公演している。師であるレイモン・ギオーの作品のCD「Bluesy Prelude」等録音活動も多数行なう。これまでに、フルートをピエール・イヴ・アルトー、ミシェル・デボスト、レイモン・ギオー、室内楽をクリスチャン・イヴァルディ他の各氏に師事。
http://www.flutesolo.fr

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