フルート記事 フルート奏者がつなぐ日本と台湾の絆 両国でコンサートを開催
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THE FLUTE vol.207 特別座談会

フルート奏者がつなぐ日本と台湾の絆 両国でコンサートを開催

ARTIST

さかはし矢波氏率いる東京SDGs吹奏楽団のフルートメンバーと、台湾のフルート奏者3名によるコンサートが日本と台湾で開催され、大成功を収めました。
この企画のきっかけは、台湾の大学で客員教授を務めるさかはし氏と洪敬婷さんによるアンサンブルコンサートでした。日本公演直前に出演者が集まり、座談会を行ないました。

翻訳:村井睛(フルート奏者)

2年前から始まったプロジェクト

今日は日本公演の前にお時間をいただきありがとうございます。まずは自己紹介からお願いいたします。
洪敬婷
(以下 ホン)
 皆さま、こんにちは! 私は台湾のフルート奏者、洪敬婷(ホン・ジンティン)です。
 今回で日本での演奏は5回目となります。私は日本が大好きで、日本の皆さんが台湾のことも好きだと嬉しいです。これからも日本で演奏する機会を作れたら嬉しいです。
 
邱琬鈞
(以下 ジウ)
 こんにちは、私は邱琬鈞(チョウ・ワン・ジウ)です。
 台湾のフルート奏者で、台北市立大学修士課程を卒業し、現在はYAMAHA音楽教室で講師を務めています。そして、ホン先生の生徒です。日本の文化が好きなので、少し日本語を話すこともできます。今回のコンサートで、聴衆の皆さんに気に入っていただけるような美しい音楽をお届けしたいと考えています。
 
賴韻帆
(以下 ライ)
 こんにちは、賴韻帆(ユン・ファン・ライ)です。
 台北芸術大学でフルート演奏の修士課程を修了し、現在は演奏活動のほか、フルートとピアノの指導も台北の音楽センターでしています。日本で演奏するのは今回が初めてです。私は今回来られなくなった奏者のピンチヒッターで来日しました。急なお話だったので少し緊張していましたが、それ以上に共演者の皆さんと一緒に演奏できることをとても嬉しく思っています。日本に旅行するのがとても好きです。素晴らしい所ですし、居心地が良いですね。抹茶とラーメンが大好物です。
 
さかはし矢波
(以下 さかはし)
 僕が台湾に初めて行ったのは25年前でした。本来はその前年に訪れる予定でしたが、SARSという感染病が流行り、すべてキャンセルになりました。僕は非常に落胆して、コンサートやマスタークラスの予定が入っていたところすべてにお詫びのメールを送りました。そのうち一箇所から「ぜひ来年来てください」とお返事があったのです。それから台湾との交流が始まりました。台湾の友人も増え、音楽家冥利に尽きます。オーケストラで海外公演は行けますが、ソロではなかなか行けるものではないんですね。それが台湾で初めて実現したことで、音楽をやっていて本当によかったと思いました。今回台湾のみなさんをお招きできて嬉しい限りです。
 
栗田智水
(以下 栗)
 栃木県茂木町の出身で、宇都宮大学を卒業後、パリ・エコール・ノルマル音楽院、フランス国立オルネー=スー=ボワ音楽院を修了し、帰国後宇都宮大学大学院を修了しました。現在は宇都宮市在住で、国内外での演奏活動やコンサートプロデュース等を行なうほか、宇都宮短期大学音楽科および附属高校音楽科で教鞭をとっています。台湾での演奏は2016年に台北国際フルートフェスティバルに出演させていただいて以来2回目で、今回の公演が決まってからの約1年間、とても楽しみにしていました。さかはしさんとは栃木繋がりで、20年以上前から色々な機会をいただき、お世話になっています。2人とも“とちぎ未来大使”を務めており、そのご縁もあって、日本公演は宇都宮で開催することとなりました。地元に皆さんをお迎えできて嬉しいです。
 
金田桃子
(以下 金田)
 私も宇都宮市出身で、武蔵野音楽大学を卒業しました。さかはし先生には、中学3年生から指導していただいたのですが、そのきっかけが『THE FLUTE』でした。先生の東京でのソロリサイタルのお知らせがカラー1ページで掲載されていました。当時からラジオのパーソナリティをされていたので、さかはし矢波さんという栃木県出身のフルート奏者がいると知っていた私は、早速そのコンサートに行きました。そして、「弟子にしてください!」と直談判して、今に至ります(笑)。それからというもの、さかはし先生には大変お世話になっています。みなさんと楽しい時間を過ごしていることが今日のインタビューで伝わればいいなと思っています。
 
冨田朗子
(以下 冨田)
 私は国立音楽大学、東京音楽大学大学院で学びました。最初に師事した先生がオーケストラ奏者で私も同じような仕事がしたいなと思いながら頑張ってきました。さかはしさんとの出会いは、私がとある公演にエキストラに行った時のことでした。それは第九のコンサートで、私のピッコロデビュー。その時の指揮者がプロのオケマンであるさかはしさんだったのです。できるだけ目を合わせたくない、怒られるんじゃないか、などと思い、リハーサル中は避けて過ごしていました(笑)。本番直前にステージ袖で待っている時にさかはしさんがこちらに寄ってきた時には「ついに怒られる!」と思って振り返ると……「次の機会にエキストラで来てほしいから、後で名刺をください」と。「あれ?もしかして、いい人?」と思いました(笑)そこから東フィルに呼んでいただけるようになり、東京SDGs吹奏楽団のメンバーにも入れてもらいました。あの時の第九がなかったら私は今ここにはいなかったと思います。
 

次ページにインタビュー続く
・特別な時間を過ごした台湾公演
・難しいものにチャレンジするエネルギー
・[REPORT]日台交流フルートアンサンブル 交流会

 
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