リード1箱10枚を全部使えるようにするプロジェクト

第4回|こんなときどうする? もう一歩踏み込んだリード調整法

毎回具体的にリードに対する技を惜しみなく披露してくれる木村氏。実は木村氏の演奏を多くの人が耳にしていることをご存じだろうか。宮崎駿監督の映画「天空の城ラピュタ」の音楽を演奏しているのが木村氏なのだ。映画の冒頭のタイトルバックに聞こえてくるクラリネットはあまりにも有名曲。そんな木村氏が伝授してくれる、秘伝とも言える技には編集部も感心するばかりだ。今回は読者より要望の多かった「こんなときどうする? 」という、もう一歩踏み込んだ調整法を紹介しよう。

 

講師 木村健雄さん

こんにちは。木村健雄です。これまでの連載内容、試してみましたか?
今まで使えないとあきらめていたリードたちが、かなりの確率で使える状態になってきたと思います。今回は「こんなときどうする? 」をテーマに、どうしたら対処できるか、そのリードをさらにグレードアップさせる方法を紹介していきましょう。

(The Clarinet vol.36発売当時のまま掲載しています。)

 

「こんなときどうする?」もう一歩踏み込んだ調整法

第3工程 仕上げ

新しいリードを箱から出して、少しずつ少しずつ約1週間ほどかけて調整していくうちに、リードの裏側がマウスピースの形に沿って膨らんできていませんか? 乾いた状態のリードを指で軽く触れてみると、その膨らみが感じられると思います(図1)。

図1
クラリネット,リード,図1
ペーパー800番をこのように置く
クラリネット,リードガラス板

これは水分を含むことで起こり、ある程度仕方のないことなのですが、その膨らみをなくしたほうが鳴るようになります。この作業をするときにはリードの先端部は削りたくないので、リードを動かす距離は1センチほど(図2)。作業後指で触れてみてツルツルになっていればOKです。

クラリネット,リード

リード中央部に人指し指を置き親指と中指でリードをはさみ、軽く押しながら↓方向へ1cm程度1〜2回

>次のページ「こんなときどうする?」に続きます。
・その1:ビービーうるさい
・その2:音がつまる
・その3:硬くしたい

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木村健雄

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