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偉大な教えが混ざり合い、 自分の音楽が出来上がっている

THE FLUTE 172号 Cover Story

6月から7月にかけて来日、コンサートやマスタークラスと精力的な活動を繰り広げたミシェル・モラゲスさん。今年は盟友・工藤重典さんやかつての教え子でもあるイ・ジュヒさん、ほか多数の日本人フルーティストたちとの共演コンサートにも出演。音楽での交流を温め、充実したステージになったという。結成40年になるモラゲス木管五重奏団のこと、特別な存在だった師・ランパルのこと……フランスを拠点に世界で活躍する名手が、大いに語った。
通訳:奥田裕美(フルーティスト)、写真:標 隆司、取材協力:株式会社ヤマハミュージックジャパン
撮影場所:ヤマハホール

 

一人ひとりが素晴らしい演奏家だからこそ…

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先日は工藤重典さん、イ・ジュヒさんと、たくさんの日本人フルーティストの方々ともコンサートで共演されましたね。感想を教えてください。
モラゲス
(以下M)
工藤さんとも、日本の若いフルーティストの方々と共演できたのもとても嬉しく思いました。フルートオーケストラをバックにドップラーのコンチェルトを演奏しましたが、一人ひとりが素晴らしい演奏家だからこそ、レベルの高いオーケストラが実現したんだな、と後から理解できました。
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韓国で活躍中のイ・ジュヒさんは、モラゲスさんのかつての教え子だそうですね。
M
はい。今回のコンサートで演奏したベルリオーズ(『オラトリオ「キリストの幼時」op.25 より “若いイシュマエルのトリオ”』)は、初めて彼女をレッスンしたときの曲だったんですよ。私はそれをすっかり忘れていましたが、彼女に言われて思い出しました。それをステージで一緒に演奏することができたというのは、本当に素晴らしい体験でしたね。
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工藤さんとは、彼のフランス留学時代にランパル門下で一緒だったのですね。その時の思い出など、聞かせてください。
M
いっぱいありますよ(笑)。私は当時、14歳でした。13歳の時に初めてランパル先生のレッスンを受けに行った時、たまたま工藤さんも来ていたんです。ランパル先生と工藤さんは音楽性のみならず人間性も似ていて、まるで親子のようでした。もう40年以上も前の話ですが、この間のコンサートの時も工藤さんを見た時に、当時感じた溢れ出すようなエネルギーを思い出しました。工藤さんの演奏を聴いたり見たりすると、今でもランパル先生をすごく感じるんですよ。

次のページの項目
・兄弟のようなつながりの中で
・春の光のようなランバルの音楽
・YouTube世代に望むこと

Profile
ミシェル・モラゲス
ミシェル・モラゲス
Michel Moragues
ソロ、室内楽やオーケストラでの演奏、また指導者として幅広く活動。1989年よりフランス国立管弦楽団第二ソリストを務めている傍ら、パリ国立高等音楽院にて室内楽クラスの教授、またパリ国立地方音楽院にてフルートの指導にあたる。14歳でパリ国立高等音楽院に入学し、その2年後の1979年、フルート演奏において一位、また室内楽クラスにおいても一位を獲得。1978年にはパリ国際ソリストコンクール、1981年にはブダペスト国際コンクールで入賞。室内楽奏者として、1980年にはミシェルの兄弟であるピエールとパスカル、またダヴィッド・ワルター、パトリック・ヴィレールと共に、モラゲス木管五重奏団を結成。オーケストラではレナード・バーンスタイン、ピエール・ブーレーズ、サー・コリン・デイヴィス、シャルル・デュトワなど多数の名指揮者の元で演奏を果たす。現在は、モラゲス木管五重奏団と共に室内楽音楽祭を主宰している。

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