トランペット 記事
ロイ・ハーグローヴ

21世紀のトランペット・ヒーローが先鋭集団を率いて今年2度目の来日!

昨今の若手トランペッターたちが、こぞってフェイヴァリットに挙げるプレイヤーと言えば、ロイ・ハーグローヴ。ジャズの範疇を超えて、R&Bやヒップホップも内包する音楽性でポピュラー音楽シーン全体に強い影響力を放つ現代のカリスマだ。
そんな彼がジャズ〜ファンク〜R&B〜ヒップホップを縦断するミクスチャー・ユニットRHファクターを率いて去る9月に来日を果たした。自身のクインテットで今年3月にステージを踏んだブルーノート東京へ再び。本誌にも創刊号に続いての登場で、今回は表紙と巻頭インタビューを飾ってくれた。
(インタビュー・文:櫻井隆章/写真:標 隆司/協力:ブルーノート東京)2017年インタビュー

聴衆の身体を揺らすことは音楽の持つ使命の一つ

現在のポピュラー音楽界をリードしている一人が、間違いなくロイ・ハーグローヴだ。彼のトランペットが紡ぎ出すサウンドは、ジャズ界を中心に、ネオ・ソウルやR&B、ヒップホップなどのシーンに大きな影響を与えている。なのだが、結構気難しい性格の持ち主としても知られ、今回も事前に「本人の気分によって突然インタビューがキャンセルされるかもしれません」などと言われ、こちらもそれなりの心づもりをしていたのだった。が、それも杞憂に終わった。早くも本誌二度目の登場である。

まず、今回のライブはとても素晴らしいものでした。
ロイ
いやぁ、ありがとう。そうなるように、いつも努力しているからね(笑)。
今回は、RHファクター名義での来日でしたが、アメリカでもライブは多く行なっているんですか?
ロイ
いや。僕は多くのバンドのライブを同時並行で行なっているからね。このバンドでのライブは久々だったんだ。メインはクインテットでね。だって、今回のようにスタッフも合わせれば10人程にもなるバンドの、飛行機代やホテル代を喜んで出してくれるところなんて、そうはないんだよ(笑)。だからこそ、今回このメンバーでプレイできて、誰もが喜んでいるんだ。そして、世界中のどこよりも、この日本、東京のお客さんの反応が良いんだよ。メンバーたち誰もがそのことを判っているから、誰もが日本でプレイすることを喜び、二つ返事で日本に来てくれるんだ。
大人数のバンドですから、たまには違ったメンバーが入ることもあるでしょ?
ロイ
いや、誰もが“ファミリー”なんだよ。確かに、たまにメンバーが代わることもあるけれど、それで何かが変わることはないね。このRHファクターに一番長くいるのは、ドラマーのジェイソン“JT”トーマスかな。このバンドを始めて以来、ずっと彼がドラマーなんだ。このバンドのリズムは、永らく彼が担っているというわけさ。

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・僕自身が気持ち良くなれば、それが良い楽器
・僕の音楽を聴きたかったらライブに来てくれ!

Roy Hargrove(ロイ・ハーグローヴ)
本名ロイ・アンソニー・ハーグローヴ。1969年10月16日生まれ。現代を代表するトランぺッターの一人。数多くのグループを率いているが、何よりも彼の名前を広めたのは、数多のレジェンド級アーティストとの共演だろう。フレディ・ハバードやジャッキー・マクリーン、ハービー・ハンコックやジョー・ヘンダーソンなどとのプレイで知られる。中でもソニー・ロリンズは彼の名前を冠した曲を作った程。またエリカ・バドゥやディアンジェロ、ローリン・ヒルなどのR&Bやファンク、ヒップホップ勢とも交流を持ち、レコーディングやライブに参加している。初来日は19歳だった当時の1988年のマウントフジ・ジャズ・フェスティバル。以来、来日公演の回数を重ねている。

 

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