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第13回「何のためにリードを濡らすのか?」

リード1箱10枚を全部使えるようにするプロジェクト

リードをマウスピースに取り付ける際に必ず「ひと舐め」しますよね。リードは乾燥した状態のままでは音色がガサガサしてしまい、良い響きが得られません。そこで「ひと舐め」すると、潤いのある艶やかなクラリネットの音色が生まれます。この時、リードには何が起きているのか?……を考えてみました。

 

講師 木村健雄さん

こんにちは、木村健雄です。 9月30日(2012年)の「リード調整クリニック」は台風のなか遠方からの受講生もいらして、盛会のうちに第一回を終えました。参加者はクラリネット奏者、サックス奏者が約半々で、初心者からシルバー世代まで幅広い年齢層の方々にお集りいただきました。特にサックスの皆さんは今までリードを削るという経験があまりなかったようで、その変化に大変驚かれていたのが印象的でした。皆さんプロが作るリードにとても満足されて帰路につかれた様子で、大成功に終わりました。ありがとうございました。アシスタントでサックスを吹いてくださった森山宙香さん、お疲れさまでした。当日、運悪く参加できなかったプロ奏者から「次はいつやるの?」との問い合せが殺到しております。まだ日時などは検討中ですが、どうぞ次回をお楽しみに。

(The Clarinet vol.45発売当時のまま掲載しています。)

 

何のためにリードを濡らすのか?

● リードと水分の相関関係

真新しいリードを箱から出して試奏する際、リードメーカーのホームページなどを観ると、一度水に浸して……等、濡らしてから吹くように指示されています。ところが、新しいリードというのは水分の吸収が早く、すぐに柔らかくなり過ぎ、「つまる」あるいは「バテる」状態になってしまいます。そのために、初日は5分、翌日は10分と吹いては乾かし……を繰り返し、徐々に吹く時間を延ばしていって一週間くらいかけて安定した状態に持っていく作業が必要でした。これは、こうすることによって繊維が締まり固くなり、水分をあまり吸収しない状態になるのを待っていることになります。オーボエやファゴットなど、ダブルリードの人たちは、リードをしっかり水に浸けて水分を充分に含ませてから使うことがよくあるようですが、シングルリードにおいては水分を含ませて材料を柔らかくし、振動しやすくさせているわけではないことになります。

▶︎次のページに続きます。
・それぞれの工程の注意点




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