演奏、楽譜・教則本の出版、後進の育成─限りなき音楽表現への追究
THE FLUTE vol.199にて、白井美穂さんの連載「バロック音楽の謎を解く―フラウト・トラヴェルソとともに」に登場してくれたヴィーゼさん。今回はバイエルン放送交響楽団の公演で来日し、直接お話を伺うことができた。奏者としてはもちろん、指導者や楽譜の改訂者としても活躍する彼が、どんな思いを持ち音楽に関わるのかが垣間見えた。
そしてオンライン限定記事では、バイエルン放送交響楽団の日本公演や、指揮者 サイモン・ラトル氏について、またヴィーゼ氏の日々の練習や校訂者としての一面をお届けする。
※インタビューは2024年11月に実施
通訳/翻訳:白井美穂
オーケストラ奏者として
(以下 W)
これまで様々なオーケストラで演奏してきましたが、どのオーケストラにも特有の課題があり、それを解決するためには、楽団員同士の良好なコミュニケーションが不可欠です。私たちは音楽的な課題だけでなく、人間関係のトラブルについてもお互いに話し合います。楽団員一人ひとりが批判を受け入れる姿勢を持ち、また適切な形で意見を伝え合い、問題解決を図っています。これは、舞台で高いレベルのパフォーマンスを発揮するために欠かせない要素です。
もしも音程やタイミング、音量などについて敬意を持って指摘したにも関わらず、それを恨みに思うような雰囲気があれば大きな問題となるでしょう。しかし私たちのオーケストラでは、そのようなことはありません。
さらに楽団員全員が強い熱意を持ち、時間と労力を惜しまずにオーケストラに貢献していることも素晴らしい点です。例えば木管セクションで何か試したいことがあったり、一緒に練習したりしたい場合には、休憩中やリハーサル後でも取り組みます。これまでオーケストラによっては、楽団員がリハーサル後にすぐ帰ってしまい、そのような取り組みが難しい場合も多くありました。
また私たち楽団員は、最高のパフォーマンスを目指して日々努力を惜しみません。他のオーケストラでは、仕事として割り切ったり、疲れやモチベーションの低下を感じる楽団員がいることもありましたが、私たちのオーケストラは全体的に生き生きとしており、全員が良いパフォーマンスをしたいと思っており、それが音楽にも表れています。
もちろん、いつも平和で何の問題もなく、全員が友人のような関係だとは言いません。それはどの組織でも現実的ではないと思います。しかし、もし何か問題が起きても、それを解決し、最高のパフォーマンスをすることに支障がないという点は特別でしょう。BRSOは楽団員一人ひとりが真摯に向き合い、高い目標に向けて協力し合うオーケストラであると感じています。
インタビューは続きます!
・音から表現へ
・日本公演のプログラム\ONLINE限定!/
・指揮者 サー・サイモン・ラトル氏の魅力\ONLINE限定!/
・校訂者としての活動\ONLINE限定!/
・愛器・フルートマスターズ
・創造的な若い音楽家の支援を


Vom Klang zum Ausdruck:
Ein Übungsbuch für Flöte
「音から表現へ フルートのための練習帳」
[著者]ヘンリック・ヴィーゼ
[刊行]ツィンマーマン音楽出版社(ZM 36390)
[外貨定価]Euro13,99(オープン価格)
[ISBN]978-3-7957-3277-6
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