ヨハネス・グライヒヴァイト
ウィーン放送交響楽団首席クラリネット奏者のヨハネス・グライヒヴァイト氏は、マウスピースとバレルの接続に従来使用されているコルクではなく、交換可能なOリングを採用したマウスピースを開発。そのマウスピースは、同氏の師匠であるクラリネット界の巨匠ペーター・シュミードル氏をはじめ、同門であるザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団の首席奏者フェルディナント・シュタイナー氏なども愛用している。そこで、この2人も加わりグライヒヴァイト氏が作り出すマウスピースの魅力を語ってもらった。
通訳:横田揺子、後関由治 取材協力:株式会社石森管楽器
左からヨハネス・グライヒヴァイト、ペーター・シュミードル、 フェルディナント・シュタイナー
才能に恵まれた優秀な生徒
(以下P)
(以下F)
(以下J)
>>次のページに続く
・革命的な仕上がりのマウスピース
ヨハネス・グライヒヴァイト Johannes Gleichweit
ウィーン放送交響楽団首席クラリネット奏者。ウィーン国立音楽大学卒業。2003年からマウスピースの開発を開始し、他の多くのプロ奏者とともに完璧な精度と、個々の奏者に合わせた最適化を可能にする研究に取り組んでいる。2004年に彼は新方式のジョイントシステムにより特許を取得。マウスピースとバレルの接続に従来使用されているコルクを、交換可能な“Oリング”に換えることにより、簡単かつ素早い組み立てを可能にした。2008年にマルティン・フルッフ氏と共同でmaxton社を設立。2019年3月末日をもって共同事業は終了し、2019年4月1日より“グライヒヴァイト・マウスピース”が新規開業となった。
ペーター・シュミードル Peter Schmidl
1941年チェコスロバキア・オロモウツ生まれ。祖父(アロイス・シュミードル)、父(ヴィクトル・シュミードル)、本人と3代にわたってウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の首席ソロ・クラリネット奏者を務めている。ウィーン国立音楽大学でルドルフ・イェッテルに師事し、1964年、成績優秀ならびに国家表彰を受け卒業。65年、ウィーン国立歌劇場管弦楽団、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団に入団。68年からウィーン・フィルのソロ・クラリネット奏者となり、2001年から2005年まで同楽団のジェネラル・マネージャーを務めた。オーケストラ活動、室内アンサンブルの分野、そしてソリストとしても活躍している。バーンスタインとの共演が多く、87年、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団とドイツ・グラモフォンで行なったモーツァルト「クラリネット協奏曲」のレコーディングは、名演として知られている。1967年からウィーン国立音楽大学にて後進の指導にあたり、1980年教授に就任。現在では生徒たちが世界各国の一流オーケストラで活躍している。毎夏札幌で開催されるパシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)には91年からPMFアカデミーの教授(PMFウィーン)として毎年参加。また99年、首席教授に就任。さらに2001年からは首席教授兼芸術主幹に就任。
フェルディナント・シュタイナー Ferdinand Steiner
オーストリア・アイヒキーヘン生まれ。ウィーン国立音楽大学ではペーター・シュミードル、エルンスト・オッテンザマー、ハンス・ヒンドラー各教授に師事。在学中よりウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン国立歌劇場管弦楽団で研鑽を積み、モーツァルトの未亡人が設立したザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団首席クラリネット奏者として活躍。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のゲスト首席奏者として招かれるほか、シンフォニエッタ静岡プリンシパル・ゲスト・スーパーソリストも務める。また、クラシック音楽だけでなく、ジャズの演奏でも高い評価を得ている。
ヨハネス・グライヒヴァイト | ペーター・シュミードル | フェルディナント・シュタイナー