フルート記事
THE FLUTE vol.193 Close Up

沖縄の心を紡いだアルバム「LEQUIO HISTORIA II」をリリース

沖縄を拠点にジャズフルート奏者として活躍している西仲美咲さん。この3月に前作に続く沖縄の歌を紡いだ「LEQUIO HISTORIA II」をリリースした。沖縄の人々に親しまれ、喜びにも悲しみにも寄り添ってきた沖縄の音楽を余すところなく伝えたアルバムについて訊いた。

メロディをシンプルに伝えるために

THE FLUTEは久しぶりの登場ですね。今回リリースされたアルバム「LEQUIO HISTORIA Ⅱ」のコンセプトを聴かせてください。
西仲
アルバムタイトルはラテン語で“琉球人の歴史”という意味です。琉球の先人たちや音楽を歌い継いだ人々への感謝や尊敬が原点で、私も沖縄の音楽を未来に託す一員になりたいというのがテーマになっています。
収録されているのはすべて沖縄の作品ですか?
西仲
『マブリウタ』(護り唄)は私のオリジナル作品です。この曲は琉球音階は使っていません。もともとは、12年前の東日本大震災のときに『Pray』(祈り)という曲を作ったのですが、その曲を今回アレンジし直しました。“まぶり”というのは“守護”という意味です。護るという言葉には「国を護る」「土地を護る」という意味があり、それに“唄”がついて、子守唄という意味になります。“Pray”よりも意味合いを広くして、“沖縄を護る”という意味でタイトルをつけました。
それ以外の作品は沖縄の民謡や唱歌のように親しまれている作品です。
今回フライヤーには、楽曲解説も書かれていますが、とても参考になります。
西仲
沖縄音楽は、沖縄にいれば当たり前にあるものですが、本土の方には馴染みがない曲も多いですから、みなさんにわかっていただくために説明をしたかったんです。
収録ではもともとのメロディを崩さずに演奏しました。原曲のメロディを活かすようにアレンジをしました。そのほうが、歌詞の内容やメロディがより伝えられると思ったからです。

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・沖縄のメロディを大切に
・海外へ移住された方々にも沖縄の音楽を届けたい

Profile
西仲美咲 Misaki Nishinaka
2004年より東京にてジャズの演奏をはじめる。ジャズフルートを井上信平氏に師事。これまでに東北関東大震災支援チャリティーコンサート「What a wonderful world in Okinawa」や首里城火災による復建支援ライブやコロナ禍での病院での慰問ライブに出演。現在も沖縄を主にライブ活動を展開中。
www.misaki-nishinaka.com
 
 
西仲美咲CD「LEQUIO HISTORIA Ⅱ」
【SWCDー002】Switch Records
[演奏]西仲美咲(Fl)、竹内大輔(Pf)
[収録曲]迎果報(んけぇーがふう)、芭蕉布(ばしょうふ)、ヒヤミカチ節、だんじゅかりゆし、童神(わらびがみ)、えんどうの花、二見情話、マブリウタ(護リ唄)、めでたい節、安里屋ユンタ、赤田首里殿内(あかたすぅんどぅんち)
 
CD発売記念コンサート
[出演]西仲美咲(Fl)、竹内大輔(Pf)
〈東京〉
[日時]4/14(金)19:00開演
[会場]南青山MANDALA
[料金]¥3,000+ドリンク別
[問合せ]キョードー東京 0570-550-799

〈沖縄〉
[日時]6/17(土)17:00開演
[会場]那覇文化芸術劇場 なはーと 小劇場
[料金]¥3,000
[問合せ]ピーエムエージェンシー098-898-1331
 
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