フルート記事 楽譜から飛び出して、 もっと自由に!フルートとギターで奏でる“本当のタンゴ”の魅力
  フルート記事 楽譜から飛び出して、 もっと自由に!フルートとギターで奏でる“本当のタンゴ”の魅力
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THE FLUTE vol.214 特別座談会│池田さく子×レオナルド・ブラーボ×喜多直毅

楽譜から飛び出して、 もっと自由に!フルートとギターで奏でる“本当のタンゴ”の魅力

ARTIST

ピアソラの作品はフルート奏者にも広く親しまれているが、アルゼンチン・タンゴには、それ以前から人々に愛されてきた数多くの名曲がある。しかし、いざフルートで演奏しようとすると「楽譜がない」という大きな壁が──。そんな状況に一石を投じるのが、タンゴ・ヴァイオリニストの喜多直毅の編曲による「フルートとギターのためのタンゴ名曲集 vol.1」だ。アルゼンチン出身のギタリスト、レオナルド・ブラーボとフルーティストの池田さく子、そしてタンゴを長年探究してきた喜多が集まり、曲集誕生の経緯から、アルゼンチンに根づくタンゴ、そして「楽譜通り」だけではない演奏の楽しみまで語り合った。

 

「一緒に演奏したい」から始まった3人の縁

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まず、皆さんの出会いから教えてください。
喜多
ブラーボさんとは2008年だったと思います。バンドネオンの小松亮太さんの呼びかけで、ブラーボさん、小松さん、僕、ベースの西嶋徹さんで全国をまわるツアーがあったんです。それ以来、ブラーボさんとはピアソラをはじめ、さまざまなタンゴを一緒に演奏しています。
池田
私は喜多さんが参加されているCDを聴いて、「このヴァイオリンは何!?」と驚いたのが最初です。それでライブへ足を運ぶようになり、喜多さんとブラーボさんの演奏も聴くようになりました。
喜多
打ち上げの席で、池田さんから「一緒に演奏したい」と言っていただいたんですよね。
池田
そうでしたね、ピアソラの「タンゴの歴史」と組み合わせるのに良いレパートリーが欲しいと思っていたところに、喜多さんのタンゴのアレンジ譜を使わせていただけることになって、「こういう楽譜があったらいいよね」という話をしていて、それが今回の曲集につながりました。ブラーボさんと初めて一緒に演奏したのは今年3月です。
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フルートとギターという編成は、オリジナル作品もそれほど多くありません。
池田
ヨーロッパの作曲家、邦人の作曲家の作品などもありますが、ピアソラの「タンゴの歴史」の存在感は大きいですよね。これと組み合わせたい伝統的なタンゴには短いメロディ譜しかないことも多く、それをどう演奏したらいいのか。クラシック奏者には即興演奏に抵抗のある方も多いですから。
ブラーボ
アルゼンチンの音楽といえばタンゴですが、日本では「タンゴ=ピアソラ」というイメージがとても強いですね。でも、タンゴの伝統的な編成にはフルートとギターもあるんです。ただ、昔の音楽には楽譜がほとんどありません。だから喜多さんが伝統的なタンゴを楽譜にしてくれたことは、とても貴重です。編曲も素晴らしいですよ。
 

次ページにインタビュー続く
・3人が感じる、それぞれの音楽の魅力
・美術史からフルートへ、
・喜多さんとタンゴ
・アルゼンチンでは「朝からタンゴ」
・なぜ「ピアソラ以外」の楽譜がない?
・タンゴは「楽譜に書けない」
・スラー一つにも「歌」がある
・楽譜は「正解」ではなくガイド

 

池田さく子(いけだ・さくこ)
フルート奏者・編曲家。
早稲田大学第一文学部史学科美術史卒業後、桐朋学園芸術短期大学および同専攻科で学ぶ。峰岸壮一、野口龍、植村泰一の各氏に師事。パリへの短期留学を重ね研鑽を積む。室内楽、オーケストラ、ライブなど幅広く活動するほか、sakuko名義でフルート三重奏の編曲も多数手がける。2020年、自身の作編曲によるCD「Blue call me」をリリース。産経学園吉祥寺校フルート講師。

 

喜多直毅(きた・なおき)
ヴァイオリニスト・作編曲家。1972年盛岡市出身。
国立音楽大学卒業後、英国LIPAで作編曲を学ぶ。その後アルゼンチンへ渡り、アストル・ピアソラの重要なパートナーであったフェルナンド・スアレス・パスにタンゴ奏法を師事。タンゴをはじめ、ジャズ、即興音楽、アラブ音楽などジャンルを横断して活動。作編曲も多数手がけている。

 

レオナルド・ブラーボ(Leonardo Bravo)
アルゼンチン出身のギタリスト・作曲家。国立ロサリオ大学芸術学部音楽学科修了。
南北アメリカ、ヨーロッパなどで演奏活動を行ない、2003年来日。クラシックからアルゼンチン・タンゴ、フォルクローレまで幅広いレパートリーを持つ。2010年にはレオナルド・ブラーボ・タンゴ楽団を結成。タンゴの歌詞についての講座を行なうなど、祖国の音楽文化を伝える活動にも力を注いでいる。

 
INFORMATION


曲集「フルートとギターのためのタンゴ名曲集 vol.1」

[収載曲]アンヘル・ヴィジョルド:『エル・チョクロ』
ファン・カルロス・コビアン:『酔いどれ達』
ファン・デ・ディオス・フィルベルト:『小径』
エンリケ・サボリード:『フェリシア』
カルロス・ガルデル:『思いの届く日』
[販売]村松楽器販売、山野楽器銀座店で店頭販売。
喜多直毅HP、piascore、arrange meでダウンロード販売の予定

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