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「Aoyama Hidenao Clarinet Fantasy vol.8」をリリース─青山秀直

The Clarinet vol.73 Close Up

日本国内では数少ないエーラー式(ドイツ式)クラリネット奏者である青山秀直氏の、第8作目となるCD「青山秀直クラリネット・ファンタジー vol.8」がリリースされた。今作もピアニストの山口研生氏とのコンビで、名曲サン=サーンスの『クラリネット・ソナタ』などを収録。青山氏が歩んできた道のりと、今作について訊いた。

一晩で決めたプロへの道のり

まずはクラリネットとの出会いからお願いします。
青山秀直
(以下、青山)
中学1年生の吹奏楽でした。親の方針で小学生のときから剣道と習字を習っていました。剣道も好きだったのですが、身長が伸びず中学校で吹奏楽部に入部しました。中学と高校は野球で有名なPL学園で、吹奏楽部も毎年甲子園に行くことを目標としていた部活なので、花形のトランペットを希望しました。しかし音が鳴らず、小学校の同級生が黒い棒のようなものを吹いているのを見て、試しに吹いたらすぐに音が出ました。それがクラリネットとの出会いです。中学時代に行なわれたオーレックス・ジャズ・フェスティバルにベニー・グッドマンが来日して演奏している映像を見て、すごく衝撃を受けましたね。
クラシックに興味を持ったのは?
青山
吹奏楽部の顧問が、村井祐児先生のお弟子さんで大阪芸大のクラリネット専攻出身だったんです。その先生が僕が中学2年のときにアメリカに留学して、高校1年のとき帰国されてカセットテープを貸してくれました。全寮制だったから、消灯後にカセットデッキにバスタオルをかぶせてこっそり聴きましたが、それはカール・ライスターが1960年代に録音したモーツァルトとブラームスの五重奏。自然と涙が溢れてプロになりたいと思いました。
翌日には「音楽大学に行く」と高校の先生に伝えました。PL学園では管楽器で音楽大学に進学した人はそれまでおらず、私は国公立の進学クラスに入っていたので、すぐに親が面談に呼ばれました。
ご両親はびっくりされたでしょう。
青山
父親は反対しましたが、母親はやりたいことをやりなさいと応援してくれましたね。それまではピアノもやったことがなかったので、PL女子短大のピアノの先生についてバイエルから勉強しました。クラリネットは村井先生が月に1回大阪に来られていたので、レッスンを受けていました。村井先生は厳しいけれど、楽しいレッスンでした。
 

>>次のページに続く
・ベルリンへ、そしてエーラー管に
・意外と複雑なサン=サーンス

 

青山秀直 Hidenao Aoyama
1989年大阪教育大学特設音楽課程卒業。1996年ベルリン芸術大学を優秀な成績で卒業。在学中よりドイツにて南西ドイツ放送オーケストラ、ベルリン交響楽団、イェーナー・フィルハーモニーなどの客演奏者を務める。クラリネット四重奏団アンサンブル・ソノリテを結成。CDも2枚リリース。2017年までに各地でクラリネット四重奏団アンサンブル・ソノリテ「名曲コンサート」シリーズを数多く開催。カール・ライスター、ヤン・ギュンスの各氏と共演するなどソリスト・室内楽奏者として活動を繰り広げている。2013年より「青山秀直クラリネットファンタジーシリーズ」と題してCD制作に取り組む。これまでにクラリネットを濵田伸明、喜田賦、村井祐児、小川哲生、和田尚裕、四戸世紀、ペーター・リークホフ、へルナート・フェレンツの各氏に、室内楽をエヴァルト・コッホ氏に師事。大阪音楽大学、同志社女子大学、大阪府立夕陽丘高等学校音楽科、兵庫県立西宮高等学校音楽科で後進の指導にあたる。
https://aoyamahidenao.com

 

CD Information

SICX-10009
「Aoyama Hidenao Clarinet Fantasy vol.8」

【MLCD-2001】 ムジークリーベ ¥2,200(税込)
[演奏]青山秀直(Cl)、山口研生(Pf)
[収録曲]サン=サーンス:クラリネット・ソナタ 作品167、ラインベルガー:クラリネット・ソナタ 作品105a、ユオン:クラリネット・ソナタ 作品82
 



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