若手気鋭2人が指南する ビギナー脱却のための効果的エクササイズ Part 1

中山拓海がレクチャーする 初心者に役立つ練習法

ここからは、もう少し踏み込んでビギナーの上達に有効な実際の練習方法を紹介していこう。レクチャーしてくれるのは、ジャズとクラシックの各分野を代表する若手気鋭の二人だ!

 

Part1
中山拓海がレクチャーする 初級者に役立つ練習法
 
Lesson 1

良い音色について

音色は永遠の課題であり、音楽をやる上で大事な土台となります。自分がいい音を出せている時、いい音環境という条件が重なれば、インプロビゼーションの内容もより良いものになります。この時、倍音が聴こえ自身の音からインスパイアされ、いわば無双状態のような感覚さえ覚えます。僕は音色を判断する時に

(1) 豊かに響いていること
(2) 芯があること
(3) 柔らかさを伴っていること

この3つを定義として捉えています。決して高い倍音が低い倍音の支えを超えないように、エッジをたてた音の際は、低い倍音もしっかり出していきます。
まずはイメージをしっかり持つことが大事です。いいスピーカーで大きな音で好きなプレイヤーの音の姿をみて、その音を出したいと憧れてください。そして音楽の表現のために音色があることを認識していくことも重要です。時に怒りを表現することもあるでしょうし、時に愛を囁くような音楽もあると思います。それぞれの瞬間に雑音ではなく、音楽的な表現をするために、まずは地声としての、ミニマムでプレーンな音色を作ることを心がけましょう。

 

次ページに続く

登場するアーティスト
画像

中山拓海
Takumi Nakayama

1992年 静岡県富士市に生まれる。5歳よりピアノを学び、12歳の時サックスとジャズに出会う。13歳より石森管楽器店にて山中良之氏に師事。'11年 国立音楽大学ジャズ専修1期生として入学。大学にて池田篤氏、クラシックサックスを雲井雅人氏に師事。 12年度〜14年度、早稲田大学ハイソサエティーオーケストラにてリードアルトサックスを務める。第44回山野ビッグバンドジャズコンテストにて最優秀を受賞、第18回太田市大学ジャズフェスティバルにて優勝、同大会2連覇を達成'14年 飛鳥Ⅱクルーズコンサートにて小曽根真氏と共演。第45回山野ビッグバンドコンテストにて最優秀を受賞。同大会にて個人として最優秀ソリスト賞を受賞。第19回太田市大学ジャズフェスティバルにて優勝、3連覇を達成'15年 3月 国立音楽大学を主席卒業、矢田部賞を受賞。日本と東南アジア各国でのオーディション審査を経て「日本、インドネシア、フィリピン、シンガポール、タイ、マレーシア」から選ばれた28名の意欲に溢れた。若手ミュージシャンたちにより編成された多国籍ジャズ・オーケストラ”Asian Youth Jazz Orchestra”(AYJO)のコンサートマスターを務め、ASEAN5ヶ国と日本にてコンサートツアーを行なう。また1990年代生まれのジャズミュージシャンを中心とした音楽ムーブメントJAZZ SUMMIT TOKYOのディレクターを務め若手ジャズシーンを牽引する。'17年ジャズ雑誌"JAZZ JAPAN"の"2010年代に頭角を現した新鋭アーティスト60"に選出される。現在は学習院大学スカイサウンズ・オーケストラの講師も務めている。2019年「たくみの悪巧み」でメジャー・デビュー。

[CLUB MEMBER ACCESS]

この記事の続きはCLUB会員限定です。
メンバーの方はログインしてください。
有料会員になるとすべてお読みいただけます。

1   |   2   |   3      次へ>      
サックス