フルート記事
THE FLUTE 168号 楽譜付き定期購読 特典曲集

名作に名曲あり!映画音楽を味わう「FLUTE on Cinema」

これまで「Stage」「ICE」「Wedding」と続いてきた『Flute on』シリーズに、新たに『FLUTE on Cinema』が登場です。

映画音楽の歴史において燦然と輝く名曲の数々は、今聴いても心に迫るものばかり。演奏すれば、映画作品の数々の名シーンが鮮やかに思い出されることでしょう。模範演奏と楽曲解説、演奏アドバイスは林 広真さんが担当。 さらに、コラム「映画史~こんな映画から始まった!」「音楽に伝えたいメッセージを乗せて」を掲載しています。

こちらでは、THE FLUTE 168号の楽譜付定期購読の特典にもなっている、曲集『FLUTE on Cinema』の魅力をお伝えします!

収録曲(模範演奏&カラオケ伴奏CD付)

掲載楽曲はどれも一度は耳にしたことのある王道の映画音楽たち。古さなど微塵も感じられない不朽の名曲は、現在でもBGMとして使われたり、たくさんの奏者に演奏されています。
ピアノ伴奏&カラオケトラックも収録されているので、練習用としても、発表会やイベントでの演奏用としても、ゆったり聴いて楽しむリスニング用としても活用できます。演奏しても聴いても楽しめます。

 

  • ALWAYS 三丁目の夕日 Opening Title
    『ALWAYS 三丁目の夕日より』 / 佐藤直紀 作曲
  • Romeo And Juliet
    『ロミオとジュリエット』/ N. ロータ 作曲
  • オペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」より 間奏曲
    『ゴッドファーザー Part Ⅲ』 / P. マスカーニ 作曲
  • My Heart Will Go On
    『タイタニック』 / J. ホーナー& W. ジェニングス 作曲
  • Nuovo Cinema Paradiso
    『ニュー・シネマ・パラダイス』/ E. モリコーネ& A. モリコーネ 作曲
  • The Rose
    『ローズ』/ A. マクブルーム 作曲
  • Moonlight Serenade
    『グレン・ミラー物語』 / G. ミラー 作曲
  • She
    『ノッティングヒルの恋人』 / C. アズナヴール 作曲

 

読み応えアリ!コラム「映画史~こんな映画から始まった!」

無声から始まった映画に音楽が付くようになったのはいつごろ? 19世紀から現代までの映画史から、見ていきたいと思います。本曲集に掲載している映画ライター・望月ふみさんのコラムから、一部抜粋してご紹介します!

◼︎ 映画の始まりって?

映画に繋がる研究は19世紀後半より、さまざまな国の人々によってなされてきました。1893年、アメリカの発明王トーマス・エジソンが連続写真を撮影し、それに運動を与えた「キネトスコープ」(自動映像販売機=映写機)を一般公開します。しかし「キネトスコープ」は、のぞき穴から観る箱型のため、ひとりでしか鑑賞できないものでした。

1895年、一般的に映画の誕生とされる「シネマトグラフ」がフランスで公開。そして、オーギュストとルイのリュミエール兄弟の登場です。彼らの作品のほとんどは生活の様子を収めたドキュメンタリー映像でした。その中の列車が到着する様子を撮影した「列車の到着」では、実際に自分たちのところに列車が突っ込んでくると思った観客たちが、慌てて逃げだしたというエピソードが残っています。
*シネマトグラフ(映写機)を発明し、"映画の父"とも呼ばれる開発者

1902年にはSF映画の原点ともいえる作品「月世界旅行」、1903年にはストーリーを持つ映画「あるアメリカ消防夫の生活」が登場します。こうしてスクリーンで物語が映し出されるようになり、1908年にはアメリカ西海岸を拠点としたハリウッドが誕生。やがてアメリカで、テントなどで巡回興行していた映画に、専門の館(つまりは映画館)の設営が進んでいきました。

◼︎ 無声映画に音楽が入ったのはいつ頃?

1927年、初のトーキー映画とされる「ジャズ・シンガー」が公開。前半は無声ですが、後半にユダヤ牧師の息子で父の反対を押し切りジャズ・シンガーになった、アル・ジョルスン扮するジェイキーの歌と台詞を聞くことができます。興行的にも大成功を収め、トーキー時代の幕開けを飾りました。1928年には世界初のオール・トーキー、「紐育の灯(Lights of New York)」が公開。本格的なトーキー時代へと突入します。

セリフや効果音はもちろんのこと、音楽も映画を構成する重要な要素になっていきました。映画を愛する人々の琴線に触れた秀作「ニュー・シネマ・パラダイス」(1989)は、そのストーリーもさることながら、巨匠エンニオ・モリコーネによる音楽も忘れることができません。

名作には名曲あり─

『私のお気に入り』『ムーンライト・セレナーデ』『エデンの東』『魅惑のワルツ』─いずれも今に残る名曲は、すべて映画のために作られた作品です。しかし映画の引き立て役である音楽は、映画から独り立ちして、人々の心に感動を与えてくれます。かつて無声映画に始まり、音楽家たちの生演奏がつき、そして音楽の一つのジャンルに確立するまでになった映画音楽。

そんな映画音楽の魅力を、ぜひこの曲集でも味わってみてはいかがでしょうか?

参考演奏はプロ奏者の林 広真さん

参考演奏はTHE FLUTE 167号の付属CDでも素晴らしい演奏を聴かせてくれた林 広真さんが担当。素敵な演奏で映画の世界へいざなってくれます。また、各曲の演奏アドバイスも書き下ろしてくれているので、ぜひ参考にしてください。

林 広真

林 広真

東京都出身。神奈川フィルと共演。小澤征爾音楽塾オーディション合格。TVドラマ、アニメ、CM、映画音楽など録音参加作品多数。多数のオーケストラに客演。またMotion Blue yokohama、JZ Brat にて単独公演を行うなどジャズにも精通している。1st EP『Endemic』はiTunes Top Salesジャズチャートにおいてトップアルバムを獲得。東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て、同大学卒業。ぱんだウインドオーケストラ団員。

 

コラム

望月 ふみ

望月 ふみ 

70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸に、WEB、紙媒体を問わずエンタメネタを執筆している。ここ数年は映画関係のインタビューの仕事が多く、週に15人インタビューしたのが最高記録。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異である。なぜか老人の登場する映画に惹かれる傾向があり、老人と猫のロードムービー『ハリーとトント』から、愛猫の名前をトントにした。

 

丸々一冊がフルートの本番で使える「FLUTE on Cinema」。発表会にぜひ使ってみてくださいね!

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