2017年8月26日(土) Generalstore MIKAWAYA(東京・三軒茶屋)

西仲美咲&竹内大輔 10th Anniversaryライブ

[出演]西仲美咲(Fl)、竹内大輔(Pf)
[曲目]てぃんさぐぬ花(沖縄民謡アレンジ)、赤田首里殿内(沖縄民謡アレンジ)、One Note Samba、だんじゅ かりゆし(沖縄民謡アレンジ)、aka is. funky(オリジナル)、ちんぬくじゅーしー(沖縄民謡アレンジ)、西武門節(沖縄民謡アレンジ)、チョンダラー(沖縄民謡アレンジ)、Bird Rhythmaniac(オリジナル)~安里屋ユンタ(沖縄民謡アレンジ)
アンコール:The Colorado Trail、谷茶前(沖縄民謡アレンジ)

西仲美咲,竹内大輔

過ぎゆく夏を惜しむかのような暑さが続く8月末。それでも日は確実に短くなり、18時を過ぎたらとっぷりと夕暮れである。三軒茶屋の商店街を抜けた先、住宅街の端に佇むダイニングGeneralstore MIKAWAYAからは、いましがた始まったフルート演奏の音が微かに聞こえている。
満席の店内でテーブルについた人々の目と耳の先で演奏するのは、フルートの西仲美咲とピアノの竹内大輔。この日のライブは、西仲と竹内が一緒に活動するようになって10周年という節目を記念して開かれた。

沖縄生まれ・沖縄育ちのフルーティスト西仲美咲が奏でるのは、沖縄音楽をジャズのテイストにアレンジしたオリジナルの音楽だ。古くから沖縄に伝わる民謡が、西仲のフィルターを通してジャズに生まれ変わり、竹内が生み出すアドリブに乗って放たれる。ジャズの分野のみならず幅広く活動するピアニスト・竹内大輔と初めて会った日にその音を聴き、「一緒にやるならこの人だ!」と思ったと西仲は語る。その日から10年、これまでにリリースした3枚のCDアルバムも「入っているピアノの音は全部”大ちゃん”」。その信頼感はもちろん音にも表れる。超絶技巧のピアノに乗せてもフルートの調べがどこまでもやさしいのは、互いのアドリブが“応酬”ではなく、沖縄の響きを大切に運ぶやりとりだからだろう。

THE FLUTEでの連載「吹風ぬ音」をこの8月に終えた西仲が、最後に誌面で紹介したレッスン曲がTHE BOOMの『島唄』だった。作詞・作曲を手がけた宮沢和史は、この歌にかつての沖縄戦に対するさまざまな思いを込めたこと、沖縄出身でない自分がそんな楽曲をリリースすることへの葛藤などを語っているが、それについても西仲は連載の最後でさらりと触れた。またこの日のライブでも、終戦記念日の8月に最終回を迎えるという偶然があり、迷いながらもかつて沖縄であった出来事について最終回で書いたこと……などをMCで話していた。
もっとも「泣きそうになってうまく話せなかった」とのことで、後日、自身のブログにこんなふうに記している。
“沖縄が観光地としての華やかな部分だけではなく、平和を願う場所になってほしという思いを込め書きました。”
“私という人間は沖縄生まれ、沖縄育ちで、あの島で育ったからこそ、今の音楽スタイルがあるわけです。生きる喜びや祈り、命を祝うような沖縄の音楽。その理由は歴史と共にあります。”

素晴らしい音楽を純粋に楽しめる喜び――そんな時間が続いていくことを、これからもずっと、そしてそっと願う。

 

カジュアルダイニング Generalstore MIKAWAYA

〒154-0004 東京都世田谷区太子堂2-8-11 モアナハウス1F   Tel:03-5779-6939

◆読者プレゼント◆
西仲美咲さんのCDアルバム「Lequio Historia ―レキオヒストリア―」を、2名様にプレゼントします!
ポルトガル語でレキオは琉球、ヒストリアは物語。故郷沖縄を愛し、自然を愛し、人を愛する気持ちで完成したアルバム。

<収録曲>  ちんぬくじゅうしぃ/西武門節/月ぬ美しゃ/夜間飛行 /大村御殿 /Makes Me…/わかりがなさ/KAJADIFU 

こちらでも紹介していますhttps://www.youtube.com/watch?v=T8WGio58qZA
応募はこちらから(応募締切:9/30)
https://www.alsoj.net/login.html?done=https://www.alsoj.net/enquete/entry/100.html
※ご応募いただく際、アルソオンラインへの会員登録(登録無料)が必要となります。



フルート奏者カバーストーリー