クラリネット記事
The Clarinet vol.75

土井徳浩が伝授 ジャズの演奏教えます!

掲載楽譜の参考演奏でカッコいいジャズを聴かせてくれたのが、ジャズの第一線で活動し、現在はミュージカルのオーケストラでも活躍している土井徳浩さん。そんな彼にジャズの演奏の仕方をレクチャーしてもらうとともに、75号に掲載した4曲の演奏アドバイスをもらった。

アイドルはエディ・ダニエルズ

土井さんはジャズの本格的な演奏を始めるにあたって、どんな練習をしていましたか?
土井徳浩
(以下、土井)
幼少期にエレクトーンをやっていたのでコードの知識は多少ありましたが、当時は何をしたらいいのかまったくわからなかったので、とりあえずベニー・グッドマンを5曲くらい耳コピして練習しました。ただ鳴っている音を書き起こすだけでしたけどね。でも、コピーして吹けるようになるとだんだん楽しくなっていきました。
ジャズの理論を知らない学生が、ジャズを演奏するにあたって必要なこと、意識しないといけないことは?
土井
当然スウィングして吹くという練習は必要になってきますが、最初はスウィング感も含めてプレイヤーの演奏を真似ることですかね。管楽器はどうやってスウィングして吹くか、どうやってしゃべる(発音する)かが、とても重要になってくるので、アドリブだけじゃなく、アーティキュレーションとかノリなども真似できるようになれば、ジャズっぽく聴こえると思います。そういう部分から入ったほうがいいし、ジャズの演奏を楽しむことができます。ジャズの理論などは、そのあとでいいと思いますね。
土井さんがジャズ・クラリネットを始めたころのアイドルは?
土井
決定的なアイドルになったのはエディ・ダニエルズです。彼の演奏を聴いたとき、雷が落ちた感じで「これをやりたい!」と思いました。それまではベニー・グッドマンなどのトラディショナルなジャズしか知らず、いわゆるオールドスタイルではないジャズ・クラリネットを初めて聴いたので、それがあまりにもカッコよかったのと、新しさを感じたんです。吹奏楽をやっていたら『Sing,Sing,Sing』は聴こうとしなくても耳に入ってくるだろうし、ベニー・グッドマンは有名すぎるんです。でも、それがジャズへの入口になっていると思いますけど、ジャズに興味を持ったら、ベニー・グッドマンだけでなく、バディ・デフランコ、エディ・ダニエルズ、さらにアヴァンギャルドなクラリネット奏者もたくさんいるので、いろんなプレイヤーの演奏を聴いてほしいですね。
ちなみに僕が聴いたエディ・ダニエルズのアルバムは、トランペットの同級生が部室に持ってきていたものです。GRPから出ている「デジタル・デューク」という、デューク・エリントン・オーケストラ名義のもので、ゲストとしてエディ・ダニエルズやサックスプレイヤーのブランフォード・マルサリスなどが参加していたアルバムでした。

>>次のページに続く
・「Du、Da、Du、Da」としゃべる

 

土井徳浩 Tokuhiro Doi
中高吹奏楽部で故 浜田伸明氏にクラリネットの手ほどきを受ける。高校卒業後、YAMAHA音楽院にてクラシックのクラリネットを故 内山 洋、サックスを原ひとみ、ジャズ・サックスを吉永 寿の各氏に師事。1997年、奨学金を得てボストンのバークリー音楽大学に留学。クラリネットをHarry Skoler、サックスをGeorge Garzone、Frank Tiberiの各氏に師事。 2002年帰国。2003年ノナカ・サクソフォン・コンクールに於いてジャズ部門第二位を受賞。2006~08年、季刊紙「ノナカ・サクソフォン・フレンズ」にジャズ講座を連載。2005年よりジャズ・クラリネット奏者としての活動を中心にし、首都圏を主に活動中。2011年、初リーダー作「Amalthea」、2016年「Mr. Professor's Sanctum」をD-Musicaよりリリース。2020年「ひとりごと」をQazz Recordよりリリース。サイドメンとしては、「挾間美帆m_unit」、「三宅裕司 Light Joke Jazz Orchestra 」、「羽毛田耕士Big Band」、「Grupo Cadencia」、「山田拓児 Folklore」、「広瀬未来 Jazz Orchestra」、「Tokyo Brass Art Orchestra」 等、あらゆるジャンルのユニットに参加している。アーティストのサポートメンバーとしては、MISIA Soul Jazz Big Band Orchestra、cero、水森かおり、福田こうへい等、多数参加。ミュージカルのオーケストラではマルチリード奏者としての参加も多い。主な参加作品:「Me and My Girl」、「Sister Act」、「Billy Elliot」、「サンセット大通り」、「ジキル&ハイド」、「La Cage Aux Folles」、「Anything Goes」、宝塚諸作品。監修著書に「アルトサックス ファーストステージ」、「テナーサックス ファーストステージ」(全音楽譜出版社)。

 


【収録楽曲】
『Lullaby Of Birdland』
『Everything Happens To Me』
『Star Eyes』
『Lotus Blossom』


The Clarinet vol.75 連動音源ダウンロード

土井徳浩さんが演奏する『Lullaby Of Birdland』『Everything Happens To Me』『Star Eyes』『Lotus Blossom』演奏とカラオケ音源がダウンロードできる
*演奏音源は、制作上の都合により、3月20日ダウンロード開始とさせていただきます。
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