クラリネット記事
ミシェル・アリニョン&フローラン・エオーon The Clarinet vol.57カバーストーリー

Michel Arringnon&Florent Héau ミシェル・アリニョン&フローラン・エオー

フランスのクラリネット界を代表する2人のクラリネット奏者、ミシェル・アリニョン氏とフローラン・エオー氏が、先日ビュッフェ・クランポンの創立190周年を祝して来日、デュオリサイタルを行なった。リサイタルの興奮覚めやらぬ翌朝、インタビューを敢行した。
ミシェル・アリニョンは1989年から2009年まで、ギイ・ドゥプリュの後任としてフランス国立パリ高等音楽院教授として教鞭をとった。「Tosca」の開発協力をはじめとした〈ビュッフェ・クランポン〉の専属テスターを務めている。フローラン・エオーは幼少期からミシェル・アリニョンにクラリネットを15年間にわたって学び、「エコール・フランセーズ」の伝統をまさに引き継ぐ奏者であると同時に、クラリネットアンサンブルを中心にした独自の音楽劇集団である“レ・ボン・ベック”を結成し世界中で公演するなど、既存の枠に収まらない多彩な活動を行なっている。

Michel Arringnon & Florent Héau ミシェル・アリニョン&フローラン・エオー

今回通訳を務めてくれた大阪音楽大学クラリネット・バスクラリネット講師の中村真美氏は
両氏から指導を受けた経験があり、親交も深い。2人の言葉のニュアンスをなめらかにわかりやすく伝えてくれた。
前日のリサイタルにおいて、アリニョン氏はヴィオラパートをバセットホルンで演奏する場面が多く見られた。バセットホルンに関して以下のように語っている。
「バセットホルンとヴィオラは音域が同じ楽器ですよね。なので楽器の表現力も同じように可能性があります。バセットホルンは作品が多いわけではありません。だから、ヴィオラの譜面を演奏することで表現力の可能性を見せてみたいと思って演奏しました。」
一方、エオー氏は
「(リサイタルでは)私たち二人の深い人間関係から生まれてくる表現を見せたかったのです。私たちがやりたかったことは(中略)テクニックを見せることではありませんでした。このことはとても困難なことかもしれません。テクニック的なことを見せることよりも、もっと他に大切なことがあるだろうという奥深いところを聴いていただきたかったのです。」
とリサイタルを振り返っている。
両氏の詳しいインタビュー内容は、ぜひ誌面で確認してほしい。

ミシェル・アリニョン│ Michel Arringnon
フランス国立パリ高等音楽院でクラリネット、室内楽のプルミエ・プリを得て卒業、 アメリカのミシガン大学で研鑽を積む。 1972年ジュネーヴ国際音楽コンクール第2位。 1984年から89年までパリ・オペラ座管弦楽団首席奏者。 1989年から2009年まで、ギイ・ドゥプリュの後任でフランス国立パリ高等音楽院教授として教鞭をとる。 2010年、スペイン、レイナ・ソフィア高等音楽院名誉教授に就任。大阪音楽大学客員教授、ビュッフェ・クランポン専属テスター。フランスを代表するクラリネット奏者として幅広いレパートリーを持ち、 その技術と共に、現代音楽の演奏解釈に定評があり、多くの作曲家から作品が献呈されている。活発な演奏活動と共に、数多くの録音も手掛ける。また、世界各地の講習会に招かれ、後進の育成にも情熱を傾けている。

フローラン・エオー│Florent Héau
パリ国立高等音楽院で学び、プルミエ・プリ(一等賞)を獲得し同大学院へ進む。1991年トゥーロン国際音楽コンクールで第一位受賞。ピアノのジグマノフスキと組んだエオー・ジグマノフスキ・デュオで1994年パリ国際室内楽コンクールと、1995年のFNAPEC室内楽コンクールで第一位受賞。また、ショー的な要素を取り入れた音楽カンパニー『レ・ボン・ベック』を1996年に結成。Voyage de notes(音符の旅)と銘打ったショー(クラリネットとパーカッションによる「音楽詩的なジョーク」)で、音楽とボディランゲージ(特にパントマイム)を融合させた新しい芸術的アプローチを生み出し、欧州各国で公演を行う。 現在、リュエイユ=マルメゾン国立音楽院クラリネット科教授。