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アラン・ダミアン 現代の音楽に欠かすことのできない楽器、それがクラリネットです

The Clarinet vol.71

ピエール・ブーレーズ、エリオット・カーターなど現代音楽の有名な作曲家たちから深く信頼され、数々の作品を初演したことで知られるのがアラン・ダミアン氏だ。今もマスタークラスで世界中を回り、現代音楽の真髄を広めている。クラリネット界の新時代を築いたといわれるダミアン氏の幅広い活動を支えるのは、音楽に対する鋭い洞察力と、優れた作品を次の世代に受け継いでいくという強い思いだった。
通訳:前里亜夕美 協力:綱場千晶(クラリネット奏者)

 

初めて吹いた時「自分の世界を見つけた」と思った

音楽を始めたころのことを教えてください。
アラン・
ダミアン
(以下D)
8歳の時です。フランスの港町カレーの音楽院に入学し、ピアノ、コントラバス、そしてクラリネットを始めました。学校でソルフェージュの授業を受け、とても興味を惹かれ、面白いと思いました。同じ学校の友だちは、音楽は好きだけれどソルフェージュは嫌いという人が多かった。でも私にとっては、音符や記号など出てくるものがすべて新しいものだったし、それらの意味をすぐに理解することができました。
なぜ、クラリネットを始めようと思ったのですか。
D
よくわかりません(笑)。学校で初めてクラリネットを吹いた時、何かが目覚めたような感覚があった。本当に素晴らしいものがここにはある、自分の本当の音の世界をやっと見つけられたという思いでした。クラリネットを持って家に帰り、母や兄弟に「聴いて、聴いて!」と言いました。それは10年後や20年後になってやっと説明できるような感情だったのです。それから音楽をもっともっと学びたくなり、16歳の時にパリ国立高等音楽院のクラリネット科に入学しました。調性について勉強したり、移調したりすることのすべてがとても楽しかった。そして2年後にはバリ国立高等音楽院を卒業しました。

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・大プロジェクト開始を知りオーディションに参加
・偉大な作曲家たちと過ごしたコンタンポランの40年間
・すべての作曲家がクラリネットに興味を持っています

 


アラン・ダミアン Alain Damiens
パリ国立高等音楽院でクラリネットと室内楽を学び首席で卒業後、アンサンブルグループ"Pupitre 14"に参加。その後、ストラスブール・フィルハーモニーオーケストラの首席クラリネット奏者として活躍する。1976年より、ピエール・ブーレーズ氏によって結成された現代音楽グループ「アンサンブル・アンテルコンタンポラン」に所属。1985年にブーレーズ『二重の影の対話』を、1997年にエリオット・カーター『クラリネットのための協奏曲』を初演。他にもフィリップ・フェネロン、フランコ・ドナトーニ、カールハインツ・シュトックハウゼン、ヴィンコ・グロボカール、ベリオなどの作品を初演。ストラスブール音楽院とパリ郊外のオーベルヴィリエ・ラ・クルヌーヴ地方音楽院の教授を務め、マスタークラスの講師として世界中を回っているほか、ミクローシュ・ペレーニやタベア・ツィンマーマンとも共演している。メシアン『時の終わりへの四重奏曲』、ブラームスのクラリネット作品全集、ベリオ『セクエンツァ』、彼に捧げられたカーター『クラリネット協奏曲』など録音も数多い。1995年から、ピアニスト、マウリツィオ・ポリーニが企画する “ Projetto Pollini ” に参加。モーリス・ベジャール・バレエ団とのコラボレーション等、現在も幅広い活動を続けている。




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