クラリネット記事
The Clarinet vol.75 Close Up

延期で培った経験を活かしパワーアップした演奏を─亀居優斗

東京佼成ウインドオーケストラをはじめとして、ソロ、アンサンブルと広く活躍している亀居優斗氏。The Narmen Clarinet Ensembleのメンバーとして、Clarinet ONLINEでは長く連載を続けてくれた彼が、5月29日にリサイタルを開催する。実はこのコンサートは昨年予定されていたものだが、コロナ禍により1年延期となった。1年の充電期間を経てさらにパワーアップした自分を見てほしい、と語る亀居氏に話を訊いた。

ヤバいと思って始めた本格的な練習

本誌でのインタビューは初登場ですね。まずクラリネットや音楽を始めたきっかけから教えてください。
亀居優斗
(以下、亀居)
クラリネットは中学校の吹奏楽部からですが、その前は小学校の金管バンドでトランペットを吹いていました。最初は金管バンドに入るつもりはなかったのですが、好きな女の子が入部してたので(笑)。 中学でクラリネットを始めたのは、音楽好きの母に相談したところ、オーケストラでも使われる楽器がいいのでは? ということで選びました。ただトランペット経験者でしたから、最初はトランペットになってしまって、当時習っていたピアノの先生にクラリネットを譲っていただき、無事クラリネットを吹き始めることができました。その後、市民オケやジュニアオケにも所属しました。
高校は愛知県立明和高等学校の音楽科に進まれましたね。
亀居
中学時代の部活が楽しくて、楽器で仕事ができればと考えていました。勉強が好きではなく、音楽高校に行けば授業の半分が音楽に関することだったので(笑)、好きなことをやれるのはいいなと思ったんです。両親からは“つぶしがきかないよ”と言われました。とはいってもやりたいことはすべてやらせてくれる両親でしたので、反対されることはありませんでしたね。
ところが、音楽科に進んだものの、やんちゃな高校生活を送っていました。だから東京藝術大学を目指すために練習を本格的に始めたのは、高校3年生の10月からでした。
10月! その頃になにか転機があったのですか?
亀居
日本クラリネット協会主催のヤングクラリネッティストコンクールに出たことですね。僕は同率の3位をいただいたのですが、そのときの1位と同率の3位の受賞者が中学生だったんです(笑)。
それでヤバい!と思ったんですね。のちに藝大の後輩になる1位の福井喬文くんに藤井一男先生を紹介してもらって、レッスンを受けるようになり、受験前の練習にエネルギーをかけるようになりました。藝大の受験に関しては知らなかったことが多すぎたので、そのぶん吸収できたのかもしれません。
合格した時は高校の先生からも両親からも「ほんと? 間違ってない?」と言われましたけど(笑)。
 

>>次のページに続く
・響きを意識した練習
・チャレンジ的要素の多いプログラム

 

亀居 優斗 Yuto Kamei
1995年7月27日生まれ、愛知県出身。愛知県立明和高等学校音楽科を経て、東京藝術大学を卒業。2017年度青山音楽財団奨学生、瀬木芸術財団短期海外研修奨学生。第15回クラリネット アンサンブルコンクール 一般部門 第1位併せてグランプリ。第87回日本音楽コンクール入選。第17回東京音楽コンクール第3位、併せて聴衆賞受賞。第30回日本木管コンクール 第2位。第10回日本クラリネットコンクール第2位。第19回東京音楽コンクール 第2位(最高位)、併せて聴衆賞受賞。 第90回日本音楽コンクール 第1位、併せて瀬木賞、E.ナカミチ賞受賞。読響、新日本フィル、名古屋フィルなど各オーケストラと共演を重ねる。 これまでに浅井崇子、井上京、伊藤圭、亀井良信の各氏に師事。R.ギュイオのマスタークラスを受講。The Narmen Clarinet Ensemble メンバー。現在、東京佼成ウインドオーケストラ楽団員。

 

Information

東京音楽コンクール入賞者リサイタル
亀居優斗クラリネットリサイタル

[日時]5/29(日)14:00開演
[会場]東京文化会館小ホール
[出演]亀居優斗(Cl)、小澤佳永(Pf)
[曲目]R.シュトラウス:ソナタ 変ホ長調 Op.18、ブートリー:ASUKA、ライネッケ:ウンディーネ Op.167、ブーレーズ:ドメーヌ、ベンジャミン:ラヴェルの墓 他
[料金]一般¥3,000 学生¥2,000
[問合せ]東京文化会館チケットサービス 03-5685-0650
 

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